25 【 カーゴside~NO.1~ 】
~ カーゴside ★ NO.1 ~
のお話です。
僕はカーゴ。両親はいない。幼いときに死んだと聞かされている。貧乏な養護施設で暮らしている。
月に一度、僕のおじさんという人が会いに来てくれる。多額の寄付を施設に寄付しているらしい。身なりからして位の高い貴族様だと感じる。その為か施設の人達は僕を特別な存在として扱っている。
そんなに僕が大事な存在で、金があり余ってるんなら僕を引き取ってくれればいいのに。
周りのやつらは僕のおかげでいい暮らしをさせてもらってるくせに……今日もこそこそ僕の悪口を言っているんだ。
『あいつのおじさんっていう人ど偉い貴族だぜ。』
『金はあるのに引き取ってもらえないのは愛人の子だからじゃねーの。』
『身内が貴族だろうがあいつは貴族じゃねえのに偉そうなんだよな!俺らと同じ平民のくせに。』
『ほんと生意気だよなー。』
『園長先生たちはあいつには優しくしろってうるさいぐらいいいやがる。』
『1人だと何にもできねーアホなやつなのになー』
とわざと僕に聞こえるように言うんだ。
この間おじさんに“ここを出たい”とお願いしてみたんだ。
“必ずここから出してあげるからもう少しの我慢だよ”って言ってくれた!!
僕はいずれ身分の高い貴族になれるんだ。その時がきたら覚えていろ!僕をバカにした報いを受けさせてやる!
あれから数年。僕は12歳になった。
ここから出してくれると約束したのになかなか迎えにきてくれない。
ある日、園長先生の部屋に呼ばれたんだ。
そこで綺麗な貴族の服を着せられた。髪を揃え、上等な靴を履かせられる。髭のおじいさんと騎士の服を着た人、数人の女達が、部屋へ入ってきて僕の前でひさまづいんだ。
『カーゴ様、お迎えにあがりました。屋敷でブルネイ伯爵がお待ちです。ご一緒にいらしてください。』
『『えっ?ブルネイ……伯爵……??』』
『あなた様はブルネイ伯爵の姉君、ミレーヌお嬢様のお子にごさいます。伯爵様はカーゴ様の叔父上にあたります。本当にミレーヌお嬢様の生き写しでごさますね。』
えっ……僕の母さんは伯爵令嬢だったのか。ってことは僕は平民ではなく貴族なんだ!!叔父上……約束を守ってくれたんだな。
ここでの生活におさらばだ!憧れの王都で暮らせることに歓喜した。
伯爵家の紋章が入っている豪華な馬車に乗り王都の伯爵邸に連れてこられた。やたらと豪華でバカでかいお屋敷に驚いて開いた口が塞がらなかった。
案内され髭のおじさんについてお屋敷の通路を歩いていると身なりのいい人や使用人達がへこへこと僕に頭を下げる。
やっぱり僕は特別なんだ!
応接室という高そうな家具がいっぱいある部屋に通され、伯爵が来るのを待つように言われた。
ふかふかのソファーに腰掛け、キラキラしたみたこともない飲み物やお菓子がテーブルの上にところ狭しと置かれている。食べようと手を伸ばすと………
“ ……ガチャ…… ”
応接室の扉が開く。
『よく来たね。カーゴ。道中、問題はなかったかい?ようやく君の迎えが整ったんだ!長い間待たせてしまったね。』
『君の母上について教えてあげるよ。』
『間もなく君の祖母にあたる前伯爵夫人と私の妻が来て今後について話し合いを持つよ。君のこれからのことを決めなくてはね。』
僕の母さんは伯爵令嬢で平民の父親と恋に落ち結婚。
お祖父様の前伯爵が結婚に反対して、伯爵令嬢の地位を捨て平民として暮らすようになった。僕が産まれ家族3人で幸せに生活していたらしい。
ある事故に巻き込まれ両親は亡くなった。叔父上は伯爵家で引き取ろうと言ったが、お祖父様が私の孫ではないと受け入れず養護施設に送るしかなかった……と叔父上は申し訳なさそうに話してくれた。
なんだよ!
今まで施設で貧しい平民暮らしをさせられ周りからはバカにされ生きてきたんだ。僕は本当は高貴な産まれのはずなのに……
お祖父様に逆らって家を出て平民になるなんて……全部母さんのせいじゃないか!!これからは今までの分も存分に贅沢してやる。と心に決めたカーゴであった。
今日中にNO.2を投稿する予定です。




