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その者、”異端”につき。  作者: 月乃あかり
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その者、実技試験②



「162番の受験者!測定器の前へ!」

「は、はい!」


自分の番号が呼ばれてハッとする。

急いで返事をして、測定器の前へ立ち荷物を測定器横にあったカゴの中へ。

測定をする前に名前と年齢を確認して感知版へ手をのせる。

魔力を通す前に深呼吸。通す量考えないといけないかな…。


前回測定したのは、ギルド登録のとき。

あの時は、魔力値はいくらだっただろうか…。


「っ、き、きみ…?!」


ハッとする。他の事考えたせいで何も考えずに魔力流しちゃった!

数値がでたみたいで、試験管の声が聞こえる。しかもなんだか上ずっている。

それに続いて、受験者の列からもざわめきが聞こえる。

数値板を見上げて、自分の数値を確認すると。



「……531…?」



入学試験を受ける年齢10~12歳の平均は100ポイント。

ちなみに、18歳と成人した一般人の平均が大体250ポイントである。


術者として経験をつんでいれば、どんどん数値があがっていくものだ。

たしかキールはこないだギルドカードの更新だかで測定したときに「ぴったり500いったぜ!」なんて喜んでいたな…。


確か、ギルドカードのランクSSの条件が、魔力値450だった気がする。

そうか、これは…。



『すげーなんだあの数値…!』

『機械壊れたんじゃね?』

『ありえねえだろ、たしか450オーバーってギルドランクSSとかのやつのだろ?』



やばいな。

そして俺も驚いた。何気にキールより魔力値上なんじゃない。

魔力値は魔力開放と違って押さえられないんだっけか…。


試験管が俺の触れた機械の設定をしなおそうとしてか隣に来る。

ちょっとまってね、と言いかけていたが、画面に表示された俺の名前、そして俺の顔を見たのがわかった。

すると、数字版に131の数字が表示される。



『あ、やっぱ機械なんかなってたっぽいな』

『数字の三桁目がおかしかったんだな』


ざわめきが少し落ち着いてくる。

試験管のほうをみると、その目には動揺が浮かんでいる。俺と目が合うとすぐそらされた。



「次はその魔方陣の中で魔力開放を」

「…はい」


属性。

属性は。


魔力値のせいで頭の中真っ白。

しかも試験管の反応あれ駄目でしょ。俺ガラスのハートの持ち主だったら砕け散ってたよきっと。


手を胸の前で祈るように組み、ゆっくりと前へ出す。


目を閉じ集中する。

俺が、一番コントロールできるもの…。


耳につくざわめき。その奥で、ぴんと何かが音を立てた。

緊張の糸に、一粒何か触れたように感じた。



「魔力、開放…」



これは、いつも隣で見て、感じていたものだ。

魔力開放の練習時間俺の隣でいつも見本を見せてくれていた、身近なものだ。


組んでいた手を離すと、その空間にできる水の塊。

手を広げると広げた分だけ水の塊も大きくなる。

このままでは結界から出てしまうな、と水を振り払うように後ろへ流すとそのまま液体が俺の周りを一周し、螺旋を描き上空へあがっていく。

ざわめきが、喚声に変わった。



「ひゃ、く、162番、終わりなさい」

「はい」



返事をすると、水の流れは一瞬で霧にかわり、そして蒸発するようにまた消えていった。

再び試験管と目が合うことはなく、俺は測定器横のカゴから自分の荷物を持つと早々とその場をあとにした。

数グループに分かれていたとはいえ、3.4メートルくらい空中へ上がり、そのまま保っていたのだ、ちょっと視線が痛い。

しかし後悔はしていない。うん。


保護者の集まりのほうへ目をやると、集まりから少し離れたところにキールは移動しているのを発見。

視線を集めているのをキールも感じているようで、二人してそそくさと運動場から退場。



片づけをしている受付の隣を通り、門をくぐる。

すぐそこにキールが待ってたものだから、俺はキールに駆け寄った。

キールと俺は顔を見合わせると、ニッと笑う。


「きいてキール、俺魔力値500超えてた!」

「げっマジか!やっぱそうだと思ったぜ…俺やっと去年500超えたとこなのに…」

「これはキールより高い可能性~?」

「お前その年で500オーバーって魔術師とかより仙人みたいな…じつは変化魔法で若返ってたりする?」

「失礼じゃない?!」


鞄で腰の辺りを狙って振りまわすがひらりとかわされる。

ついバランスを崩すが、その勢いでキールに体当たりした。


「何の属性で魔力開放するかヒヤヒヤしたけど、結界魔法ぶっ壊さなくて安心したよ」

「みた?みた?キールのマネしたんだよ!」

「見えた見えた。でも俺だったらもう少し綺麗に螺旋描くぞ」

「そこはなれてないからゴニョゴニョ」

「まあでも暴発しなくてよかった」


安心のため息がキールから漏れる。しかし大分長い息。


運動場なだけあって、砂しかない乾燥地だからね。

近くに水場もないし、今日はむしろカラカラに暑いくらいだし。水属性の受験者は多分少し大変だったかもしれない。

水を発生させるのに一番楽なのは水場を使ってそれを纏めて溜め込むのがいいからね。

しっかり勉強してる人なら、大気中の水分ちょっと纏めて少し増やすくらい簡単にこなせるんだろうけど…他の受験者見てなかったからなあ。

水属性にした理由のひとつがそれだもんな。

大気中の水分まとめるにも今日みたいな天気だとほぼないからね。あの量にするには膨張させなきゃいけないし。

暴走してたら多分体内の水分もってかれてたな。


キールからはちょっと言われながらも花丸をもらったし、ここまできたら合格狙いたいよね。



「そうと決まれば、多分合格間違いない感じだし、お金貯め頑張るか!」

「おー!」



そういえば、リリーナはどうだっただろうとちょっと考えたけど、多分大丈夫だろう。


当分の俺達の次の目標は、資金・貯金集めだ。

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