死刑執行
いつもの夜。
僕の部屋にナルちゃんといた。
いつものように、ベッドの中で体を寄せ合う。
『ねえ、ナルちゃん。』
『なんだ、鹿島?』
『有島さんに呼び出されたんだ。』
『ほう?またなんで?』
『話があるんだって。』
ナルちゃんは閉口する。
『罠じゃないのか?』
『どうなんだろ?』
『罠であっても行くのか?』
『うん。できれば誤解は解いておきたいからさ。』
『誤解も何も・・・・。』
『僕は悪くない。わかってるさ。だけど、悪くないけど巻き込まれてしまう人なんてたくさんいるじゃないか。僕はね、かつてのクラスメイトに弁明の機会をもらえるだけでも充分なんだよ。だから行くんだ。』
『そうか・・・。なあ鹿島。』
ナルちゃんは僕に口づけする。
『今日も泊まっていっていいか?まだ足りないんだ。』
『ナルちゃん。』
『なんだか、鹿島がどこか遠くに行ってしまうような気がして、、、淋しいんだ。もっと強く抱きしめて欲しい・・・。』
僕はナルちゃんの体の1番やらかい部分を弄る。
その日はなんだか、寝かせてくれそうになかった。
有島さんに呼び出された。
あの桜の木の下に来た。
有島さんが髪をサラッと手で払いこちらを一瞥する。
桜の木の下は、一目につきにくい場所にあった。
放課後だから、部活中の学生が校庭を賑わしていたが、そんな喧騒から離れた校舎裏から100メートルほど離れた用務員さんの使う道具が置かれている建物の影に桜の木はある。その裏は裏山があり人通りはほとんどない。だからだろう。
後ろから鈍器のようなもので殴られる前兆も捕らえられず僕はその場に倒れた。
そして目が覚めると僕の首にはロープが巻きつけられて、足元には壊れかけの踏み台があった。
あたりにいるのは、真島、陽きゃのナルト、有島さん、神宮寺委員長だった。
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『ねえ、鹿島。』
『な、何だい?委員長。』
『あんたよくも私の妹を殺してくれたわね。』
『え?それはどういう・・・。』
『鹿島、ほんと最悪だな。』
ナルトが唾を吐きかけてくる。
『ありもしないでっち上げで、俺を嵌めやがって。』
何のことだろうか。
『鹿島くん、あなたが私の貞操を、、ううっ。』
有島さんが泣いている。なぜだ。何が起きている。
『なあ、鹿島。アンタ共犯者いるだろ?教えろよ。教えるなら殺さないでやる。』
委員長は目尻を何重にも重ねて、明らかに怒気を纏い睨みつけてくる。
『ほらあ!吐けよ!』
真島は踏み台を揺らす。
足がもつれそうになる。
『ち、ちょっと真島・・・。』
委員長が焦っているのがわかる。さすがに真島が踏み台を壊したら死ぬのはわかっているのだろう。
『えー?だって殺したいんだろ?鹿島のこと。』
真島は踏み台を揺らす。
『ま、真島。ちょっとやりすぎじゃ・・・。』
ナルトも真島を止めようとする。
『これくらいしないとダメだぜ?調子乗るからよ!!』
『真島くん、、』
有島さんが心配そうに呟く。
ああわかるよ。真島。僕が死んだ方がいろいろ都合がいいんだろ?
『早く吐きなさい!アンタと妹を殺したのは誰?』
『い、いえない。友達だから。』
『ほらほらふざけてるよなあ!?』
真島が踏み台を少し外す。
『がっ、うぐっ、あがっ!』
足を空中でじたばたする。締め上がっていく首。軋む紐の音。じわじわなんてものじゃない。
『た、助けて・・・・。』
目の前が白んでいく。
『はっはっはっはー!!バーカ!バーカ!』
『調子乗ってんじゃねえよ。デブがっ!』
『おいおい、やり過ぎると死んじまうぜ?』
息ができない。
かろうじて足元の踏み台が僕の命をつなぐ。
しかし、つま先しかついてない。少しバランスを崩すと、死んでしまう。
『はあっ、はあっ、はあっ!!!』
『ねえ、そろそろやめたらあっ?ひと殺しなんてまっぴらよ。』
『へいへい、お姫様。じゃあ、縄切ってやるか。あ・・・・。』
ガタンっ!
踏み台の感触が無い。
目の前が赤く染まっていく。
『バカやろう!紐切れよ!』
『切るものなんてないわよ!』
『は、早く踏み台を・・・。』
踏み台は倒れたはずみで半壊していた。
僕は死んだのだろう。意識はぷつりと消えた。




