2人の幼なじみ
ボクには2人の幼なじみがいた。
1人は鹿島。ボクの恋人になる男の子だ。
少しぽっちゃりしているけれども根が優しく、笑顔がかわいい。ボクはずっとずっと鹿島に恋焦がれていた。歳の差は結構あったから、当時みたら完全にショタと言われても仕方ない感じだった。
もう1人は真島という子だ。
鹿島とよく一緒にいて一言で言うと悪ガキだった。鹿島を焚き付けてよく悪さをやらせていた。
とはいえ悪ガキがやることだから、まあかわいいものだと思っていた。
『ああ、ナルちゃん!』
帰りがけに真島と路上で会った。
『ナルちゃん、鹿島すげえんだよ、今日さ〇〇ちゃんのリコーダーにいたずらした奴を吊し上げてさ!』
鹿島は何も話さない。
ボクには、わかる。真島はこうやってボクからの鹿島の評価を下げようとしている。そのことくらいわかる。
『俺はさ、やめろって言ったんだけどさあ。あいつナルトってやつのこと嫌いみたいだからさあ。』
ニタニタ笑いながら、両手のヒラを空に向けるようにあげてボクに話してくる。
『そっか、真島くん、教えてくれてありがとね。』
真島の頭を撫でて鹿島の家に向かった。
真島は顔を赤くしていた。
ニタニタと笑いながらだ。
(幼なじみだから、こうやって話してあげてるけども・・・・ぶっちゃけ気色悪いんだよな、真島。)
こんな真島に会った日は、鹿島に会って浄化されるに限る。
インターホンを押す。
『はい。ああナルちゃん。』
『鹿島、今日も夕飯作ってきたよ。』
鹿島の家にこうやって夕飯を作ってもってきてあげている。
『ナルちゃん、今日は何を作ってきてくれたの?』
『今日はチキンカレーだよ。』
『わーい、ナルちゃんのチキンカレー美味しいんだよね!!』
カレーをよそう。
『鹿島、最近どう?真島に何かされてない?』
『真島?あいつとは友達だよ。友達だからさ、、、友達がやって欲しいと思うことはやらなきゃいけないんだ。』
鹿島は顔を伏せながらチキンカレーを食べる。
ははは、と笑いながらボソボソと米を食べる。
辛そうだ。
鹿島を憐れむような目で見ていると、その視線に気づく。
『で、でも真島はいいやつなんだ!俺にとっては親友なんだよ!だからね、いいんだ!!』
困ったような笑顔を見せた後、鹿島は一気にカレーをかき込む。
『ナルちゃん、おかわり!』
『ああ、待っていてくれよ。』
鹿島は人に気に入られるように生きていくことしかできないのだ。
それは彼の凄惨な生い立ちに紐づくものだからだ。




