先生の言いつけ
絶対見つかってはならないのだ。
私達は、鹿島をキャリーケースにいれた。
真島が丁寧に、鹿島の腕や足を縛った。
『なんで縛るのよ?』
私は吐き捨てるような口ぶりで尋ねた。
『いやあ、万が一だよ。動くかもしれねえだろ。』
真島は目をかっぴらいて、口元だけ笑いながら答えた。鬼気迫るような表情で、手足を縛っていく。
ナルトも有島さんも手伝っている。
みんな同じような表情だ。
私はいたって冷静だ。
私は縛った鹿島を折りたたむようにしてキャリーケースに入れた。ちょっと紐を長めに残して。
キャリーケースを運ぶ。場所は別にどおってことはなかった。
学校の旧校舎に古井戸があり、そこに投げ入れた。旧校舎に行くまでの道が一目が多いのでキャリーケースで運んだまでだ。
『来年にはこの古井戸も埋め立てるらしいからさ。』
真島はケタケタ笑いながら鹿島を放り込んだ。実に冷静さを失っている学生らしい発想だ。
古井戸だって工事の時に見られたら終わりだ。
やはり私も含めて冷静でなかったのかもしれない。
『これで俺らは共犯者だ。』
真島はニタニタしながら去っていった。
『ねえ、ナルト。有島さん。』
『な、なんだよ?』
『古井戸で大丈夫かしら。』
『知らねえよ。こんなこと、したことないんだから。』
『そうよね。』
私は肩を落としながら帰る。
人生どうでもよかったけど、なんでこんな展開になっているのだろうか。
ただ、先生の言いつけは永遠に守られる。
だって鹿島は古井戸でずっとずっと1人ぼっちだからだ。




