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その者、”異端”につき。  作者: 月乃あかり
13/38

一応チビは禁句です

主人とおっさんに交互に目をやるが、やはり住みつき常連となっているの人なのか、バツが悪そうな表情で目を背けられる。


――― バンッッッ


鉄でできたカウンターでも割れるんじゃないかってくらいの強さで拳が降ろされた。


ん?

勿論、俺の目の前。


「………聞いてんのか、このガキ」

「やめとけよー、もうビビって声も出てねーじゃねぇか」

「んなちびっこに声荒げんなよなー」


「そうだぜ、ちびっちゃうと悪いしな!がははは!」


…………ちび…?



このギルド兼酒場の建物は大して大きくない。

ということで、騒がれると煩い。

その上に、よく聞こえる。

俺は眉間にしわを寄せると、主人に声をかける。


「…すみません。お金、払いますんで」


言いながら、ぴらっとギルドカードを見せる。と。


主人は驚いたような表情を見せた後、小さく頷いた。

のを確認すると


「あ?何言ってんだぁ?金出されてもお前みたいなガキにはなぁ…」


―― ダンッッ


ちょっと力を込めて、俺は拳をカウンターに叩きつける。

すると。


― ガタンッ

恐らく鉄か何かででできているであろうカウンターは俺が拳を打ち付けた所から亀裂が入り、そこからパカッと割れ倒れていく。


「ぅおっ??!」



カウンターに手を置いて体重をかけていた男の体は、割れたカウンターと一緒に崩れ落ちた。

主人はタイミング良く割れ物を取ったので割れないで済んだよう。

床に崩れたまま、目をぱちくりさせた男を見下ろして、俺はフッと鼻で笑ってみせる。


「じゃあ…このブラックベアので良いです。依頼書ください」

「ぁ、はい」


俺は多分弁償金くらいにはなるだろう、ファイルの一番上にあった5万の依頼書を貰うと、男を放置しギルドを出た。


カラン、と鐘の音を立てて扉が閉められる。

と直ぐにまた、今度は大きな音を立て開けられた。

出てきたのはさっきの男。


「おい、ガキ!」

「はい?」

「ブラックベアなんてBランクの魔物1人で受けられんのか?なんなら、俺がついてってやろうか」


………。

こいつ、さっきので何も思わなかったのか。


カウンターが割れたのは老朽化とでも思っているのか?


俺は男を見上げたまま固まる。

後にふぅ、と小さくため息をつくと、大丈夫ですと断りを入れて俺は再び足を進めた。


後ろから男の叫び声が聞こえる。


………やっぱり、1人で来るんじゃなかった。


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