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ONE WEEK  作者: K
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29/31

土曜日の夜 8

「いいのか?」

恭平が、美織をそのままにしていいのかと、二人を見るが、爽も成哉もそれに答えられない。

小柄な女の美織を、3人の男が捕まえるのは簡単だろう。

けれども、捕まえる根拠は、今の時点、爽の言葉だけなのだ。

誰が、霊能力者の言葉を根拠に、彼女を警察につきだすことができるだろうか。

今のところ、彼女が殺人を犯した証拠はない。

彼女と被害者との接点についても、まるでわからない。

警察が、彼女を捜査線の俎上にあげるまでに、どれだけの時間がかかるのかわからない。

けれども、

「彼女は、このままではいられないと思います。」

爽は、断言した。

「警察に捕まるにしろ、捕まらないにしろ、彼女には、強いものがはり付いています。」

恭平が、目をむいた。

「強いもの?」

「おそらく、彼女の犯罪はこれが、最初ではないと思います。」

「え?」

「前の会社の同僚じゃないかな?彼女に殺された男性がいます。幸せの絶頂にいた男性で、随分な未練を感じます。彼女がフリーだということは、事故として処理されたんじゃないかと思います。事件を知るのが彼女と被害者のみだということで、彼は、彼女に相当な恨みを持ってはり付いているようです。チャンネルをあわせていないのにも関わらず、見ただけで、違和感を感じるほどの強い念を持つ霊です。彼女の人生は、今後も明るくはならないでしょう。」

「…。」

成哉の背中が、ぞわりと寒さを感じる。

美織と一緒にいたあの部屋は、暗かった。

その暗さの本当の意味を、成哉は、理解した。


しばらくして、成哉は、口を開いた。

「俺が警察に行く。」

「?」

「恭平から、警察が俺を探していたということを聞き、事情を話しに出頭したということにする。」

「どこまで、話すつもりだ?」

恭平の問いかけに

「俺の行動については全て。美織さんに会ったところから、記憶がないことに気が付き、彼女の家で、1週間世話になっていたところまで。」

「あの女の異常さを、警察が理解できるかな。彼女が、犯人だと目星がついた時には、何故、お前と仲良く暮らしていたのかという疑問にぶちあたる。共犯だと思われるかもしれない。」

「その時は、その時さ。」

成哉は、持ち前の呑気なペースを取り戻していた。

「まあ、いいか。今は、成哉を取り戻せただけで。」

緊張感で、ピリピリしていた恭平が、ようやく安堵の溜息をついた。


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