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アルケミア  作者: ふなのり
終わりゆく世界
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第5話 知る

■ 第5話「知る」







光「ついてきて?いや無理でしょ」


凛「え?」

 

 光は明らかに正論を言っているが凛は困惑している。


凛「な、な、なんで!?俺は君を信用してるから仲間になろうと…」


光「いや俺があんたを信用してないんだよ!まずなんで俺を信用してるんですか!」

 

凛「いやー今までの戦いぶりを見て確実に悪ではないなと」


光「はぁ……」


 光は目の前の男のテンションについていけなかった。


凛「でも君だって味方がほしいだろ!?しかも俺と仲間になれば怪人達の正体もわかる!」


 少しの沈黙。


光「じゃあとりあえず……」


凛「まじ?最高やん」


光「ていうか誰ですか!?」 


凛「あぁ…俺?神山凛だよ」

 

 怪人との戦闘直後にも関わらずこの2人は腑抜けたテンションで話していた。


光「ここは……?」


凛「俺のアジトだ」


光「アジト……?ただの一軒家にしか……」


凛「まぁついてきなさい」


 光は住宅街にある普通の一軒家に案内され困惑する。


光「うぁ…ここか…」


凛「これがうちの地下室、アジトだ」


 光はアジトに足を踏み入れた。



凛「早速だが話をしよう」


 凛の雰囲気が変わった。


凛「さっきも言った通り君の持っている機械、それはアルケミスシステムっていうんだ。そしてこれは世界に4つしか存在しない」


 光は疑問に思う。


光「4つ?俺とあなたとあの女の子と……」


 凛は口気味に反応する。


凛「葵と会ったのか!?」


光「え?」


凛「葵は俺の仲間でアルケミア機関で最強の戦士だったんだ!」


光「アルケミア機関?」

 

 光は聞いたこともない組織名に困惑する。


凛「アルケミア機関……8年前ヴァルゼイン達によって壊された、俺達の所属していた組織」


光「ヴァルゼイン……」


凛「ヴァルゼイン……やつは最近現れている怪人事件の首謀者……そして俺の父…神山悠真を殺した張本人……」


光「え……?」


凛「君のアルケミスシステムももう1つのアルケミスシステムも奴に持ち去られたのもだった……でもなぜか8年前の混乱の後にそれだけがここに戻ってきたんだ……」


光「8年前になにが……?」


 





 8年前ーー


 アルケミア機関機関にて。


 「天野葵……8歳にしてアルケミスシステムを使いこなしこの組織最強の戦士になるとは……」


 組織の長官がつぶやく。そして葵は友達と話している。


 「葵ちゃんなんでそんなに強いの!?」

 

 「葵ちゃんみたいになりない!」


葵「えへへ……そんなことないよ…」


 当時の年齢は小学生と同じ、葵は年相応に話していた。そして凛はというと。


凛「あはははは!なんでそうなんだよ!」


 「いやいやだってさーー」


 当時15歳。こちらも年相応に友達数名と平和に談笑していた。そして父悠真は……


悠真「ついにアルケミスシステムが完成しましたね!」


???「ええ…あの時アルケミスシステムが奪われてしまってから組織にはアルケミスシステムは一つしかありませんでしたから……」


 悠真は謎の女と話す。彼女は8年前の混乱終結後に行方不明になることになる。


 そしてこの平和は数日後突如にして壊される。

 

 凛、葵、悠真、謎の女は4人で組織を出ていた。その時紫色の光が組織を襲っているのが見えた。


凛「何が起こってるんだ……」

 

悠真「凛…行くぞ…???さんはもう戦える身体じゃない…葵を連れて逃げてくれ……」


???「わかった……」


 2人は組織にたどり着いた。その時最悪の景色を目の当たりにする。


 「殺す」「殺す」「殺す」


 紫色の光によって組織の皆は洗脳されていた。


悠真「これはヴァルゼインの仕業か……!」


凛「みんなは……!」


 凛は友を心配し走った。その時悠真が叫ぶ。


悠真「もし洗脳が解除できなかったら……介錯してるやるしかないぞ!友にそれができるのか!?」


凛「ぐっ…ぐっ……」

 

 凛は叫びたい気持ちを押し込みながら走った。


???「なっ……待って葵!」


 突如葵が組織のほうに走り出した。


葵「みんな待っててね……!」


???「行かないで!」


 謎の女は葵を追いかけるが年により老いぼれた身体では追いつくことができなかった。


葵「はぁ…はぁ……みんな大丈夫!?」


 「殺す」


葵「なんで……?洗脳されてるの…?」


 時を同じくして凛も洗脳された仲間の目の前にいた。


凛「お前ら目を覚ませよ!」


 「殺す」


 凛のどんな言葉にも彼らは殺すの一点張り。凛は彼らの攻撃を避け続けることに限界を感じでいた。そして同じことを葵も感じていた。そして悠真は…… 


悠真「……久しぶりだな……」


ヴァルゼイン「ええ……あなたにはお世話になりましたね……あなた私自身の力で殺したかった……だからあなたがいない時に全員を洗脳した……」


悠真「そうか……終わりにしてやろう……」


 悠真はヴァルゼインと会い、戦闘を始める。


葵「みんな……ごめんね……」


凛「お前ら……今までありがとう……」


 凛、葵は心を押し殺し、皆の殺害を決意した。


凛「あぁぁぁぁぁぁぁ!」


 凛は幼少期からの友の身体を刻んだ。


葵「…………」


 葵は8歳にして友、お世話になった者、組織の仲間全てを殺害し、絶望の淵にいた。


凛「なんだ……これは……」


 凛は友を殺害した後血の海となった組織内をみて回っていた。そして葵を見つける。


凛「葵大丈夫か?葵!葵!」


 葵から言葉が発せられることはなかった。


ヴァルゼイン「さよなら」


悠真「ぐぁぁぁぁぁ!」


 悠真はヴァルゼインに敗北した。ヴァルゼインは立ち去り意識の朦朧とする中葵を連れた凛が来る。


凛「父さん……父さん!うぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 もう助からない。


悠真「完成されたアルケミスシステム……お前に託す……」

 

 悠真が話す。


凛「俺にそんなものが使いこなせるわけが……え……父さん?」


 すでに悠真は事切れていた。


凛「うぁぁぁぁぁぁぁ!」


 凛は帰る場所を失った葵を自らの家へと案内する。


凛「???さんあなたも殺されてしまったのですか……?」


 凛がつぶやく。


凛「これは……なんで…?」

 

 地下室にはヴァルゼインに奪われたアルケミスシステムが1つのみ戻ってきていた。






光「8年前にそんなことが……」


凛「だから俺はあいつを許さない」


 その時地下室に入ってくる足音が聞こえた。


葵「ねぇー凛さんなんで地下室にいんのー?」


 葵が高校から帰ってきた。


葵「え!?この前の!?」


光「どうも……」


葵「凛さんなんで!?」


凛「彼はアルケミスシステムを使える、これから俺達の仲間になる!」


 凛が声高らかに宣言する


光「いや……まだ仲間になるなんてひと言も……」


 その時葵が光の手を握る。


葵「これからよろしくね!名前は!?」


 葵に輝いた目で光はもう断れないことを察した。


光「白石光です……」


葵「私は天野葵よろしくね!」


 光に2人の仲間ができた。しかしこの出会いは光がさらに戦いに身を投じることを示していた。


第5話「知る」完



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