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久しぶりの投稿です☆
なぜ、私はこの優雅な場所に座らせられているのだろうか……
大公様が徽章を届けてくださって……
とりあえず失敗しても問題なさそうな来客用の黒色の徽章の一つに無効化をかけて……
王妃様と大公様がちゃんと術がかかっているかの鑑定を引き受けてくださって……
お二人から合格をもらい比較的数の少ない来客用、王族用の徽章に無効化をかけた。まだいけるから教師用のもやろうとして……
『アリシアちゃん、今日はここまでよ。』
と声を掛けられた。
……これも覚えている。
その後は…?
王妃様が『部屋で休む前に軽食をいただきましょうね!』から始まり、あれよあれよと言う間に連れて来られたのは寸刻前のこと。
そして現在。
なぜかこの場所、王族専用のサロンにいる。
前方にはキラキラ笑顔を浮かべたお美しさ全開のドラゴンレアール国王陛下とお隣にはこれまた国王様と似た顔でキラキラ輝く笑顔の大公陛下が座っている。
そして、アリシアのお隣をがっちりキープしながらお二人を笑顔で睨み付けている王妃殿下。
『アリシアちゃんごめんなさいね~。本当は二人だけで過ごす予定だったのよ。それなのに……
お呼びしていない殿方達がちゃっかりお座りになって参加しているのだもの!
私の可愛いアリシアちゃんが驚いて石像のように固まって動かなくなってしまったじゃないのよ!
お二人共とーってもお忙しいはずよね!
早く執務にお戻りになったらいかが?
私とアリシアちゃんの素敵な時間を邪魔しないでくださる?』
王妃様は笑顔で言うのだが、その目は据わっていて全く笑っていない。
『まぁまぁ落ち着きなさい、ロズ。私達が居てもいいじゃないか。アリシア嬢の独り占めはいけないよ?
カルイドから直々に““アリシアを頼む!””と言付かったのはこのわたしだよ!
アリシア嬢を王宮に滞在させると言った時、寂しいから駄目だ。毎日通わせるから連れて帰ると断られたんだからな。
私が説得の為の口添えしなければアリシア嬢はこの場にはいなかったわけだ。
だ・か・ら・だ!
私がアリシア嬢と共に過ごす一番の権利保有者だと言うことわかって欲しいのだがな~』
『……なっ!!なんと傲慢なお方なのかしら!
あなたには可愛いアリシアちゃんは讓らないわよ!
私のアリシアちゃんよ!』
何故かアリシアの取り合いを巡って夫婦喧嘩を始めたおふたり。
ただ国王様の表情を見るとすご~く楽しそう。
王妃様のお怒りの表情をみて“”可愛い奴め!””と全身から溺愛ピンクオーラが漂っている。
見つめる眼差しは優しくて、傍目からみたら愛を囁いているようにみえる。ただイチャイチャしてるようにしか感じられないのは気のせいだろうか。
大公様もまた始まったかと苦笑い。
『(……まったく。)兄上。義姉上をからかうのはいい加減にしませんと本気で嫌われてしまいますよ。よろしいのですか?
義姉上も。
義姉上のお顔が恐ろし……いえ、大変なことになっていますよ。アリシア嬢が隣にいることをお忘れなきよう……
それに、夜も更けて参りましたから早くアリシア嬢を休ませてあげないといけませんよ。
お二人の甘い時間へのお付き合いは勘弁してください!
さぁ、スチュワート食事の準備を頼む。』
大公様が右手を上にあげると呼ばれるまで存在を消していたスチュワートが『はい。お任せくださいませ。』と現れた。
素早く給仕の者たちをサロン内に通すとあっという間に軽食の準備を整えささーっと気配を消した。
『……そうね。』『……そうだな。』
『ロズすまない。君が可愛いくてついついからかってしまったよ♡』
『もう♡相変わらずしょうのない人ね♡許してあげるわ♡♡』
《…………何をみせられているのだろうか。私……この場所にいてもいいのかな?
精神年齢が2●歳だからある程度スルー出来たけど……なるほどね。
お二人のラブラブ劇場を常に目の前で観させられてきた息子のレオ。仲間と認めた人に対して与える甘い言動と距離感のおかしさ。納得!お父様とお母様の影響か。レオがあーなるのわかるような気がする。》
おしゃれなサンドウィッチをパクパクとつまみながら、様々な思考を巡らせていた。
《絶品~こちらのデザートも激ウマ!流石王宮の料理人の腕は最高ランクだわ~幸せ♡》
・・×・×・×・・
『…………っと言うわけで決まりましたのでよろしいですわね!』
『あぁ。ロズに任せるよ。アリシア嬢もよろしいか?』
自分の世界に夢中になりすぎて話を聞いていなかった。
困って首を傾げるアリシアに何かを期待するかのように見つめる御三方の視線の圧が半端ない。
『アリシアちゃんどうかしら?嫌なときは断ってくれても良いのよ。今なら変更がききますからね。どう?よろしいかしら?』
「えっ……と??よっ…よろしい?ですわ……??」
何について言っているのかイマイチわからないけど……無理難題はないだろう。と安易な考えから頷いていた。
『まぁ!まぁ!!よい返事が貰えて良かったわ!そうと決まったら早速いきましょうね!
