飲酒
朝から一杯やるなんてなんて贅沢だ。
用務員時代にもそんなことはなかった。もちろん用務員の前の仕事をしていた時も、そのような事はなかった。
私の部屋は寮の3階で2階には大広間がある。
いつもは誰も居なくて、ひっそりとしている大広間ではあるが、今朝は違った。
『おおーい。』
『ああ、お隣さん。』
『用務さんも休みー??』
私は用務員だったので用務さんと呼ばれている。
『ええ、今日は休みとっています。』
『だったらさ、一緒に飲もうよ、いい日本酒入ったんだよ。』
お隣さんは仕事をしていない。
なぜ日本酒が手に入るかは不明だか、そういった野暮ったいことは聞かないことにしている。
『いいですね。ちょっと準備してきます。』
私は荷物をおいて、大広間に向かった。
『いやあ、もう飲めないでふよ。』
『またまたあ、用務さんまだいけるでしょうよ。』
一升瓶がほとんど空きそうだ。
私は、もう心臓の鼓動が早くこれ以上飲めそうにない。
『よええなあ、用務さん。ああ、酒がもう切れちまうなあ。』
『ああお隣さん、私の部屋にビールがあるんですよ。もらいもんだから、飲んでくれて構わないですよ。』
『お、そうかい。じゃあ一本いただくわ。』
私はそのまま大広間のテーブルに突っ伏して寝た。
『もう、17時です。良い子は帰りましょう。』
地域の防犯無線か。
『すっかり寝てしまったな。』
一升瓶とコップは散らかったままだ。
あたりを見渡す。
お隣さんは見当たらない。
部屋を見る。
『ありゃあ。』
もらった缶ビールが全部空いてしまっている。
ぽりぽりと頭をかく。
『まあ、なんだかそんな気はしたけどさ。』
缶ビールを片づける。
缶ビールの飲み口がなんとなく気になる。
『なんだか、懐かしい匂いがする、、、』
なんだろう。
何度となく触れたことのある匂いだ。
『まあいいか。』
お隣さんはどこかにいってしまった。
『夕飯の惣菜でも買ってくるか。』
特に気に留めず私はスーパーに向かった。




