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金色のキラキラした粒が彼女達を包みこむ。
惚れ薬の効果がかなり強力なものだったようで、無効化の魔法をかけた途端に彼女達は気を失ってしまった。
《顔色よし!脈もある!呼吸も落ち着いている!》
癒しの魔法も忘れずにかけておこう。あとは目を覚ますのを待つのみ。ちゃんと薬の効果が抜けているといいな。
先に目を覚ましたのはマドレアヌだった。彼女から色々と話をきくことができた。
マドレアヌは王都で暮らす伯爵令嬢である。
他の娘は学園で一緒だったミランダ子爵令嬢、レイヤ男爵令嬢、イバンカ伯爵令嬢の侍女ケイト。
他の二人はここに来て初めて会った人達みたい。話し方から平民のようだと教えてくれた。
カーゴに変なことはされていなかったようで安安心した。
一緒に食事やお茶をしたり、庭で散歩をしたり会話を楽しんだりして過ごしていたようだね。べったりとからだを密着させてくっついていたことはスルーしよう……
いかがわしいことをされていたらお嫁にいけなくなっちゃうところだよ。
学園にいた時、ブルネイ姓に引かれカーゴに近付いてしまった。貴族の女性はより良い所へ嫁ぐことを考え相手を探さなきゃいけないから仕方がない。
カーゴが退学になって生涯幽閉の罰を受けた際に貴族ではなく平民だったと知り驚いたと話してくれた。
他の5人はまだ目を覚まさない……
マドレアヌは魔法の能力がある程度あるみたい。だから目が覚めるの早かったのかな?このまま、彼女達が目を覚ますのを待っていたら、日が暮れてしまうな……
先にブリュットが何者か、どんな人なのか探らなければならない。必ず助けに来るから、この部屋から出ないで待っていてほしいとお願いする。
みんなで動いたら脱出計画はパーたからね!
『『はい。この部屋のことはお任せ下さい。』』
マドレアヌは頷いてくれた。
『『あの……ずっと気になっていたのですが……あなた様はもしや……アリシアお……』』
《 しーーーー!!》
アリシアは内緒にしてと人差し指を鼻に持っていく。
マドレアヌは一瞬……驚いた顔をしたが深く頭を下げ言う。
『『わかりました。どうか私たちを助けてください。宜しくお願い致します……アリシア様!』』
自分の正体がバレたらここにいる人達に気をつかわせてしまうよね。《 黙ってて頂戴ね~!》
気合いを入れ直し、いざブリュットの所へ!
アリシア付きの護衛2人を連れて“ 秘密の部屋 ”と呼ばれている場所に行く。侍女達は危険なのでマドレアヌの部屋で待機させた。
『この奥の黒い扉がブリュット様の滞在されているお部屋になります。』
「ありがとう。ここからは私一人で行きます。あなたたちは気付かれないよう、この辺りで待機していて下さい。」
『それはいけません!危険です!アリシア様をお一人でいかせるわけには…… 』
「大丈夫よ。ブリュットは惚れ薬が効いていると思っているはずよ。だから、私に危害は与えないわ。私一人で行った方がブリュットも警戒せずに対応してくれると思うの。」
「何かあればすぐにあなたたちを呼ぶわ!ねっ!!」
『わかりました。無理はなさらないで下さいね。』
ブリュットのいる部屋の前で一呼吸おく。
《よし!行くぞ!》
黒い重い扉を一気に開ける。
敢えてノックはしなかった。間違えて迷い混んだふりをするために……
中は薄暗く広い……異様な空間。ツンとくる薬品のキツイ匂いがする。慎重に辺りを伺うように中へ歩みを進める。
『誰だ!!』
部屋の奥から全身黒ずくめの怪しい男が現れた。
髪も服も靴も装飾品も全て黒…… ついでに黒淵眼鏡……肩にカラスのような黒い鳥をのせている。長身でよくみると……イケメン……
《なにあの鳥!?顔面偏差値めっちゃ高いのに~!》
《《ぷぷっー(笑)!》》
吹き出しそうになるのをぐっとこらえる。イケメンなのに……イケメンなのに……残念イケメンだ……もったいない。
