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寝酒

私は眠気と疲労に打ちのめされて這うように寮に帰ってきた。


泥が川底に沈むように眠りにつきたい。


考えるのも辛い。



美咲が麻薬の常習?


しかしこの数年、美咲にはあっていないのだ。

何があっても、私の知らない美咲がいてもおかしくはない。



いや、しかし私の娘だ。そんなことはあるまい。

信じたくもない。



そんなことを考えると、眠気はなくなり目が冴えていってしまう。



『明日は仕事をしよう。』


考える余白があるからこんな不安が押し寄せるのだ。




しかし、今寝たいのだ。

今日ゆっくり休養を取りたい。


朝日が眩しく眠れない。


こんな時は。




いつものあの若い女店主がいる酒屋でワンカップでも飲んで寝酒にするとしよう。







『おはよう御座います。』

『あら、おじさま。今日は早いんですね。』

『ああ、今日は休みでね。』

『朝からお酒。最高ですね。』

『うん、昨日寝れなくてね。』

『あら大変。』

『気持ちよく酔いたくて。嫌なことを忘れられるような。』


『それなら。これ、ボクのおすすめなんです。』


缶ビールを差し出される。



『じゃあ1本貰おうかな。』


小銭を出す。


『あ、いや、これキャンペーンで5本プレゼントしてるんです。』


『ああ、そうなんだ。じゃあ貰おうかな。しかし爽やかなラベルだね。なんだか、森にいるような綺麗な新緑だ。』


『ええ。いいラベルですよね。ボクもよく飲むんです。はい、どうぞ。』



私は、自分のことをボクと呼ぶ女店主に違和感を感じながらもらったビール片手に帰宅した。

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