愛しき人はどこへ?
ボクはあの日、なんで鹿島を止めなかったのだろうか。
彼に対する殺意の気配に気づくことさえできていれば、良かったのに。
有島さんに呼び出されたあの日から鹿島の行方はわからない。死んだのだろうか、生きているのだろうか。こうしてボクの心は蝕まれていくのだ。
鹿島と会えない日々。
恐らくボクは鹿島に依存していたのだ。
そりゃそうだろう。苦労してボクに振り向かせたのだから。
『鹿島くんが昨夜から行方不明です。』
静まりかえる教室。
悲しむのでもなく、驚くのでもなく、どちらかといとどうでもいいニュースなのだろう。そのくらい鹿島は嫌われていた。
『なあ、ケイちゃん。』
『なんだ?真島?』
真島がニヤつきながら席を立つ。
『そんなことより、さっさと授業進めてくださいよ。俺ら受験控えてるんで。指定校推薦組とは違うんで。』
『真島・・・・。』
『なあ、ケイちゃん。俺らには時間がないんだ。』
鳴沢ケイ。
このクラスの担任だ。
『なあ、わかるよな?みんなもそう思わないか?』
『そ、そうだな!鹿島のことなんて知らねえよな!』
『あいつ、キモデブだしねえ。』
教室はどっと笑いが起きる。
不愉快だ。
だって鹿島はボクの恋人なんだよ?
ボクは根拠はないが、鹿島はこのクラスの誰かにやられたのだろうと思った。
あの4人は関係あるのだろうか。
ボクは自分の種の巻き方を間違えたのだろうか。目の前の鉛筆をつい、片手で追ってしまうくらいには怒っていた。
鹿島の居場所を突き止め、犯人がいるならば、殺す。
その日から生きる糧はそれだけとなった。




