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ヒカリノハヤサ
あの星
あるように見えても
そこにはもう
ないかもしれないないんだ
それは子供の頃のこと
天体望遠鏡を覗きつつ
父が言った言葉を思い出す
遠くの星の光が地球に届くには
うまく想像出来ないような
途方もない程の距離の旅が必要だ
それこそ光の速さで進んでも
何百年とかかって
今、地球に届くあの星の光は
その頃の記憶を留めている
そしてそれを
この星に届けているのだ
何百光年も彼方から
何百年も昔の姿を
かつての思い出を
何百光年も離れたこの場所へ
そしてまた
どこかへと旅をしていくのだろう
何百光年もかけて
今、この星に入った光も
今、旅に出た
この光もまた
遥かな彼方
何百光年も先のどこかへと
きっと届く
この光が届くころ
私たちは思い出になっているだろう
この光が届くころ
あなたは何をしていますか
「ひかり」よりも「のぞみ」の方が速いこの星でなら
きっと何億光年もの遠くにも
あっという間にたどり着く