《この人見たことある……王宮の庭園で私に薬のようなものを嗅がせた男。あのときの……男か……》
「すみません。散歩をしていたら迷ってしまって……」
『あー!貴方でしたか……』
「あなたはどなた??」
『私はカーゴの善き友人でブリュット・ベルトと申します。以後お見知りおきを……』
善き友人って……
「あら。貴方がブリュット様?」
「カーゴ様よりとても素敵なご友人がいると聞いておりますわ。アリシアと申します。……ごめんなさい……貴方のお部屋でしたのね。」
『構いませんよ。ゆっくりしていってください。ただカーゴが心配するといけないので、アリシア様の所在をお知らせしておきますね。』
《えっ。それはヤバい!》
《そもそもカーゴからブリュットのことは聞いていないし、嘘だっでばれちゃうじゃん!!》
「いいえ、お知らせしなくても大丈夫ですよ。」
「先程、カーゴ様はお茶会の最中に体調が悪いと部屋に戻られて休まれているようですから……もう暫く休ませて差し上げましょう!」
『カーゴが体調不良……?めずらしいな……後で薬を持っていってやるか。カーゴはどんな症状でしたか?』
「えーっと……」
「お茶会の最中に私とお話をしていまして……カーゴ様に頼みたいことがございましたから、“お願い!”と言いましたところ……お顔を真っ赤にされ、急にお鼻から血が滴り落ち……お部屋へ戻られてしまいましたの。」
「もしかして、どこか悪い病気なのかと心配してカーゴ様のお部屋に伺ったのですが……“ 今は顔を見せられない、ゆっくり休ませてくれ ”とおっしゃるものですから……」
『ハハハ!!カーゴは大丈夫そうですね!』
「悪い病気ではありませんか?」
『ええ。問題ありませんよ。』
『明日の朝にはいつも通りのカーゴに戻り、回復し元気な姿を見せてくれると思いますよ!』
「ブリュット様はがいらっしゃってよかったですわ!」
アリシアは最上級の笑顔をブリュットに向ける。そしてブリュットの手に自分の手をそっと添えてみる。何とかしてカーゴの話から別の話題にそらさなければと必死になり、アリシアの笑顔が武器になることをすっかり、さっぱり忘れていた。
『!!?』
『……アリシア様の可愛さにやられたのでしょうね。女性に全く興味のない私でも……アリシア様とご一緒していると……何だかわからないが……ドキドキしてしまう……』
『何言ってるんだ!カーゴの想い人に……ダメだ!!落ち着け……落ち着くんだ……』
『………………可愛い……♡』
顔を赤らめぼそぼそと何かをつぶやいている。なぜかアリシアをチラチラ見てくるブリュット。
なんか……自分の世界にはいっちゃってるよ。やっぱり変わった人だな……
「ところで……ブリュット様はこちらで何をされているのですか?」
“ お願い!教えて!キュル~ルン ”と瞳を潤ませて尋ねる。
ブリュットから早く情報を聞き出さないと!窓から射し込む光が赤い。間もなく日没だろう。時間がない!
アリシアのお願い攻撃は果たしてブリュットに効くかな??
すると……ブリュットは額に手を持っていきフラフラとよろける。耳まで真っ赤になっている。肌が白いから茹でダコのように真っ赤だね!
《お!いけるか!!もう一息!》
ブリュットはよろけた拍子に机に腕をぶつけたようで、少量だか腕から血がでている。リシアはドレスのポケットからハンカチを取り出しブリュットの腕を優しく押さえてあげた。
「大丈夫ですか?ブリュットさま?」
上目遣いを発動!!ブリュットどうだ!!!
『ちょ……ちょっと離れてください……あーもうダメだ……耐えられないよ……そんな可愛い目で見つめないでください……』
『好きになっちゃうよ…………』
とブリュットは言い残し、へなへな~とその場に崩れ落ちた。
《あっ!おちた!!落ちました!!!アリシアちゃんはやっぱりすごいな~》
とアリシアの中の人は改めて思うのでした。




