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侍女のお姉さんたちに迷惑を掛ける訳にはいかない。とりあえず食事に行くことにする。但し、食事が終わって部屋に戻ってきたら、ゆっく~り話をしてくれるならと条件つきで!
この食事が地獄だったのよ……カーゴにべったり隣をキープされ……
“ あ~~ん ”
恥ずかしいから自分で食べるって言ってるのにーひたすら食べさせられ近距離で見つめてくるのよ……ようやく苦行の時間を終えたと思っていたら……
『次はアリィが僕に食べさせる番だよ!』って“ あ~ん ”しろとおねだりしてくるし……
《もしかして毎食これなのーさ・い・あ・くーー!》
《勘弁してよ。こころが……心が死んでしまう……》
食後のお茶に誘われたけど疲れたから休むとそそくさと立ち去ってきた。これ以上一緒にいたら爆発してしまう!
《もう無理……》
部屋へ戻り早速侍女たちから話を聞こうとする。侍女の1人がアリシアの所へ来て小声で言う。
『外の護衛に監視されています。ここでの話は全て聞かれています。カーゴ様の直属の騎士なので報告がいきます。少しでも怪しい行動をすれば、カーゴ様の魔法で知られてしまいます。』
『あの魔法はとても……恐ろしい……のです。』
なるほどね。カーゴの魔法……。
魔法を使えるのは貴族だけだから、間近で神がかった力を見せられたら平民たちは恐ろしく感じてしまうのだろう。カーゴは攻撃魔法を得意としているようだし。ろくでもない使い方してるんでしょうね。
まず魔法は怖くな~いという所から始めよう。
「「「 ミュート!! 」」」
水色のキラキラした粒が部屋全体に広がっていく。
『『『わぁぁキレイ!!!』』』
「これでこの部屋の音は遮断されたからおしゃべりしても大丈夫よ。安心して!」
「こちらへ来て手をみせてちょうだい。3人が不思議そうに手のひらをアリシアの前に出す。
「「 ヒール! 」」
手のひらが金色の光に包まれていく。侍女たちはあまりの眩しさに目を閉じる。
「終わったわよ。目を開けてみて!」
恐る恐る目を開けた侍女たちは、自分の手をまじまじと見つめている。
『なにが起こっているの?信じられないわ!!』
『傷が無くなっているわ!』
驚きを隠せず口々に呟いている。
本当は簡単な魔法は口に出さなくても使えるんだけど、魔法がいかに素晴らしく美しいものなのかを身をもって知ってもらいたい。魔法に抵抗がある人に大々的に使ってあげれば効果覿面!!
『お嬢様は魔法をお使いになられるんですね!』
『とても綺麗な魔法ですね。』
『こんな魔法かあるなんて知りませんでした!』
「ええ。魔法は使い方によって人を護れるのよ。攻撃魔法だけじゃないのよ……私は人を傷付ける魔法は絶対に使いたくないの。私が必ずみんなをあの人から解放してあげる。」
「だから……カーゴについて知っていることを教えてほしい。お願い!!」
頭を下げ必死にお願いする。
『…………頭を上げてくださいお嬢様……』
『私たち下の者に頭を下げるご令嬢は初めてです。』
『“物”扱いしないお嬢様のことは信用できます。』
『こちらこそ、どうか助けて下さい。』
『『『アリシア様……お願い致します!!』』』
アリシアの瞳を真っ直ぐ見据え初めての笑みをくれる。
侍女達の溢れんばかりの笑顔をみれたことと、初めて名前を言ってくれたことに心を強く動かされアリシアの頬を涙がつたっていく。




