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その者、”異端”につき。  作者: 月乃あかり
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少年とギルド



「…………ん……」



瞳を開くと丁度良く朝日が顔を出してきたところみたいで、室内がうっすらと明るかった。

窓を見ると光で紺のカーテンが白く色づいている。



そこからボンヤリと天井を見上げた。意外と頭の中はやけにすっきりしている。

こんなにすっきりと起きれたのはどれくらい振りだろうか。


「…これはこれで、気味悪い……」


俺たちは、まだベルラントにいた。

大人しく自分のベッドで眠っているキールを起こそうと床へ足を下ろす。

今何時頃だろうか。軽く遮光を施されたカーテンだからか時計の方を向いてもよくわからない。


「おい、キール、起きろよ」

「んーぁと二時間…」

「長いわ!」


突っ込みを兼ねていくら蹴飛ばしても起きないキール。

勢いよくカーテンを開けてはみたが、キールは布団にくるまったまま。

優しく揺すっても布団を剥ごうとも、起きる気配がないキールにいい加減呆れてきた俺は簡単に支度をして、部屋を出た。



「ん~…っ、はぁ…。やっぱ朝って気持ち良い…」



軽く伸びをして、まだ静かな街を見る。

準備がてら時間を確認してみたらまだ朝食にも少し早い時間なようで。

各家からは朝のバタつきであろう生活音が聞こえる。


お店にもよるがちらほらと開店準備が始まっているようだ。


‥‥ここに来てからもう1週間は経つが、まだ次の街に行く気配もない。

その間、俺たちはというと町の外れにいき魔法や軽度のものではあるが、剣術・体術の稽古。

たまにくる簡単な依頼をちまちまとこなして過ごしている。

この町にも俺たちのように外から来て長期の滞在をしている人もいるようだし、町の人も慣れているよう。

宿屋近くのパン屋の玄関を掃除しているおばさんから「おはよう、今日もいい天気だね」なんて話しかけられるくらいには雰囲気に馴染んできている。


しかし、あてもなく歩いてみるが、コレといって面白いモノもなく。


「……うーん」


そこでふと、キールの言葉が頭をよぎる。

『もう自分で依頼貰いに行っても良いんだぜ?』


「…ギルドにでも、行こうかな」



ここ、ベルラントのギルドは特に活気づいているわけでもない。

待ち合わせなのかテーブルに集まり談笑をしている人達、自分好みの依頼が貼り出されるのをまっているのか掲示板前のテーブルで待機する人達。

そして大体どこにでもいるような、ここを主な拠点として暫く経つような、ちょっと見た目がゴツめのおじさん達。

その中、カランと鐘を鳴らし扉を開けた。


一人でギルドに来たのは、これで4回目。

ベルラント以外の町で行ったことはあるが、基本一人ではギルドに入りたくない俺。


「すいません、ソロでできるような依頼無いですか?」


カウンターで洗い物をする主人に話しかけると、近くにいた人たちの視線が刺さる。

まじまじと見るものもいれば、俺の外見のためかニマニマ笑うヤツも居る。


少し鬱陶しいがここは我慢だ。

こんな時間にここにこんなに人がいるのは、大体オールで酒呑みをしていたか、よほど早く好みの依頼を受ける為に待っているか、だろう。


ここのギルドは酒場も兼用しているようだし、恐らく前者の方が多いのだろう。

なにより、テーブル上に空いたビンやコップが置かれている。



「ここは子供の遊び場じゃねぇぞ、小僧」



そしてお決まりなセリフありがとう。


主人よりソロでもできるものをと伝えると、まとまったファイルを渡され、手軽なヤツを探して開いてみる。

が、それは他の人の手により閉じられてしまう。


手を辿っていくと、やけに顔のデカいおっさん。

体にやたらガチャガチャと武具を来ていて、見るからに町に住み着いてる形の雰囲気である。


「子供が来るとこじゃねぇっつってんだよ」

「やめろよー恐がってんじゃねぇか」

「ははっ、ほどほどになー」


後ろから仲間であろうこれまたゴツイおっさんたちが言葉を飛ばしてくる。


…………イライラしてきた。

基本一人で来たくない理由の一つである。

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