私たちはお先に失礼させていただきますわ!あとはお二人でごゆっ~くりとなさって。手続きなどはお願いしますね!』
王妃様が上品に手をふり扉へ歩いていく。
アリシアも国王様方に一礼し、訳もわからず王妃様の一歩後ろをおずおずと付いていくしかなかった。
案内された場所はキラキラしい所ではなくシックな落ち着いたお部屋だった。
王妃様が好きに見ていいわよっと声を掛けてくれたので遠慮なく近くの調度品を手に取った。
《うわぁーすごーい!この細工の素晴らしいこと!!間違いなく高いやつだ……触ったら駄目なやつだ。壊したら弁償もんだわ。》
ごくりと固唾を飲むと、手に持っていた置物をそっーとキズをつけないように元の位置に戻しホッと息をつく。
触らず視覚で楽しむことにしたアリシアはあることに気付く。
《……このお部屋……白い薔薇をモチーフにしたものが多い気がする。》
壁紙に描かれていた小さな白薔薇の模様をそっと触ってみる。壁紙だけではなくクッションやカーテンなどこの部屋の至る所美しく花開く白い薔薇の刺繍。
ただただ、美しいの一言。
《白い薔薇のモチーフ……あぁ。だから““白薔薇の間””と言うわけか。とっても綺麗な刺繍だわ~!》
様々な白や白銀の糸を組み合わせて独特な色合いの薔薇はかなりの腕前の持ち主の作品なんだろうな。と感嘆の声が漏れる。
他にも白薔薇模様がないかと頬を染め、興奮状態でキョロキョロと辺りを見渡していた。
『ふふふ。このお部屋が気に入ったようね。あなたが宮にいる間過ごす場所なのよ。』
「素敵なお部屋ですね。落ち着きのある青みの色合いを基調にした室内に、白薔薇模様が華やかに咲き誇りとてもお美しいです。
それにこんなにも色鮮やかな種類の花を見渡せる庭園は見たことはありません。素敵ですわ!」
約10日間お世話なるのも悪くないのではと思い始める自分がいた。
他にも赤薔薇の間。青薔薇の間。黒薔薇の間がある。
この部屋のように美しい薔薇の刺繍があるのだろうか。この目で見てみたいなとテンションが爆上がりである。
『それならよかったわ。私たちの部屋もこの奥にありますからいつでもいらしてかまわないわよ。』
『……あちらのお部屋ですか。もっっ、もしかして……あちらが……国王陛下ご夫婦のお……おへや………?」
王妃様たちのお部屋が赤薔薇の間と言うことは、隣にあるということは必然的に次代の王位継承者の部屋になる。
《白薔薇の間って……まさか……》背筋にヒヤリと冷たいものが走った。
『気がついちゃったかしら☆ここはレオナルドの私室なのよ。
因みに青薔薇の間は王太子以外の王子、王女のお部屋で今は使われていないわ。
そして、黒薔薇の間は高位貴族や国賓の部屋なのよ。自分のお部屋だと思って、こちらでゆるりと過ごして頂戴ね!』
青薔薇の間はこの階の上下の部屋に存在する。
上の部屋には王子が。下の部屋には王女の私室である。
黒薔薇の間は別宮にある。
「わ……た……く……しは白薔薇の間ではなく、黒薔薇の間に滞在……したい……させてください!」
《レオと同じお部屋は流石にありえない(泣)》
「白薔薇の間は……レオナルド王太子殿下の隣のお部屋は、未来の妃殿下の部屋ではありませんか。私が使うのはおかしいと思います!!……黒薔薇の間か、他のお部屋を……もしくは公爵邸に帰らせて下さいませ。毎日通いますのでどうか……ご勘弁を……!!」
《あんなイケメンと10日間も扉続きの部屋なんてストレスたまりまくり。そもそも未婚の婚約者でもない、只の友達?の私が扉続きのお部屋をもらうって、世の中に““皇太子殿下の恋人は私よ!未来の妃よ!””って拡声器で言っているようなものだよ!ありえない!無理ほんと無理!!
それにレオといると私の可愛いモフモフちゃんたちが嫌がる。落ち着いたら癒し目的で呼ぼうと思っていたのに……。
この部屋だと絶対に顔をみせてくれないよ。》
『『……残念ながら、それは出来ないよリア。』』
アリシアの切羽詰まった様子とは逆に、微笑を浮かべるこの部屋の美しい主レオナルドが、扉に寄りかかり声を掛けてきた。




