鹿島ケイの最後
いつもの夜。
僕の部屋にレイプ魔は押し入り
僕に跨り、下品極まりない声をあげていた。
『・・・・。』
『なんだ、鹿島?気持ち良くないのか?』
『・・・・。』
苦虫を噛み潰したような目でこのレイプ魔を見る。唾を吐きかけた。
目に唾がかかり、レイプ魔はそれを指で掬い取り口の中にいれた。
『鹿島の唾は美味しいなあ。』
この夜が終われば、僕は明日。
明日死ねるはずだ。
有島さんが僕を呼び出した。
たぶん、何かいじめのようなものがあるはずだ。
思えば彼らのいじめはやろうと思えば命を奪えたはずだ。
だから、僕は明日。
みんなへの復讐とこの絶望しかない世界に別れを告げることにする。
『なあ鹿島。』
レイプ魔は僕の口を汚す。
『今日も泊まっていっていいか?まだ足りないんだ。』
『・・・消えろ。』
『なんだか、鹿島がどこか遠くに行ってしまうような気がして、、、淋しいんだ。もっと強く抱きしめて欲しい・・・。』
レイプ魔は何度も僕の頬を叩きながら自分の腰を唸らさせた。
その日はなんだか、寝かせてくれそうになかった。
有島さんに呼び出された。
あの桜の木の下に来た。
有島さんが髪をサラッと手で払いこちらを一瞥する。
桜の木の下は、一目につきにくい場所にあった。
放課後だから、部活中の学生が校庭を賑わしていたが、そんな喧騒から離れた校舎裏から100メートルほど離れた用務員さんの使う道具が置かれている建物の影に桜の木はある。その裏は裏山があり人通りはほとんどない。だからだろう。
後ろから鈍器のようなもので殴られる前兆も捕らえられず僕はその場に倒れた。
そして目が覚めると僕の首にはロープが巻きつけられて、足元には壊れかけの踏み台があった。
あたりにいるのは、真島、陽きゃのナルト、有島さん、神宮寺委員長だった。
僕は踏み台を蹴り飛ばす。
踏み台はあっさり壊れた。
『がっ、うぐっ、あがっ!』
足を空中でじたばたする。締め上がっていく首。軋む紐の音。じわじわなんてものじゃない。
目の前が白んでいく。
『お、おい、何やってんだ。』
『調子乗ってんじゃねえよ。デブがっ!』
『おいおい、死んじまうぜ?』
息ができない。
『はあっ、はあっ、はあっ!!!』
『縄を切れ!死んじまうっ!』
目の前が赤く染まっていく。
『バカやろう!紐切れよ!』
『切るものなんてないわよ!』
『は、早く踏み台を・・・。』
踏み台は壊れている。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
『ナルちゃんさ、ちょうどいいくらいのところで鹿島を失神させるからよ。そのあとさ、一目につきずらい古井戸のあたりに鹿島を寝かせておくから、助ける。どうだ?そんな計画で?』
『素晴らしいね。それなら、鹿島だってボクに振り向いてくれるよね。』
真島との打ち合わせ通り。
指定された時間に古井戸に来てみる。
『・・・?鹿島が見当たらないなあ。』
あたりを物色するように探す。
『?このロープはなんだろう?』
古井戸から伸びているロープに目がいく。
ロープを引っ張ってみる。
『重いなあ。』
なんだろ?ロープ先にかなりの重さのものがあるような感覚だった。
『夜に車のウインチを使ってみるか。』
にしても鹿島はどこにいるんだろ。
真島に電話をする。
『繋がらないな。』
夜。
鹿島を犯したあの日のように、
煌々と月がボクを照らす。
ウインチを使い、ロープをあげてみることにした。
スイッチをいれる。
ガーガーと、巻き取る機械音だけが空間を支配する。
古井戸を眺める。
とっくに水は枯れているので水気は感じない。
しかし。
何か井戸の壁をズルズルと引きずる音がする。
少し水分を含んだような音は次第に近くなる。
すっかり引き揚げられた頃。
近くの木の枝を支点にしてロープを引き揚げていた。
月明かりが引き揚げられた、それを照らす。
それは。
腰に何重にもロープが巻かれていた。
顔は目や舌が飛び出し、下半身は排泄物で汚れている。
古井戸に落とされたのだろうか。
体のあちこちは擦り傷が出来ていた。
『嘘だ・・・・嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!ああああああああああああああっ!!!』
それは、鹿島ケイ。
ボクの大切な人の死体だったのだ。




