二十一話 次の手がかりを求めて②
セルフィーは猫の獣人族で、ハイネという村に住んでいた。
ハイネ村は以前に魔王が君臨した際、魔物の群れに襲われたことがあり、聖騎士に助けられたことがある。
そのため、ハイネ村ではその恩を返すために、聖騎士に使者を送り、共に魔王を封印したらしい。
カイラでの戦いが世界に広まったため、村は新たな聖騎士が誕生した事を知り、その守護者として一番強い獣人を聖騎士の下に派遣した。
それがセルフィーだった。
「そんなことがあったのか。」
「・・・はい」
「ハイネには何か魔王の手がかりがあるのか?」
「聖騎士と魔王が戦っている壁画くらいです。手がかりになるような物は何も・・・。」
「そうか・・・。」
「お役に立てなくてすみません。」
「いや、気にしないでくれ、ありがとう。宿に戻るか。」
「・・・はい。」
宿に向かっている途中、村の人に話しかけられた。
「おや、あんた達は!村を救っていただきありがとうございます。」
「気にしないで下さい。」
少し世間話をした後、村人が言った。
「あんたら、あの魔王とか言うのを追いかけるのかい?」
「はい、そのつもりです。まぁ手がかりがないので少し旅になりますが。」
「手がかりか・・・そういえば!」
「ん?何かあるんですか?」
「喋る魔物がこんなことを言っておった。テーベに装置を運ぶとか・・・。」
「それは確かか!?」
俺は村人の肩を掴んだ。
「あ、あぁ、確かじゃ。」
「そうか、行ってみるしかないな。」
「・・・そうですね。それはいつの事ですか?」
「あんたらが助けてくれたほんの少し前じゃ。」
町から出ようとする俺をセルフィーが止めた。
「・・・セツナ様、今日はこの村で休みましょう。」
「え?すぐに追いかけないと!」
「魔力を使いすぎです。四闇の事もあります。万全な状態でないと危険です!」
「・・・そうだな、確かに。ありがとう。」
「・・・いえ。」
「とりあえず、宿に戻ろう。」
「はい。」
宿に戻った俺達は、他のメンバーを呼び出し、今後について話をしていた。
「・・・村人から、魔物達が何かの装置をテーベに運んでいる事が分かりました。なので、次の目的地はテーベになりますね。」
「次はそこに行くのね?」
「・・・はい。」
「ユウナ、カレン、ルート。聞いてくれ。」
「何?お兄ちゃん?」
「お前達には悪いが、カイラに戻った方がいい。」
3人は驚いた顔でセツナを見ていた。
「な、何でよ!?」
「理由を聞かせてくれないか?」
「四闇が相手になったら、お前達は戦えないだろう?洞窟の時、動けたのは俺とセルフィーだけだった。これからの旅、あいつらに戦闘に必ずなる・・・。分かるだろう?」
「・・・そうかもしれない。でも、私はお兄ちゃんと居たい!」
「ユウナ・・・」
「わ、私だって!セツナと一緒に・・・その・・・えっと。」
カレンは自分の言葉に顔を真っ赤にしていた。
「セツナ、確かに私達はセツナやセルフィーにとって戦力不足かもしれない。しかし、私達も覚悟はしているのだ。」
「セルフィー、君はどう思う?」
「・・・私は、今のまま来てもらっても困ります。」
「「「・・・」」」
セルフィーの言葉に3人共黙ってしまった。
「・・・なので、修行を行いながらなら問題ないかと。」
「そうか・・・。え?」
「彼らの戦いはまだまだ粗い部分が見えます。どれくらい強くなるか分かりませんが、師をつけて修行すれば、まだまだ伸びしろはあるかと・・・。修行をつけるのは、私でも、セツナでもできます。」
「しかしだな・・・」
『セツナ、こやつらはお主がどれだけ言おうとついてくるぞ?』
「零か・・・。確かにそうかもしれないが・・・。」
『我がこやつらの面倒を見てやろう。』
「は?何を言って!」
『我の修行について行けなければ、カイラに帰せばいい。それだけよ。』
「・・・いいだろう。零、3人を頼むぞ。」
『任せておけ、では、今日から修行を始める。30分後に武器を持って、外に出ておけ。』
「「「はい!」」」
勢いが良い返事に俺は若干不安を覚えたが、零の修行は厳しいためすぐに諦めるだろうと思っていたのだが・・・。
全然疲れを感じさせず、もっと修行したい!
などと言いながら帰ってきた時、セツナは苦笑するしかなかった。




