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71話

 フィルムスパイダーの群生地の林に向かって歩みを進める。


 歩きながらグリルチキンで腹を満たす。


 ステータス情報からグループの扱いを確認すると、グループ形成はLv2からしか出来ない様だ。


 グループ内の経験値の扱いは戦闘参加者分配、倒した人間に大目に配分されるらしい。


 つまり、最初はエミリーもアンも弱いモンスターを倒して貰わないと組めず、Lv2からグループを組めば俺が戦えば全体の引き上げは可能。


 なんと言ったか、パワーレベリングだったか?そんな事は可能らしい。


 Lv10位まではごり押しで引き揚げてしまうのが良いかも知れない。


 歩きながら今後の方策を考える。


 我が身だけだったら生き残る事だけ考えれば良かったが、二人三人抱え込むのは正直不安だ。


 無傷で守り通せるか自信も無い。


 出来るだけ装備には力を入れていきたい。


 特に防具は充実させるべきだろう。


 ワイバーンの鎧下とフィルムスパイダーのシルクで服と外套を作ればかなり違うはずだ。


 問題点は、防刃は貫通には弱い点だろう。


 鎧下に軽くて硬い板を縫い付けた方が良いかも知れない。


 イメージとしては鎧下をスケイルメイルにした方が良いか。


 後は彼女等の体力筋力と相談だろう。



 あれこれ考えていると東側の林に到着した。


 林に入る前に装備を整える。


 ブレストプレートを装着し剣帯を絞め、左腕にバックラーを填めて、剥き身の片手半剣を右手に保持する。


 深呼吸をしてから林に足を踏み入れる。


 周囲と頭上を確認しながら慎重に進む。


 林に入って数mで頭上の枝が揺れているのを発見する。


 剣を左手に持ち替えてから、その場にしゃがみ込んで地面を探って小石を複数拾い上げる。

 握り込んだ小石を揺れている辺りに思いきり投げつけるとBGMが変わる。

 蜘蛛が居て、こちらを敵認定したらしい。

 剣を右手に構え直して動きを窺う(うかがう)。

 唐突に白い何かが飛んでくるのを横に飛び退いて躱す。

 躱した直後に巨大な蜘蛛が眼前に現れる。

 何度見ても巨大な蜘蛛は不気味で恐ろしいと感じる。

 柄を握り込んで右足で踏み込み、肩を入れて上段から真下に剣を振り下ろす。

 蜘蛛の眉間から顎下までを深々と切り裂いて、再度後ろに飛び退く。

 今ので仕留められたか、仕留められて居ないのか観察していると蜘蛛が消滅する。


 警戒心は残しつつ、息を吐いて緊張を解す。


「デカくて気持ち悪いモンスターはやっぱり緊張するな」


 ドロップアイテムをインベントリに自動収納して奥に進んで行く。


 複数回、頭上の蜘蛛を誘い出して処理を繰り返す。


 段々と頭上に意識が集まって周囲への警戒が疎かに成ったのか、正面の蜘蛛に気が付くのが遅れた。

 ほとんど音を立てずに接近され、前足で薙ぎ払われる。

「しまっ、ぐう!」

 弾き飛ばされて木に激突する。

 衝撃に呼吸が止まる。

 慌てて思考が纏まらない。

 木の根元に尻餅を着いた状態から立ち上がろうとした瞬間に粘着性の糸が纏わりつく。

「最悪だ、どうする?」

 正面の蜘蛛が急接近してくる。

 あの大顎で無防備な頭を咬まれたら、首がもげてしまうだろう。

 慌てて剣、バックラーと胸当てをインベントリに収めて隙間を作り、両手にダガーを逆手に装備する。

 ダガーで糸を切り裂いて、切り返しで目の前に迫った蜘蛛の頭部を斬り付ける。

 一秒でも隙が欲しい。

 斬り付けられ怯んだ蜘蛛にダガーを二本とも投げ付けて両手を空にする。

 インベントリからハルバードを取り出してその口の中に突き立てる。

 これで咬み付きに来たら深々と食い込むだけだ。

 悶え暴れる蜘蛛に槍を取られない様に両手でしっかりと掴んで抉る様に穂先を上下させる。

 何か重要臓器を傷付けたのか、大きく暴れると急に力が抜けた様に地面に伏せる。

「やったか? どうだ……?」


 警戒し言葉を零してから数秒して蜘蛛が消滅しアイテムがその場にドロップする。


 大きく溜息を吐いてハルバードを手放す。


 尻餅をついたまま良く乗り切れたと我ながら感心する。


 背中を木に預けて手をダラリと下げる。


 力を抜いた途端背中に痛みが走った。


 薙ぎ払われた胸元にダメージは無いが、木に叩き付けられた背中にはダメージが出ている。


 骨に異常は無いが、打撲には成っているだろう。


 ポーションが必要な程では無さそうだ。


 立ち上がって背中以外に異常が無いか身体を動かして確かめる。


 特に問題は無さそうだと判断し、インベントリから手拭いを出して付着した体液を拭う。


 投げ付けたダガーも拾い上げて拭いインベントリに仕舞う。


 鎧下に着いた蜘蛛の糸も擦り落としてからブレストプレートを装着する。


 バックラーと剣も装備し直して不具合が無いか確認する。


「しかし、ハルバードが軽かった?」


 振り返ってみると右手だけでハルバードを保持して槍の様に使用出来た。


 Lv上昇でハルバードも一瞬なら片手で扱える様になったかも知れない。


 至近距離だったお蔭では有るだろうが、ステータス向上を実感する。


 一度切れた集中力を高めるより、一旦休憩にする。


 インベントリに仕舞っていたグリルチキンと牛乳で昼食を済ませる。


 いい加減飽きた旨い味で腹を満たしていく。


 食事を済ませて暫く休憩していると背中の痛みも解消される。


 HPが回復したのだろう。


 立ち上がりストレッチをして身体を解してから狩りに戻る。


 集中力を高めて周囲と頭上を確認して進む。


 微かな差異や違和感も見逃さないつもりで慎重に進んで行く。


 休憩後は順調に狩りをして五十匹以上の蜘蛛を狩って、丸一日で六十匹狩り倒した。


 昨日の糸玉も合わせて七十四個の糸玉まで貯まった。


 裁縫被服の事は分からないから、一度糸玉を持ってどれだけ作れるかを確認に被服店に寄る事にする。


 木々の隙間から見える空は微かに赤みを帯びた青だった。


 Uターンして林を出る事にする。


 同じ数の蜘蛛を倒して行ったら夜に成ってしまう。


 樹上の蜘蛛は無視して地面に居る蜘蛛だけを狩って行く。


 フィルムスパイダーは基本的には木の上で生息するモンスターらしく、林を出るまでに三匹だけ遭遇し

て自衛の為に処理する。


 稼ぎには成るのだが、帰り道の遭遇戦まで考えていなかったのは失敗だった。


 林を出ると大分空が赤らんでいた。


 街に戻る頃には完全に茜色に染まってるだろう、景色として見れないけど。


「でも、ドット絵」

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