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ドラゴンリング  作者: 半纏ボク
第八章 帰郷
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ポートブリッジ統合軍基地内参謀本部

 ポートブリッジ統合軍参謀本部は、ドラゴン追撃作戦の準備を陸海空の全部隊に通達した。ドラゴン追撃作戦の名前は、フランス人なら誰でも知っている叙事詩から選ばれ、ローランが持つ聖剣の名前からオペレーション・デュランダル(デュランダル作戦)と命名された。作戦の最終目標のドラゴン殲滅戦は、ネーデルランドに存在するフェアリーリングの周辺地域になることが想定された。フェアリーリングの言い伝えでは、妖精の祝祭が行われるという夏至に影響がもっとも強くなるとされているため、その前に決着をつける必要があると判断された。したがって、最終目標のドラゴン殲滅戦は夏至前の6月20日に開始されることが決定した。

 統合軍陸上部隊からデュランダル作戦に参加する部隊は、第2機甲旅団(約6700名)、第6軽機甲旅団(約6000名)、第11落下傘旅団(約8500名)、第2竜騎兵連隊(約750名)、第31工兵連隊(約1000名)と決定された。第54砲兵連隊は地対空ミサイルが主装備であったため、トゥーロンおよびイエールの防衛のために残されることになった。なお例外的ではあるが、本人の強い希望により海上部隊所属の1中隊が第6軽機甲旅団隷下の第1外人工兵連隊に編入されることになった。

 統合軍海上部隊からは航空母艦〈ジャンヌ・ダルク〉を中心とした地中海艦隊、さらに、統合軍航空部隊からは第11落下傘旅団の搬送用輸送機、並びに、支援のための戦略爆撃機などの多数の作戦機が参加することが決定された。

 進軍経路は、マルセイユ、リヨン、ボーヌ、ラングル、ルクセンブルク、アムステルダムを経由する方針であったが、大部隊の陸路の移動にあたって、ルシファーの脅威が予想された。このために進軍経路はルシファーの苗床と化した市街地を迂回するように設定し、第6軽機甲旅団が前路掃討を務めることとなった。

 さらに念を入れて、第11落下傘旅団がネーデルランド南部などの進軍ルート上に降下して、大型車両が通過可能な橋や市街迂回路の安全を事前に確認する手筈となった。

 これらの進軍ルートを通過するにあたって、もっとも懸念されることは車両や人員に付着するルシファーの胞子であり、その対策のために日に何度も消毒や洗浄の必要があった。このために余裕を考慮して、移動の日程に10日間を見込み、6月11日から6月20日にかけて陸上部隊が移動することとなった。

 なお、作戦終了後は、陸上部隊の引き揚げを支援するため、揚陸艦、輸送艦などを含む海上部隊の艦艇のほとんどをロッテルダム港に入港させ、海上輸送により帰還することが決められた。

 よって、作戦エリアに集結させる参加部隊の規模から、トゥーロンおよびイエールに温存されていた統合軍の戦力のほとんどを投入する総力戦の様相となっていた。

 最終目標のドラゴン殲滅戦作戦の概要は、次のとおりとなった。

 作戦は暗闇に紛れて夜間に開始される。暗闇ではドラゴンの夜目では視力が落ちることがわかっており、人類には赤外線による視認が可能のため、絶対的な優位になる。ミラージュ2000N戦略爆撃機編隊から波状爆撃により開幕し、続いて第2機甲旅団、第6軽機甲旅団のルクレール戦車や自走榴弾砲からなる支援火器により一斉砲撃を加える。最終目的のドラゴン殲滅の最終局面では第2機動旅団を前面として、密集体型で突入し、砲撃に生き残ったドラゴンを各個撃破していく。第6軽機動旅団、第11落下傘旅団は、第2機動旅団に随伴し、その護衛と砲撃支援を継続する。想定どおりであれば、一方的に攻撃を与えることができるはずである。


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