美咲の捜査
伊豆沖の島での大量殺人は連日マスコミを賑わせた。
『ケイちゃんは、、サイコキラーだったのね。』
私は、大学の研究室でコーヒーを啜りながら新聞記事を見ていた。
鹿島ケイ名義の島。
しかし同時に現れた鹿島ケイの白骨首吊り死体。
マスコミは幽霊島だの、怨霊が殺しただの面白おかしく書き並べていた。
『あほくさ。こんなん、ケイちゃんのやり口にきまってるじゃない。』
骨の折れる作業だっただろう。
わざわざ、苗字を鹿島に改名して、その上で同窓会に乗り込む。そうすれば、鳴沢という教師がその島に居合わせた形跡は残らない。みんなは、鳴沢ケイを、ケイちゃんと呼ぶ。マスコミやクラスの事情を知らないものは、鹿島ケイのことだと勘違いする。なにせ、クラス外ではクラスメイトはケイちゃんを、ちゃんと鳴沢先生と呼ぶからだ。
概ね合っているはずだ。
問題は、なぜケイちゃんが鹿島と1人2役のような立ち回りをしているからだ。
いや、あれは側から見てもわかる。
ケイちゃんは、|人格が頻繁に入れ替わっている。《・・・・・・・・・・・・・》
鹿島の件で、何かあった可能性はある。
死んだ鹿島。
その鹿島を利用した大量殺人。
私は研究室を出た。
興信所というのは非常に優秀で、改名した人物の足取りまで掴めてしまうのだ。
『リカーショップ ケイ』
その酒屋はそんな名前だった。
私は、顔が割れている。
たぶんケイちゃんは私を殺しにかかるだろう。
今はまだ死ねない。
ケイちゃんを、私の臨床実験の材料にしたいのだ。
『・・・あれは、』
父親だ。
母と離婚し、しばらく用務員をやっていた。
よくお弁当を作りにいってあげていた。
用務員を辞めてから、行方が分からなかったが、
このあたりに住んでいるのか。
父が用務員を辞めた時期と、鹿島の死体が出た時期、伊豆沖の事件の時期は偶然にも、被っている。
『何か、関連があるのかしら、、、、』
母だったら何か知っているかもしれない。
ただ、、母は、父の話になるとなあ・・・
あんまりケイちゃんの件と関係ないかもしれない。だが、母は警察だ。
何かヒントがあるかもしれない。
私は一度自宅に戻ることにした。




