遺書①
大好きなナルちゃんへ。
僕はナルちゃんがいてくれたから今日ここまで生きてこれました。
でももう限界です。
真島、神宮寺、ナルト、有島。
この4人をはじめクラスメイトは俺をいじめ抜いてそれを快感にしています。
俺には好きな人がいます。
俺はデブで、体臭もきついけど、好きな子には熱い汗を激らせて振り向いてもらいたかった。
だけど、そんな俺は結局死んでしまうんだと思います。
だけど、そんくらいで諦めません。
なぜなら俺には最凶最悪のかわいい幼なじみがいる!大丈夫!好きな人に振り向いてもらえなくてもかわいくて、残虐な幼なじみが俺の為になんでもしてくれると思ってます。
さあ!俺に仇名す豚野郎ども!
やり返してやる!恐怖のどん底に叩き落として、俺は幼なじみとイチャラブ人生を謳歌してやるさっ!!
俺は天国からそんな風になる事を祈りながら、明日真島達に呼び出されて殺されるでしょう。
遺書を読み終えた。
当時から、鹿島の担当をしていた母から見せてもらったものだ。
筆跡を見ても鹿島のものであることは捜査済みであった。
私は違和感を感じた。
大好きな人。
これは有島のことだろう。
でもナルちゃん、つまりケイちゃんのことも好きという事。
こんな遺書、ケイちゃんが見て嫌に感じないだろうか。
鹿島はケイちゃんのことをどう思っていたのか。
そればかり、考えていた。
だからこそ、衝撃的だった。
『もううんざりだ!!キミらにはいじめられて、そうだ!!担任の鳴沢ケイには、、、小さい頃から僕はずっとずっと!性暴力を受けてきた!もう嫌なんだ!!耐えきれない!こんな地獄!!キミらや鳴沢の悪事は既に遺書に書いた!このことが世間に出回ればみんな終わりさ!!ああああああああああ!!!
・・・・・鹿島くんはそう言って、踏み台を蹴り飛ばし首を吊りました。』
父の独白。
これが本当なら、あの遺書は誰が書いた?
流れからするとケイちゃんによる改竄だ。
しかしケイちゃんが書くなら、鹿島のことをデブとか汗臭いとか書くか?
自虐的な文章なのだ。
私は父の上にまたがりながらそんな事を考えていた。
『美咲!やめるんだっ!』
『ん、何よ、父さん。一度私を抱いたくせに。』
お父さんは情けない顔をしていた。
でもそんなお父さんが好き。
だから、果てるまでやめない。
『やあ、こんにちは。』
『な、き貴様っ!酒屋の!』
お父さんは睨みつけながらも、何か快楽に抗うような苦悶の表情を浮かべている。
『ボク、用務員さんには残念だなあ。やっぱりクズだったね。』
『な、なんで。』
『ボクの鹿島を傷つけた罰だよ?ねえ、鹿島?』
『うん、僕はあの時助かったはずだから。』
『な、んでその事をお前がっ!』
スマホを出す。
再生ボタンを押すと、私とお父さんのあの桜の木の下でのやり取りが聞こえてくる。
『用務員さん?ボクはね、鹿島の恋人だよ。恋人を傷つけるやつは許さないさ。』
『ふざけ、、、』
お父さんの体が震えた。
『お父さん、また私の体で果てたんだ。最悪。』
嬉しい。
私は口角をあげて、お父さんに唇を重ねる。粘液質をかき混ぜるような音が、室内に響き渡る。
嫌がる素振りを見せながらも、惚けていた私の大好きな男の人。
恐怖のあまり、クラスメイトの自殺を止めらなかった人。
『み、美咲は関係ないだろ??』
『あるよ。だってさ、僕をいじめた奴らを放置していたじゃあないか。』
ケイちゃんは、脇にカニのぬいぐるみを抱えている。
『は?いじめられていたのは、鹿島くんじゃないか?』
『だから、それは僕だって。』
お父さんの顔に唾を吐く。
『み、美咲こいつは何を、、、』
『お父さん、2回目。』
ベッドが軋み始める。
私はまたわざとらしく、嬌声をあげはじめる。
『狂って、、る。だって、、、ここには。』
『はあ?聞こえない?』
お父さんは体をばたつかせる。
『きゃっ!』
ベッドから転げ落ちる。
お父さんは縄を自分の力で解いた。
最初から出来たくせにね。
『お前は、誰だ!?鹿島ケイは死んだんだ!ここに鹿島はいない!この部屋にいるのは!』
お父さんはベッドのそばにあった花瓶を振り上げながら、ケイちゃんに近づく。
花瓶はケイちゃんの頭に振り下ろされた。




