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ONE WEEK  作者: K
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16/31

浅野の月曜日

浅野秀行は、ソファにもたれ、ウイスキーを片手にテレビを観ていた。

頭の中では、今日の数字を計算している。

若くして幹部になった。

幹部になった理由はたったひとつ。

営業能力だ。

客を逃す事は無い。

少しでも興味を持った客は逃がさない。

若干の誇張はあっても、大きな嘘をついて騙しているわけじゃない。

相手に、商品のいいところを納得させて、買わせるのだ。

相手が購入を決めた時の快感は、毎度、たまらない。

全国レベルの数字を叩きだすこの腕は確かだと自負してる。

その成績を見込まれて、幹部になった。


けれども、幹部にならない方が楽だった。

今は、そこそこの給料こそもらえるが、自分より、遥かにレベルの低いグループの長として、グループの数字を叩きださなければならない。

そのためには、試用期間の3か月で、一人一人の力量をはからなければならない。

切るのは簡単だ。

才能あるものを、引き出すのが大変なのだ。

自分がそうだった。

どちらかと言えば、遅咲きだった。

いきなり、開花して目覚めたのだ。

だから、他の幹部より、試用期間ギリギリまで、待っている。

この社員が、数字をあげる社員か、そうでないか、見極めることをだ。


今日、一人、通告した。

試用期間の残る明日までに、一日の目標数字に達しなければ、クビだと宣告した。

必ず、近いうちに数字をたたき出すと豪語していたが、最初から、スピードのない女だった。

仕事は、丁寧で、間違いも少なかったが、数字を叩きだすために必要なスピードがこの女には無かった。

泣きついてきたが、俺の知ったことじゃない。

試用期間最後の日まで、待ってやったことに、感謝してもらいたいくらいだ。

段々、性格が悪くなる。

また、長期休暇もらって、旅行でもした方がいい。


その時、ピンポンとドアのベルがった。


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