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33  【 兄・アルフレッド★side 】

アリシアの兄、アルフレッドsideの話になります。

お楽しみ下さい!

 大事な妹が姿を消して数日が経った。

 弟のクリスと共に王都中、王国中探しているのだが見つからない。



 アリシアの行方がわからなくなった日……


 クリスの誕生の日を祝う舞踏会が終わり、二人でアリシアの様子を見に行ったのが夜遅く。部屋はもぬけの殻であった。


 近くにいた侍従にアリシアの所在を確認する。


 『アリシア様は神秘の森に寄ってから、こちらへ戻られると連絡がありました。まだ戻られていません。』


 アリシアのことだから、時間を忘れ過ごしているのだろう。だが、なんだか嫌な予感がする。クリスと急いで神秘の森に足を運ぶ。


 庭園の入り口にいるはずの見張りの騎士がいない。おかしい……神秘の森の手前で拘束され意識のないアリシアの護衛達が倒れているをみつける。

 護衛たちの拘束を解くのをクリスに任せ、神秘の森に居るであろうアリシアの所在を確認しにいく。

 無事でいてくれと願う。


 『アリシアー!アリシア!!』


 いくら呼び掛けてもアリシアの気配はない。気持ちだけが焦る。遅れてクリスがやってくる。


 『兄上!!アリシアはいましたか。』


 首を横にふりこたえる。


 『父上の所へ参りましょう。』


 クリスと共に父上達の元へ急ぐ。


 同時に近衛騎士に王宮の隅から隅までアリシアの捜索を

 指示する。

 意識のなかった護衛達の治療が終わり、意識を

 取り戻したと報告を受ける。

 護衛たちから話を聞かなければならない。

 一体なにがあったのか。


 『アリシア……』


 『兄上、きっとアリシアは無事でいるはずです。』 


 兄である私の焦りを感じ取り慰めてくれる。

 クリスは常に落ち着いていて、私が辛い時、大変な時いつも近くで支えてくれる頼もしい存在である。クリスの一言で落ち着きを取り戻していく。来年からは隣国へ旅立つ弟。

 隣国へ行ったらなかなか会うことは難しいだろう……クリスがいなくてやっていけるだろうかと不安もある。だからこそ、王太子としてしっかりしなくては!と

 気持ちを切り替え、皆に的確な指示を出していく。



 『父上、参りました。アリシアがどこにもおりません。』 

 『急ぎ、王宮の中を捜索させています。』

 

 『アリシアの指輪から反応はないか。』

 

 『はい。王宮、王都からはアリシアを感じとれません。』


 アリシアは保護魔法付きの指輪をつけている。位置を知らせる機能付きである。前に城下町へ行った際、アリシアの所在が一時的にわからなくなってしまったのだ。

 母上が心配しアリシアは指輪はめることになった。アリシアも指輪の機能を知っているはずだ。指輪の反応がみられないということは、アリシアが遠く離れた場所にいるか、使えない危険な状況にあるかのどちらかだ。 


 クリスが合流しアリシアの護衛、庭園の見張りの騎士の話を報告する。

 

 『護衛たちはうしろから襲われたようです。』

 『気配を感じなかったということですから、かなりの手練かと思われます。見張りの騎士達は顔を見たようなのですが、思い出そうとする度に頭痛を訴え、話を聞くことができませんでした。』


 『何らかの魔法をかけれているようです。』


 『そうか。どんな手を使ってもアリシアを捜しだせ!』

 

 『『『はっ!!!』』』


 王国内、王都内、範囲を拡げて隈無く捜すよう指示をだす。

 




 アリシアが居なくなって3日目の午後。

 ミルウォーキー伯爵、カムイ子爵、スタンバ男爵から急な謁見の申し出があった。何か事情を知っているのか。謁見室に急ぎ向かう。

 

 『国王陛下並びに王太子殿下、クリスト………』

 


 『『挨拶はよい。要件を申せ。』』



 『はい。申し上げます。』

 『私達の娘が1週間前に姿を消しました。』

 『秘密裏に捜していたのですが、いったい何処へ行ったのか行方が今もわかっておりません。娘の書いたメモは残されていたのですが、皆、同じ文面な上に、娘達が居なくなった日時が一致するのです。』

 『娘達3人は幼なじみで、学園でも常に行動を共にしていました。アリシア王女様のことと関係があるのではと思い失礼ながら、謁見をさせていただきたいと申し出た次第にございます。』


