親子
母は、すごい。
警察官としてもかなり優秀だ。
警察官としての優秀さとは何か?
それはあらゆるものを犠牲にして犯人を追い詰めることができる点にある。
そしてその性格は私にも受け継がれた。
母の書斎に入る。
母は、髪を巻き、胸元が開いたYシャツに艶めかしい太ももを見せるようなスカートを履いている。リップはぷるぷるで、吸い付いたら離れないような感じだ。
女の私でも興奮するくらいだ。
『あら、珍しいわね。』
『母さんこそ。いつも家にいないのに。』
『で、何かしら?』
『伊豆沖の事件、お父さんが絡んでないかな?』
『あの男が?あの男より、あなたが絡んでそうな気がするけど。』
『私はね、たぶん伊豆沖に行ってたら死んでたわ。』
『ふーん、どうして?』
『見ちゃったの。ケイちゃんを、、』
『ケイちゃんって、死んだ白骨死体のこと?』
『違うわ。』
私は母に近づく。
『私の担任。ケイちゃんって呼ばれていたの。』
母は葉巻をすいだす。
煙を燻らせて、天井を仰ぐ。
『それで?そいつは、、?』
『今は鹿島ケイって言う名前よ。』
『へえ、同性同名なの?』
『違うわ。たぶん改名した。』
母は煙を吸う。
『美咲、あなたはただの精神科医の卵でしょう?また興信所使ったのね。』
母はため息をついて頭を抱える。
『何が目的?』
『いやね、たぶんその担任、たぶん解離性同一性障害っぽくてさ。臨床の参考にしたいの。』
母は火を消す。
『わかったわ。じゃああなたのゼミの先生に頼むわよ。』
『ありがとう。』
『でもそれだけじゃ、検挙は無理ね。』
『そうかな。』
『そうよ。』
『じゃあ決定的な証拠がいるね。』
『・・・・・はあ。あなたに刑事を何人かつけるわ。』
こんなこと、普通できっこない。
でも、母も私もやれるのだ。
『あくまで、護衛役だから襲っちゃ、だめよ。それに、、私のものだし。』
母はウィンクをしてくる。
そう私らは、目的の為なら誰とでも寝るのだ。




