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翌朝のこと……目を覚ましてビックリ!仰天!!
アリシアのふかふか布団の上に小さいカラフルなふわふわの動物が幸せそうにすやすやと寝ていた。
ポメラニアンのような姿、形。ティーカップに収まるぐらいの小さなふわふわの可愛い生き物。数を数えてみると7匹いる。
アリシアと契約した精霊王の本来の姿なのだと思った。
《 可愛い~~♡ ふわふわ~♡♡》
寝ている精霊達に優しく触れてみる。思っている以上にモフモフ♡ふわふわだった。
『失礼します姫様。お目覚めになられましたか。』
マリーがアリシアの寝室に入室。カーテンと窓を開け、『おはようございます姫様。』と深々と頭を下げる。
エメラドーナと変わらないアリシアと侍女マリーの朝のルーティンへ突入するはずだったのだが……マリーがアリシアの布団に近付こうとして足を止め、固まってしまった。
『あ……あの……姫様…………その……小さな動物は……』
と言って言葉に詰まる。
今までは魔力の強い者しか感じられなかった精霊たちが契約をすることで形となり、何処の誰でも見えるようになった。
「お友達なのよ。ふわふわで可愛いらしいでしょう!」
マリーは何が起こっているのかわからず狼狽えている。
この子たちが精霊であること、エメラドーナでの出来事を丁寧に説明してあげる。精霊の王様たちと言うのは黙っていることにした。
驚きすぎてマリーの心臓がもたないと思う……
他の人にも内緒にした方がいいのかなと思うし……
マリーはアリシアの話を理解したようだった。元々、適応能力の高い人なので、きちんと説明すれば柔軟に対応してくれるハイスペック侍女なのだ。
『わかりました。精霊様達のお世話も誠心誠意、御不便のないよう務めさせていただきます。』
そう言って頭を下げる。
『では、まず姫様のお支度からいたしましょう。』
『朝食は公爵様とクリストファー様がご一緒にとのことでございます。時間が押していますので、少し急ぎましょうね。』
アリシアの準備が終わり朝食をとる部屋へ案内される。
天井から吊るされているシャンデリアが美しい。日の光が反射して部屋の中がキラキラと輝いている。部屋には暖かみがある壁紙に絨毯が敷かれている。
テーブルや椅子などの家具はロココ調アンティークといった感じでテンションが上がる。
国が違うとこんなにも違うのかと勉強になる。
ドラゴンレアールの装飾品や家具などについて調べ、新たな作品作りに生かし、取り掛かろうとついつい鼻息が荒くなってしまうアリシア。
そんな興奮したアリシアの様子に気付きマリーが声を掛ける。アリシアの席へ座るよう促す。
『アリシア様、こちらにどうぞ。』
アリシアの持っていたバスケットをマリーに預け着席。アリシアの側に用意されたサイドテーブルの上にそっと置く。その後、カルイドの合図で食事が始める。
『二人共おはよう。昨夜はよく眠れたかい?』
「はい。」『はい。父上。』
『食事が終わったら、君たちの勉強やマナーを指導してくれる先生を紹介するからね。さぁ、食べよう!』
『それから、アリシアから相談されていたことだが……今日は王宮に行かなければならない。二人の到着を陛下に報告することになっているのだ。準備は全て整っているから、そうだな……明日の午後にでも案内するよ。いいかな?』
「はい。ありがとうございます!とても楽しみです!」
『アリシアのやりたいことって自分のお店を持つことだよね?』
クリスお兄様が尋ねる。
「はい。エメラドーナでは叶いませんでしたので……」
『そうだね……こちらではアリィの事を知らないから安全だろう。アリィの作品は人を笑顔に幸せにしてくれる物ばかりだからきっと街の人達にも喜んで貰えるだろうね!夢が叶って良かったね、アリィ!!』
「はい、お兄様。一生懸命頑張ります!」
『ところで……気になっていたのだけど……その籠には何がが入っているの?』
「お兄様見てください!お友達の精霊たちです!朝起きたらこのような姿になっておりました!と~ってもかわいらしいですよね~♡」
バスケットの中で大人しくしていた精霊王達が、一斉に飛び出し部屋の中を楽しそうに走り回っている。クリスお兄様もカルイドも驚いている。
『アリシア………これはいったい…………』
カルイドが恐る恐る……アリシアに尋ねる。
「この子達たちは精霊です。エメラドーナの神秘の森で出会いました。」
「初めは小さなキラキラの光だったのですが、仲良くなり、契約?をしたのです。しかし、今朝起きたらこのように可愛らし~い姿になっていたのです!」
「最近姿が見えなかったのでどうしたのかしら……と思っていたのですが、どうやらドラゴンレアール王国に付いてきていたようです。こんなにも可愛く姿を変えました!」
アリシアは自慢の可愛いい子たちを早く紹介したくて興奮しいつもより雄弁になる。
『あぁ。あの時の精霊か!!アリィの魔力と精霊たちの力がしっかりと結びついたことで本来の姿になったのだろね!』
クリスお兄様も嬉しそう。滅多に御会いできない精霊に感動していたもんね~!
