623話 竜王国の悩み
先月下旬に仙骨骨折してしまい。現在大絶賛寝たきり生活を送っています。
竜王国エルマイセンの王城であるドレクセン城は高地のテーブル大地で地上と断絶されており外敵に襲われる危険が極めて少ないことからか建築様式が現在とかなりかけ離れているおり古い様式のままである。城はテーブル大地の南側の断崖絶壁の側に土を盛りその上に建てられており、その構造は長方形に切り出した石を積んだ石造りである。僕らの世界でいうなれば14世紀あたりの欧州の城塞と酷似している。こっちの近年の城は僕らの世界で言うところの19世紀の欧州の城がイメージ的に近い。西洋風ファンタジーなんかもこの手の城が目立つ。
あ~南方の王国とかも石造りの城だったなぁ…………。
断崖絶壁側に造られた理由は恐らくだがトイレ事情だろう。絶壁の上に突き出された落とし穴式便所の為だ。
城塔が方形型なところを見るにあまり防御面の事は考えてないのかもしれないが、外敵が居ない地域なので問題ないのだろう。なにせ大角山羊か鳥でもなければ来れないのだから。
小高い内郭から坂を下り城門を出ると外郭部となり訓練場、兵員宿舎、竜舎などがありそれを外郭の主門を出ると城塞運用設備として畑、山羊の飼育施設や使用人の宿舎などがあり、簡素な木造の門を出ると眼前には透明度の高い巨大な池がありその反対側には多くの民家が立ち並ぶ。欧州や中華の町のように城壁で囲む事もなされていない。民家の構造は石造りの平屋のようだが玄関の構造が独特である。
住宅の入口は冷気対策なのか一旦地下に降りたあとに入る構造となっている。
視線を遠くの方へ移すと周囲はほぼ平坦であるが所々に削り取られた岩山が存在する。樹木の数は多くはないが曲がった形状の奇妙な針葉樹が立ち並ぶ。品種は見たことがないが木材としては使いにくそうである。
雪で真っ白に染まった平原に仮設された駐騎場に船体を降ろすと荷下ろしの準備に入る。城に向かうのは僕と文官さんと上級魔導機器技師のケインさんである。二人はもこもこの防寒装備に着替えている。なんせ外は雪が積もっていないとはいえ-4クロンにもなっているのだ。
ちなみに僕だけが軽装だ。理由は[適温の外套]があるので問題ないのである。
移動は四頭立ての装飾馬車であった。ただし曳くのは大角山羊である。
舗装状態の十字路都市テントスに比べて粗雑な石畳の道を往くこと四半刻。尻が割れるかと思った頃にようやく主城の前に到着した。
思ったのだが平原などは雪が積もっているのに石畳や建物のそばには雪がない。なんでもここでしか採れない加温石と呼ばれる常時発熱している石がゴロゴロとありそれを建材や石畳に用いているためだ。だいたい86クロンの温度を常時放出しているファンタジーな素材だ。賢者いわく炎の精霊力を宿しているからだという話だが…………。
ほぼ待ち時間もなく竜王カドモス陛下との面会は成った。事前交渉などで話は済んでおり竜王カドモス陛下の執務室にて署名の交換を交わし終了した。
僕らの仕事はここまで文官さんと上級魔導機器技師さんと約定で定めた大量の物資を運び込むことなのであとは帰還するだけである。
ところが執務室を辞そうというタイミングで竜王カドモス陛下に個人的に依頼したいことがあると言われ残ることとなった。
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「すまないな。事前に卿に依頼をすることも折込済みだったのだよ」
そう言って竜王カドモス陛下は苦笑いを浮かべる。歳の頃は40代半ばと言いったところだろうか。豊かな口ひげと彫りの深い顔立ちだが小柄でガッシリとした山岳民族のはずだけど体躯は健司並に大きい。
悪い表現だがどうやらうちの「共同体は王太子に勝手に売られたらしい。
竜王と呼ばれるのは彼が竜騎士であり竜司祭であり【竜変化】に至るレベルの人物であるかららしい。
この国は竜信仰と冬の女神を信仰されている。
「それで我々に依頼というのは?」
まー過ぎたことで憤慨していても事体は解決しないので話を聞くことにした。
「実は秋の後月の中週に我が国に一つの卵が出現した。卿は竜の生態を知っているかね?」
無言で肯首する。
「まずはこれを見てくれ」
そう言って竜王カドモス陛下は執務机に一枚の【念写紙】を置く。
拝見しますと一礼し手に取ってみると…………。
「竜の卵ですか?」
そこに映し出されていたのは推定高さ0.25サートほどの巨大な卵とそれを取り囲む人々であった。
卵の色は薄っすらとした緑がかっており緑竜であることがわかる。
「実はもう孵化しておりそろそろ最初の脱皮が近い。卿にはもうすぐ脱皮するそいつを討伐してもらいたい」
確かにうちは竜殺しではあるが…………。幼竜とはいえ単独で?
時期的に例の島のあの真龍だろうなぁ…………。
転生竜は生まれた直後は幼竜と呼ばれ大蜥蜴位のサイズであるが最初の脱皮で幼竜となる。たった数日で全長1サートにもなる。肩高だとだいたい0.5サートほどだ。
「従えるではなく討伐なのですね?」
念のため確認をしておく。
この国では竜は友であり畏怖と信仰の対象であるからだ。
「この地でなければなんの問題もなかったんだがね。やつは飛べない。そして竜は大竜になるまでは獣と同じ程度の知能しかない。幼竜になれば旺盛な食欲で毎日仔牛一頭を平らげる。遺憾であるが害獣の類と変わらない」
正直いえば軽トラサイズの火を吹く生物と単独でやり合いたくはない。
「無論、ただとは言わない」
迷っていると竜王カドモス陛下は報奨をチラつかせてきた。
失礼とは承知であったがため息を吐き承知することにした。
とりあえず無許可で僕を売った王太子にはなにか仕返しを考えなければと心に誓って。
ちょっと誇張しましたがほぼ寝たきりです。椅子に一時間も座っていられないので休職状態となっており暇で暇で死にそうという。執筆は辞書ファイルなどの都合でPCでしか行っていないので書きたいけど書けないという状況でなんとか書きかけのやつだけ投稿。ついでに辞書ファイルをタブレットに以降手続きをしたのでこれからはいけるかも?




