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神宮寺鳴海のナルちゃんの場合

神宮寺鳴海。

話は私が、中学時代の時に遡る。



太陽も明けない寒い朝。

私は自転車を漕いで一軒一軒、家の郵便受けに新聞を入れていく。



『ナルちゃん、おはよう!』

『あ、おじさん!おはよう!』

『あら、ナルちゃんや。今日も元気だねえ。』

『おばあちゃんこそ!!』


私の1日はここから始まる。

新聞配達のアルバイトを終えて、家に帰る。


『鳴海姉ちゃんお帰り!!』

『ああ、ケイちゃん。』

『ああ鳴海や、お帰り。』


私の大好きな妹とお父さん。

お母さんは妹を産んですぐ亡くなってしまった。

妹が亡くなるか、母が亡くなるかの瀬戸際の出産だった。


母は難産だったが、妹を産んだ。



母が亡くなってしまった。私は妹とお父さんを支えないといけないと、幼いながらに決意したのだ。



神宮寺ケイ。私の妹だ。

父はシングルファザーで働きながら、妹の送り迎えをしないといけなく大変そうだった。ミルク代も高い。私は少しでも家計の足しになればと思い、新聞配達のバイトを始めた。家事も率先して行った。夜泣きすれば、父と交代交代であやした。


大変だったけど、幸せだった。

妹はすくすく育った。


私が中学生になり、妹は小学校1年生になった。

ランドセルを背負った妹はとてもかわいく父も大きくなった妹を見て涙ぐんでいた。




そうあの日までは幸せだった。






『ああああああああああああああ!!!』


妹と父は亡くなった。



家が轟々と音を立てて燃えている。

真っ赤な悪魔が焼き尽くしていく。

『なんで・・・・??』



あとで火災原因を聞くと、花火のあとが家の中に見られたらしい。




あくる日。学校に行った私は驚愕の事実を聞いてしまった。



『ねえ、〇〇くん。』

『なんだよ?相談って。』


ゴミを出しに来た。

校舎裏にいる2人の男子生徒。ゴミ焼却炉の前だ。

1人は鹿島だ。もう1人は背を向けていてわからない。



『どうするの?神宮寺さんの家で花火したら燃えちゃったじゃないか、、、』

『はあ?なんでお前そんなことしたの。』

『いやだって、、、』

『はあ?ちょっと驚かすくらいでいいっていったじゃないか?』

『だって、もっとやれって・・・。』

『もういいよ。忘れろって。はあ、もったいねえなあ。神宮寺の妹、可愛かったからちょっと脅して全裸にさせろって言っただけなのに、家燃やしちゃうとかバカなんじゃない?もう忘れろよ。お前は未成年だからな。捕まりゃしねえよ。しかしさ、親父さんもアホだよな。わざわざ火の中に入って助けようとして一緒にお陀仏とはなあ。』


握り拳を震わせる。

キリキリと歯をすり潰すように噛む。

鹿島の隣にいるやつの顔が見えないが、鹿島に問い詰めるしかない。


死より残酷な復讐をこいつらに味わせないと気がすまない。



かならずやり返す。

その日から鹿島を追い詰める機会を伺うことにした。


そして、その日は突然やってきた。

高校入学してすぐに。

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