 代表してミルウォーキー伯爵が発言する。



 確かにおかしい……


 令嬢たちの残したメモを受け取り追跡調査魔法を使う。

 微かに、邪悪な魔法のエネルギーを感じる。自分の意思で出ていったとは考え難い。令嬢達もアリシアも誰かに連れて行かれたのだろう。


 追跡調査魔法からわかったことがある。国で禁止されている魔法が使われていて、それもかなり高度な魔法であることがわかった。

 そして行方のわからない令嬢たちに共通する一人の男の存在。その男と関係のある魔法に詳しい家柄の男。この二人が関わっているかもしれない。


 ブルネイ伯爵の甥のカーゴ。

 学園で問題を起こして退学した者。

 私も何度か挨拶を交わしたことがある男だ。

 そして、カーゴと仲の良かったベルト男爵の息子ブリュット・ベルト。今一番怪しいのはこの男達だ。


 ブルネイ伯爵とベルト男爵を呼び出し話を聞くことに。カーゴは伯爵領の辺境の地で監視が付き幽閉中である。学園を退学した理由が女性に対するものだった。


 ブリュットは数日まえから屋敷に戻ってきていないと男爵が話す。以前から放浪癖があり、数日、数週間帰って来ないことがあったようだ。

 ただ、カーゴが学園在籍中はブリュットの無断外出はみられず、その代わりにカーゴが屋敷に頻繁にやってきて、研究室を使い二人で研究に没頭していたと男爵の妻が目撃していたのだと述べる。



 一度辺境の地へ赴き確認する必要がある。

 父上に許可を取り、クリスと共に辺境の地へ向かう。

 クリスには王宮に残り指揮を任せたかったのだか、同行すると言い意見を聞かなかった。確かに王国中を隈無く捜したが見付かる気配がない。捜していない場所もあと数ヶ所しかないのだ。

 



 転移魔法を使用しながら、ブルネイ領の辺境の地を目指す。もう辺りは薄暗くなり日が落ちていた。

 

 

 まもなく辺境の地へたどり着く……


 …………………………ん?なんだ?…………………


 突然、まばゆい光が辺り一面を照らしていく。 

 あの光は一体!!?

 目が開けられないぐらい眩しい光だ……


 『兄上……あれはいったい………なんでしょ………』 


 クリスが言いかけた次の瞬間……



   ““  ドンッ! ”” 



 と、大きな音と共に巨大な光の柱が天に向かって現れた。クリスと顔を見合わせる。アリシアがあの場所にいるのを確信した。


 父上たちがアリシアは光魔法の持ち主ではないかと話していたのを思い出す。アリシアが物作りを始めた頃、城の者たちの体調が良くなり、癒され、城の中は良い雰囲気となったのだ。


 『行くぞ!クリス!!』


 『はい!兄上……!』


 クリスと共に光の柱の中心へ転移する。


 

 転移した場所には七色に光輝くアリシアがいた。意識が朦朧としているようだった。


 『アリシアー!』


 アリシアの元へ急いで駆け寄る。


 「おにい……さ……ま…………」


 言い残し、意識を失ってしまった。

 無事で良かったとアリシアの体をしっかりと受け止め優しく抱きしめる。クリスも安堵した表情を浮かべている。


 が、しかし、抱きしめていたアリシアの体から温かさが消え、冷たくなっていくのを感じる。呼吸も脈拍も弱い……顔色も悪い。


 『アリシア!アリシアー!……』


 何度呼び掛けても反応はなかった………このままでは命に関わると判断。クリスに王宮にいち早く戻り治療するようにとアリシアを預ける。

 本当ならアリシアの側にいて離れたくないが……そうもいかないだ。

 王太子の役目を全うせねばならない。国の法を犯した人間を野放しにはできない。それに大切な愛しいアリシアを苦しめた犯人達を許すわけにはいかないのだ。

 次の被害者をださないためにも一掃しなければならない。


 倒れて意識のないカーゴ、ブリュットを発見し拘束。

 二人のまわりには指名手配中の王国のゴロツキと呼ばれる悪党たちも倒れていた。行方のわからなかった令嬢たちも保護。心配する家族の元へ送り届け、後日話を聞くことにした。

 

 ひと通り事を納め王宮へ帰還することにする。アリシアの容態を心配しながら……


 『アリシア……今帰るよ……無事でいて……』


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