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アルケオン 第二章 「感情の色を探して」  作者: れんP


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福重小学校の好奇心と暗黒の想霊

「アルケオン 第二章 感情の色を探して」


彩葉たちの活躍から、十年――。

世界は大きな戦乱もなく、静かな平和を取り戻していた。


日本・大阪府大阪市。

その街に、一人の守護者が存在していた。


イラストから生まれた守護者――ユズ。


絵を描くことを愛する彼女は、

しかしひとつの欠落を抱えていた。


それは――

“色で感情を表現できない”こと。


どれだけ描いても、そこに宿るはずの“想い”が分からない。

色が、ただの色にしか見えないのだ。


そんなある日、ユズは一体の想霊と出会う。


苦しみの上位想霊――

感情体「サファリング」。


感情から生まれる存在である彼女は、

ユズの“欠落”に興味を抱く。


そしてユズもまた、

“感情とは何か”を知るため、彼女と共に歩むことを決める。


タブレット端末を手に、

二人は旅に出る。


喜び、怒り、悲しみ、愛――

さまざまな感情から生まれる“想霊”を探すために。


これは、色を知らない守護者が、

“感情の色”を探し出す物語。


そして――

世界に隠された、新たな異変へと繋がる物語でもあった。

福岡市西区、福重小学校の校庭で、ユズたちはキュリオシティと出会っていた。


 


ユズはこれまでの旅のことを一気に話す。感情の色、出会った感情体たち、そしてマーダラスとの出来事まで。


 


 


キュリオシティはじっと聞き、やがて頷く。


 


「ふむ、なるほど。それで、私のところに来たわけだ……」


 


 


その瞬間、キュリオシティの瞳の色が鋭く変わった。


 


「君たちは……お呼びじゃないよ」


 


 


校庭に黒い煙のような塊が立ち上り、不気味な声が響く。


 


「ウゥ....ゥゥウゥゥ……」


 


 


ユズは後ずさりながら叫ぶ。


 


「な、何あの黒い煙!?!?!」


 


 


プライドが冷静に言う。


 


「あら、普通の下級想霊、見たことなかったの?」


 


 


マーダラスも観察する。


 


「てっきり、見たことあるものかと」


 


 


ユズは驚きのまま質問する。


 


「え!?あれが!?同じ想霊なのに……仲良くないんですか?」


 


 


サファリングが説明する。


 


「ん、同じだけど、あいつらは限度を知らない。吸い殺す……私たちは殺さないように吸うけど……」


 


 


ユズは首を傾げる。


 


「何が違うんですか……」


 


 


キュリオシティは少し眉をひそめ、口を開く。


 


「ま、ここは学校だ。学校というのは感情のたまり場だ。だから……“暗い感情”もある……その感情は危険だ。他の感情から生まれた下位の想霊より強くて凶悪……だからそういう感情を出すやつは嫌いなんだ。ホント、いじめなんて反吐が出る」


 


 


想霊はなおも呻く。


 


「ウゥ.....ウゥゥゥゥ……モウガッコウイカナイ……」


 


 


キュリオシティは静かに手をかざす。


 


「……やっぱり、そういう感情の想霊……」


 


 


ユズは息を飲みつつ、手を伸ばす。


 


「ッ!」


 


 


触れた瞬間、黒煙がふっと穏やかになり、想霊の声が柔らかく変わる。


 


「…アリ…ガトウ」


 


 


ユズの背後でキュリオシティが笑い声をあげる。


 


「……ふふっ、ハハハハッ!」


 


 


ユズは驚いて振り向く。


 


「えぇ!?なに!?」


 


 


キュリオシティは落ち着いた声で言う。


 


「いや、済まない……想霊を浄化した者を見たのは初めてだよ」


 


 


ユズは少し顔を赤らめる。


 


「い、いえ!とっさに……」


 


 


キュリオシティは微笑む。


 


「ますます君のことが気になってきたよ!」


 


 


その時、校庭の隅から声が聞こえる。


 


「楽シそうネ」


 


 


「そうだね…楽しそウだね」


 


 


ユズはびくっとする。


 


「!?」


 


 


プライドが叫ぶ。


 


「あんた達は!」


 


 


マーダラスも顔を硬くする。


 


「……まずいね」


 


 


サファリングは低く呟く。


 


「悲しみ『サッドネス』……!」

ここまで読んでくれてありがとうございます。

次回もお楽しみに

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