30
カーゴが立ち去ったあとのこと……
『『アリシア様!ありがとうございます!!』』
『『あなた様のお陰でこれからもカーゴ様の側にお仕えすることができます。』』
『『先程は失礼なことを言ってしまいました……』』
『『申し訳ありませんでした!!!!!!』』
彼女達が声を合わせアリシアに詫びる……
『『これからはカーゴ様をお慕いする者同士力を合わせ、それぞれ妻としての役割を果たしていきましょうね!アリシアさま♪』』
わかってる……わかっているのだ。女達の本心ではないことは……惚れ薬のせいで言ってるって……でもぞわ~っと鳥肌がたっちゃうのは抑えられない。
「お姉さま方……私もお姉様方と仲良くしたいですわ。ですから……改めてご挨拶をさせていただきたいのですが……宜しいですか?」
首をかしげて潤んだ瞳で可愛く訴える。
『『まぁ!なんて可愛らしいのかしら~!!もちろんよろしくてよ!!』』
「では、着替えをしたのちお姉様方のお部屋へお伺いさせていただきますね。」
やりました~約束しました!!後は一人ずつ無効化し、癒していきましょう。パニックにならないことだけを祈って……
まずは、一番気品があってリーダーっぽい令嬢の部屋を訪ねる。
「マドレアヌ様失礼致しま~す。アリシアです。」
『『ようこそアリシア様。皆さんお揃いよ!!』』
おっと…………と……。
各々の部屋へ行くと言っていたのに皆さん笑顔で勢揃い。
《まぁ……手っ取り早く済むしいいっか。》
部屋へ入り間取りと侍女の人数を確認。
護衛は部屋の外で2人。部屋の中14人。侍女は15人。壁側にずらりと並んでいる。部屋が広いから全然問題ないんだろうけど……圧迫感がすごいよ!
一人に2人ずつの計算なのねー。もちろん、その中にアリシアの護衛2人、侍女3人も含まれている。
始めに護衛達から洗脳を解いていきましょう。
部屋の前で待機している護衛を中に通し、ずらりと壁側に並ぶ護衛たちに無効化の魔法をかける。
洗脳が抜ける瞬間に護衛たちの体から黒い煙がもくもくと流れ出た。護衛たちは体の力が抜けその場に崩れ落ちる。
続いて癒しの魔法をかけてあげる。顔色の悪かった護衛たちは徐々に回復し表情が明るくなっていく。
その後、同じく侍女たちにも無効化の魔法で洗脳を解いていく。みんな何が起きたのかと驚きを隠せない。一先ず落ち着き騒がないで欲しいとお願いする。このまま静かに待機するよう声を掛けた。
護衛の話を聞くと……頭の中に黒いモヤ現れて、そのモヤが全身に徐々に広がっていく感じがした。ふわふわと体が宙に浮いているようで何も考えられず、とにかく心地の良い感覚が続いていった……との証言。
自分が何かおかしいと思い抵抗したのだが、抵抗すればするほど頭が割れるように痛みと苦しみが絶え間なく続き抗うのをやめてしまった。
命を受けカーゴの監視を任されたはずなのに……こんなことになってしまい騎士として失格だと涙ながら苦しそうに話してくれた。
侍女達は家族を人質に取られ仕方がなく仕えていたようだ。はじめはカーゴの魔法で攻撃され怪我をした騎士や使用人を多く目にした。攻撃魔法の恐ろしさで屋敷の皆が従うようになった。
しかし、屋敷にカーゴの友人ブリュットという人が滞在するようになってから様子が一転。
秘密の部屋と呼ばれる部屋に暫く二人で籠り、何か怪しげなことをしているようだった。
やがて黒い煙が部屋の中から屋敷全体に広がっていく。その頃から“裏切りは許されない。カーゴ様に逆らうことは許されない”と繰り返し頭の中で聞こえてきたんだって。
で、今の状態ね……
ブリュット。黒いモヤ……。この人をどうにかしないといけないな。ブリュットを制圧しないと脱出するのが難しくなるな。
どんな人なのか後で探りにいこう。カーゴの友人なんだから間違いなく変わり者だろう。
次にお姉様方を解放しなくては!!
お姉様方の様子をみてみると……先程と変わらず“カーゴ様ラブ♡トーク”で盛り上がっていた……
護衛、侍女達とのやり取りには気付いてないみたい。護衛、侍女たちからカーゴに無理やり連れて来られた。怪しい薬を使われたことでおかしくなっていたと教えてもらった。
カーゴを好きだと言っているのは薬のせいで、彼女達の本心ではないことを話した。彼女達の薬の効果を無効化するために協力して欲しいとお願いする。
もしかしたら、彼女達がパニックを起こしてしまうかもしれない。全てを癒す前にカーゴやブリュットにバレてしまったら……この屋敷から出られなくなって一生監禁生活になってしまうと話す。
カーゴに対し護衛や侍女達は怒りに身を震わせている。
『わかりました!協力致します!!』
護衛達には外の扉と中に分かれてもらう。
部屋の中は浄化されているから問題はないが、部屋の外はまた洗脳されてしまうかも。
ということで、アリシアが昨日の晩、寝ずに作った無効化の魔法をかけた紫色の綺麗な石をお守りとしてみんなに渡していく。
この石を持っていれば絶対に術にかからないから安心してね!と付け加えて……
《さぁ、お姉様方。夢から目覚めるお時間ですよ~一気にいきましょうか!》
「「インヴァリデーション!!!!!!」」