『そうか……アリィの……もしや伝説の………いや違うか……しかし………………早急に調べなくてはならない……』
カルイドは精霊たちを見ながらぶつぶつと呟く。
『クリス、アリィ……食事の途中だか調べなければならない事案が発生した。すまないが、先に失礼するよ。君たちはゆっくりお食べ。良い一日を!』
と言い残し、再び精霊たちにじっーと目を向け慌てて部屋から退室してしまった。
お兄様もアリシアもわけがわからず “???”……
《どうしたのかな??》
お兄様に聞こうとして声を掛けようとしたのたが……美味しそうなデザートが運ばれてきたために、そちらに気を取られ小さな疑問が頭から抜け去った。
さぁ、ご飯も食べたし自室で少し休憩。可愛い精霊王たちに名前をあげることにした。
赤のふわふわちゃんはルビーの “ ルー ”
橙のふわふわちゃんはアンバーの “ アン ”
黄のふわふわちゃんはシトリンの “ リン ”
緑のふわふわちゃんはペリドットの “ ドット ”
青のふわふわちゃんはアクアマリンの “ アクア ”
藍のふわふわちゃんはラピスラズリの “ ラピ ”
紫のふわふわちゃんはアメシストの “ シス ”
漆黒の夜空に金色の輝く星が宝石のようにキラキラと鏤められているような瞳をしている。毛の色も瞳も綺麗だから宝石の名前をいただきました。
どうやら名前を気に入ってくれたみたい。名前があると更に近くなったように感じるな!
“ トントン ”
『アリシア様。失礼致します。クリストファー様がサロンでお待ちです。』
「はーい。」
返事をしクリスお兄様の待つサロンへ行く。
サロンに着くと、お兄様の他に数名の身なりのいい男性4名と女性3名がアリシアに丁寧にお辞儀をしている。
そう言えば……私達の指導をしてくれる先生を紹介してくれるって言ってたな。
『御初にお目にかかります。』私はグランツ公爵閣下の側近ステファン・マドラスと申します。』
『公爵閣下より紹介をするようにとありましたので、紹介させていただきます。』
『こちらは私の両親と兄達でございます。』
『ステファンの父オルレアン・マドラスでございます。ドラゴンレアール王国の侯爵位を賜っております。』
『妻のセシル・マドラスでございます。』
『そして嫡男のハムステッド・マドラス、妻のエレン。次男のフレデリック・マドラス、妻のエリーゼでございます。』
『『『以後お見知りおきを。』』』
マドラス侯爵一家が深々と頭を下げる。ふむふむステファンは三男坊か……マドラス侯爵は話を続ける。
『私が王国の歴史や座学をセシルはマナー指導をハムステッドは剣術をフレデリックは魔術をお教えするよう公爵閣下より承っております。息子の妻達にはクリス様とアリシア様、お二方の側仕えとして身の回りのことをお手伝いさせていただきます。』
『どうぞ宜しくお願い致します。』
「『先生方、こちらこそ宜しくお願い致します。』」
とクリスお兄様は胸に手をあて、アリシアはドレスのスカートをつまみ軽くおじきをする。
『まぁ!まぁ!なんて可愛らしいのかしら!』
侯爵の妻セシルと息子たちの嫁達のエレン、エリーゼがきゃっきゃ!言っている。侍女長も笑顔で妻達の輪にいて頷いている。
『あの……申し遅れましたが……こちらの……公爵家の侍女長として勤めております。妻のモニカです。』
『モニカと申します。宜しくお願い致します。』
三男坊のステファンがはっ!としたように侍女長を紹介する。恥ずかしそうにしている。侍女長のモニカは笑顔で深々とお辞儀をする。
その後はみんなで和気藹々とお茶会をして仲を深める。侯爵一家はとても明るく人柄が良く、話上手。親戚の集まりのような感覚がして楽しかった!
実際、マドラス侯爵はお母様とカルイドパパの従兄弟様だった。
マドラス侯爵婦人もお母様と王妃さまの小さい頃からの幼馴染みと言うし……
《世間って狭いな~!》
と思いながら、これから出逢うであろうアリシアの運命を握る攻略対象者が頭を過るのであった……




