死刑執行なんて嘘
『これでよし。』
書置きは残した。
あとは
有島さんに呼び出された、桜の木の下に来た。
有島さんが髪をサラッと手で払いこちらを一瞥する。
桜の木の下は、一目につきにくい場所にあった。
放課後だから、部活中の学生が校庭を賑わしていたが、そんな喧騒から離れた校舎裏から100メートルほど離れた用務員さんの使う道具が置かれている建物の影に桜の木はある。その裏は裏山があり人通りはほとんどない。だからだろう。
後ろから鈍器のようなもので殴られる前兆も捕らえられず僕はその場に倒れた。
そして目が覚めると僕の首にはロープが巻きつけられて、足元には壊れかけの踏み台があった。
あたりにいるのは、真島、陽きゃのナルト、有島さん、神宮寺委員長だった。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
『ねえ、鹿島。』
『な、何だい?委員長。』
『あんたの共犯者は誰?』
『・・・・。』
『鹿島、ほんと最悪だな。』
ナルトが唾を吐きかけてくる。
『ありもしないでっち上げで、俺を嵌めやがって。誰に言われた?』
だってそれは、お前の隣にいる僕の親友に言われたことなのに・・・・。
真島は目を逸らす。
『あなたのせいで私は子どもが産めない体になったの。あなたは誰に指示されたの?』
真島はまた目を逸らす。
『なあ、鹿島。アンタ共犯者いるだろ?教えろよ。教えるなら殺さないでやる。』
委員長は目尻を何重にも重ねて、明らかに怒気を纏い睨みつけてくる。
真島が近づく。
『お前言ったらどうなるかわかるよな?』
真島が耳打ちしてくる。
こいつは俺の命が欲しいのだろうか。
もういい。
よくわかった。
真島は自分の友達なんかじゃなかった。
だから、、
ああ絶望しかないや。
しかも、ナルちゃんがまだ僕を付け狙うなんて、
僕の人生は・・・・。
誰もいなかった。
誰も僕の側にいなかった。
ずっとずっと1人だった。
ああわかるよ。真島。
僕が死んだ方がいろいろ都合がいいんだろ?
『早く吐きなさい!アンタと妹を殺したのは誰?』
僕は踏み台を蹴り飛ばす。
踏み台はあっさり壊れた。
『がっ、うぐっ、あがっ!』
足を空中でじたばたする。締め上がっていく首。軋む紐の音。じわじわなんてものじゃない。
目の前が白んでいく。
『お、おい、何やってんだ。』
『調子乗ってんじゃねえよ。デブがっ!』
『おいおい、死んじまうぜ?』
息ができない。
『はあっ、はあっ、はあっ!!!』
『縄を切れ!死んじまうっ!』
目の前が赤く染まっていく。
『バカやろう!紐切れよ!』
『切るものなんてないわよ!』
『は、早く踏み台を・・・。』
踏み台は壊れている。
友達もいない。
強姦魔にずっと付け狙われた人生。
その強姦魔と同じことをしてしまった。
罪の意識に耐えられなかった。
クラスメイトは焦っていた。
彼らには申し訳ないけど、、
さようなら。
誰が返事をくれるかなんて知らないけど。




