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《《やって来ました!ドラゴンレアール王国!》》
アリシアは重い病気を患った為に長期療養することになった……とお父様が国の重鎮達に発表した。神秘の森の奥深くにある離宮で療養していることになっている。
離宮なんて無いけど……
まぁ、王族と偉い神官様しか入ることが出来ないから、バレることはないでしょう!
ということで!
アリシアは今、クリスお兄様の側近として変装中!!初の男装をし目も髪の色も変え、分厚い伊達眼鏡を掛けて存在を消して旅をしてきた。アリシアは療養中なもんでバレちゃいけないのよ……
クリスお兄様もアリシアもおじ様のいる公爵邸には内密に入城することになっている。側近1名と護衛騎士2名、アリシア付きの侍女マリーの計4名だけを伴っている。
未婚の公爵は常に話題の中心にある。
国の宰相、筆頭公爵、容姿端麗……とくればねぇ……
公爵夫人の座を狙う貴族女性の争いが絶えず、実は跡継ぎがいると知られれば、利用しようと考えたり命を狙われてしまう可能性がある。
それに、公爵家には特別な力があり、成人を迎える歳になるまで“秘密の部屋”と呼ばれる部屋で過ごさなければならない。ってお母様が教えてくれた。
《特別な力ってなんだろう?》
《お母様は大人になるまでは駄目よって言って教えてくれなかったんだよねー》
お母様もカルイドも成人まで秘密の部屋暮らしを送っていたようだ。だから、私達兄妹が公爵家の子息達として成人のお披露目式に急に社交界に現れても問題ないらしい。
未婚の公爵に実は子供がおりました!ってなったら国中の皆さん凄く驚くだろうけど……
ドラゴンレアールの成人は男性が16歳、女性が15歳。
死亡フラグ回避の為に14歳になったらエメラドーナに帰ろう決めているからアリシアは社交界デビューをする気はない。
《あれ?成人が15歳…………?………もしかして14歳を過ぎたら……留学……扱い?エメラドーナ王国・王女としてこちらの学園に通わされるとか?まさか……無いよね……》
《…………………無い!無い………そんな恐ろしいこと考えるのやめよう………!まだまだ4年もあるしね!取り敢えず楽しむ一択!》
やりたいことはもう決めているし、お父様達の許可をしっかりゲットしてきた。おじ様も全面的に協力してくれるって言ってくれてる。もう楽しみで仕方がないアリシア。
もちろん、勉強もドラゴンレアールの礼儀作法もしっかりやるという約束だから、頑張らなければならない。
顔ばれ?の心配はないからここではやりたい事をやる!
2人を乗せた質素な馬車は暗闇に紛れ、静かに公爵邸に入城する。念には念を……馬車の存在を知られないように姿隠しの魔法をかけている。
二人の存在を知っているのは公爵の側近と侍従長と侍女長。あとはドラゴンレアール国王と王妃だけ。王妃様はとても素敵な方でお母様の大好きなお友達なんだって!
《王妃様に会ってみたいな。》
入城後、これから生活する部屋に案内される。暗くて外観はわからないが、内装はとってもステキ。エメラドーナはシンプルなものが多かったが、ドラゴンレアールは花柄をあしらった装飾が繊細でとてつもなく美しい。アリシア好みである。
「うわー!素敵なお家ですね!!お兄様!」
《まるでベルサイユ宮殿ね!美しくわ~♡》
二人が成人まで過ごす部屋でこんなにも凄いんだから、王宮や公爵邸、王都の町並みはさぞかし美しい建物なのだろう。
《ドラゴンレアール滞在中にお忍び観光しちゃおう!》
部屋に通されカルイドが来るのを待つ。
用意された香り豊かな甘い紅茶を口に含む。無事到着出来たことによる安堵と美味しいお茶を飲んだことで疲れがどっとやってくる。
『アリィねむいの?』
「大丈夫です。お兄様……」
アリシアが首を横に振るのと同時に部屋の扉が開く。
『クリス、アリィ待たせたね!』
そう言って部屋に入ってきた男性……キラキラオーラ全開の超・絶・イケメン!長身で長い髪の金髪をうしろで一つに結んでいる。瞳はクリスお兄様より少し明るいサファイアブルー。美しく微笑みながら颯爽とアリシア達に近付いてくる。
《きゃー!素敵!!久しぶりのおじ様!!》
扉から突如現れた超絶イケメンおじ様に心を奪われる。
『よく来たね。長旅で大変だっただろう?君たちが小さい頃に何度か会っているのだが、私のことは覚えているかい?』
『はい。叔父上。お久し振りです。』
クリスお兄様が嬉しそうに答える。
『クリス……これから君は私の息子になるのだから遠慮せずに父と呼んでおくれ。』
『はい!父……上……!!』
《お兄様耳まで真っ赤っか!昔からおじ様のこと大好きなだったもんね~!》
カルイドが公爵位を継ぐ前は、エメラドーナ王国に嫁いだ姉の所にご機嫌伺いと称しよく訪問していた。その度に沢山遊んでくれていたのだ。
アリシアはまだ小さかった為、部分的にしか覚えてはいないが、優しくだっこして絵本の読み聞かせをしてくれた。
特にクリスお兄様はおじ様が大好きで、カルイド滞在中は側から離れず、ず~~っと一緒に過ごしていた。食事も寝る時も一日中ピッタリとくっついていた。
そんなこともあって、特にクリスお兄様のことは自分の息子のように可愛がっていたとお母様が教えてくれた。公爵位を継いだ4年前からなかなか会いに来れず、久しぶりの再会であった。
カルイドも嬉しそうに幸せそうにクリスお兄様の頭を優しくなでなでし、そして抱き締めた。
『アリィも大きくなったね。あちらでは大変だったと聞いているよ。辛かったね。ドラゴンレアールでは自由に楽しく、なにより穏やかに過ごせるように力になるよ。』
『アリィもここにいる間、私のことを父親だと思ってくれていいからね。』
《キラキラ笑顔!いただきました!!なんて呼ぼうかな~“お父様”はエメラドーナにいるお父様の呼び方だし、“daddy”は何か違うしな~》
《あっ!!》
「「 ““ パパ !!””」」
弾けんばかりのキラキラ笑顔でアリシアも応える。
まさかアリシアから“パパ!”と呼ばれるとは思っていなかったカルイドは嬉しさのあまり、アリシアを抱え高い高い~を始めてしまった。
更に女の子の憧れ、少女漫画の中によく出てくるハグからのくるくる回わされたアリシアはもう鼻血ブー寸前だった。
今日は遅いからと明日の午後からこれからのことを話そうねと言いカルイドは部屋を後にする。
『おやすみ!可愛い子達!よい夢を!』
《カルイドパパ♡かっこよすぎ!!も~う幸せ♡》
新たなイケメンおじ様キャラに心ときめかせ、幸せを感じながらアリシアは明日の午後を楽しみにし身体を休めた。




