独白
『み、美咲!!』
『こ、ないで!』
枝の上に上り、このまま飛び降りれば首吊り死体になってしまう。
月明かりを背に美咲の輪郭がくっきりと闇夜に浮き上がる。
美咲の口からは涎が出て、目が血ばしっている。
『や、やめるんだ、美咲・・・。』
『お、とうさん、はなしてよ。』
『な、何をだ・・・??』
『お、とうさんが見たこと。』
なぜ美咲が自殺しかけているのかわからない。しかし、私が見たであろう鹿島ケイの死の間際の事をありありと話せということなのだろうか。
『み、美咲・・・。』
『は、やく。』
美咲は木の枝の上で片足で立つ。
『や、やめてくれえ、!!!』
『はなす。』
『わかった!わかったから!!』
私は美咲に鹿島ケイの死の真相を話した。
美咲は枝の上に立ったまま話を聞いていた。
頷きもなく瞬きもせず、乾いた目で突き刺すように私を見る。
私は泣きながら、たまに嗚咽をもらしながら懺悔するような気持ちで話す。
話し終わると美咲はニッと口角を上げる。
『それで、全部?』
『ああ、全部だ。』
『わ、かったわ。』
美咲は懐からハサミを取り出す。
そのまま自分の首に突き刺すような仕草を見せた。
『美咲!!』
その後、美咲は木の枝から落ちた。
風が吹く。
体を貫くような突風だ。
ちょうど散りかけていた桜が全て散り、美咲の体を覆うように舞う。
桃色の花びらが赤く染まるような錯覚を覚えながら私は桜の木に駆け寄った。




