犯人探し
鹿島を探して1週間が経った。
あの4人がいじめの延長で何かやったのだとしたら、鹿島は誰かの家に監禁されているのではないだろうか。
ボクは1人ずつ聴いて回ることにした。
まず1人目は有島家だ。
インターホンを鳴らす。
『はい、ああこんにちは。』
有島花梨、本人が出てきた。
『どうしたんですか?』
『いや、ちょっと近くを通ったんでね。』
『変な人。』
有島はそう言いながらもてなしてくれる。
昔ながらの木造住宅だ。少し高めの玄関を上り、
木目の冷えた廊下を歩く。通されたのは畳に中庭が見渡せる客間だ。
『どうぞ。粗茶ですが。』
うやうやしくお茶を振る舞う有島。
粗茶と言いながらかなり高いお茶のような気がした。
『それで、どうしました?』
『率直に聞くけど、鹿島の居場所知ってる?』
有島がお茶を取ろうと伸ばした手が止まったような気がした。
『鹿島くんですか。私も心配ですよ。居場所を知りたいくらいですよ。』
明らかに嘘をついてるのはわかる。
『そうだよね。誰か手がかりを掴んでいないかなあ。』
ズズッとお茶をすする。
『でもなんでかしら?』
『何がだい?』
『だって、鹿島くんを孤立させなさいっていったのケイちゃんじゃないの。』
確かに、ボク、鳴沢ケイが生徒に命じたことだ。
『なのに、聴いて回るなんて。』
『ああ、担任として一応ね。だってうちの学校うるさいだろう?それに不祥事があれば、指定校推薦だってどうなるか・・・。』
『そ、そう。』
有島の明らかな動揺が見られる。
『何かわかったら、教えてよ。はい、これは先生の携帯番号だから。』
『わ、わかったよ。ケイちゃん。』
ボクはそれだけ言って有島の部屋を出た。
これと同じやりとりを、あと神宮寺とナルトに行えばホコリは出てくるだろう。
そうすれば鹿島は見つかるはずだ。
有島の家を出る。
春先とはいえまだ、風は冷たく路上に落ちた、桜の花びらが舞う。
『桜は短命ね。死に急ぐことはないのに。』
誰に言うでもなく、つぶやいてみる。
『鹿島、生きてるよな・・・?』
一抹の不安を感じながら次の家に向かうことにした。




