44
「「今日も良い天気になりそう!」」
爽やかな秋の晴れ空。
気持ちの良い風が吹き草花の良い香りに気分が上がる。
空に向かって両手を広げて、深呼吸を一つ。
太陽も段々と高く昇ってきている。
そろそろ帰らなくてはならない時間。
レオを店の外まで送り出しお別れをする。
外に出たレオはアリシアをじっと見つめ、別れ難そうにしている。
『またリアに会いに来てもいいかな?』
「うん!いつでも遊びにきて!!私の力でレオの症状が和らぐのならいつでも力になるからね!それにもうお友達なんだから気にせず会いに来て!待ってるね!」
『友達……?』
「うん!!」
なんだか、複雑な表情を浮かべたようにみえたけれど、気のせいだったみたい。レオの表情がぱぁーっと明るくなり喜んでくれているように感じた。
昨日被っていた黒いフードはもう着ていない。レオの綺麗な焦げ茶色の宝石のような輝く瞳も、黒色のサラサラの髪の毛も、透き通るほどの白い肌もとても美しい。
太陽の光もレオを輝かせる手伝いをしているんじゃないのっていうぐらい、神々しい光に包まれている。眩しい!半端ない!
だからかな……
街中の女の子や女性達がレオをちらちらと見てるし、恋する乙女のように瞳がハートになっている。中には男性が何度も何度も振り返って見ているね!
みんな頬を紅色に染まらせているよ。イケメンってやっぱり凄いな!イケメンは世の中を明るく幸せにできる存在だわ。
いつもとなんら変わらない朝のはずなのに、レオの周りだけ別世界のようだ。恋愛音痴の私でもわかるわ。
レオのイケメンオーラだだ漏れしてることが……
太陽の光が反射していて、レオの焦げ茶色の瞳の中に金色の宝石が鏤められているようにキラキラと輝いている。
《??……あれ?この瞳……どこかで……》
「…………!!」
「あの時のお兄さん………!!?」
『えっ?』
「私、隣国のエメラドーナでレオにあったことがある!四年前に柄の悪い男の人たちに絡まれたことがあってその時に私を助けてくれたお兄さんがいたの。そのお兄さんレオだよね!」
『四年前……?』
『……………!!…………あの時のハンカチをくれた女の子?リアだったの!?』
「うん!あの時は助けてくれてありがとう。いつかまた会ったらお礼をしたいなって思っていたの。レオがあの時のお兄さんだったなんて!!嬉しい!」
「あっ!ちょっと待ってて!!」
急いでアトリエに戻り、宝物入れの箱を開ける。あの時、助けてくれたお兄さんを思って作った黒と焦げ茶色に金色のガラス玉がついたお守りのタッセルを取り出す。
それを握りしめ、レオの待つ外へ向かう。
「これ、レオに……渡したくて。」
息を切らせながら、タッセルをレオに手渡す。
「あの時のお礼にと作っておいたものなの。まさか渡せる日がくるなんて!これはねタッセルといって服などにつける装飾品。装飾品の他にも、悪い出来事から身を守ってくれる魔除けのお守りなの。大切な人の幸せを願う……という意味もあるのよ。」
太陽の光にかざしながら、受け取ったタッセルを嬉しそうに眺めているレオ。
『ありがとう。綺麗だね。』
「ふふふ。レオにつけてあげる!」
レオの着ている服にタッセルを取り付けようとしたのだが、シンプルなYシャツにズボンだったことから、取り付ける場所がないことに気が付く。
アリシアは自分の髪を束ねていた黒色の革ひもを手解き、タッセルをその紐に通しネックレス仕様した。
それをレオの首にかけてあげる。
装飾のガラス玉に自分の癒し魔法を流し込む。
金色のガラス玉の中には七色の小さな粒が輝き始めた。
四年振りに再会した恩人に対してお礼の意味を込め、これでもかという位、最上級の癒し魔法を注入。
「はい、どうぞ!苦しいときはこのタッセルを握り締めてね。きっと、効くはずだよ!」
『このガラス玉、七色に光っているんだね。こんなに素敵なものを貰えるなんて!大事にするよ。ありがとう!』
レオはアリシアに軽くバグをして
『またね!リア!!』
と耳元で囁き、弾ける笑顔を残してアリシアもとを去っていった。
““ ドクン!!! ””
なにこのドキドキ。体も顔も熱い……
アリシアの中で、得たいの知れない気持ちが溢れている。
アリシアはいつまでも興奮が収まらず、体が熱い……自分の手をうちわ代わりに扇ぎ、なんとかこの気持ちと体の熱さを抑えようと必死である。
あの時助けてくれたお兄さんのことは、この四年間よく思い出していた。すっごい魔法だったなとか……怪我した手の甲は大丈夫かなとか……宝石のような瞳が綺麗だったなとか……また会えたらいいなとか……会いたいなぁ……っとか。
心がぽかぽかしていたあの頃の気持ちに似ている。
アリシアの憧れのお兄さんであり感謝すべき特別な人。
初めて感じる淡~い気持ち……ドキドキする胸の高鳴りをいつまでも抑えることが出来ず、レオが歩いて行った方をしばらくボーッと見つめていた。




