4-6 戦闘
~前話までのあらすじ~
ある日、女子高生『飛鳥和深智』の部屋のドアが異世界につながった。
次の異世界は終末後の世界で、キィという少女に出会い、9人チームで調査活動を行うことになった。
その道中でこの世界の歴史を聞いたところで、隊長が「奴らだ」と言った。
さっきまでワイワイ話をしていたのが嘘のように急にシンッと静まり返った。
いつの間にか舳先のライトが消えていて、廃墟に挟まれた広い道路の端を気配を殺しながら船が進む。
闇と静寂。
月明かりに照らされるみんなの顔は、急に真面目になっていた。
しばらくして、船は廃墟の中に入り停泊した。戦闘班の人たちが音もなく船から降りる。
みんないつの間にか左腕にグニャグニャしたスライム状の何かを纏っている。
キィの腕のグニャグニャが変形し、スナイパーライフルのような形になった。
そしてキィが腕を勢いよく上げるとそこからワイヤーが飛び出し、それを使って崩れかけたビルの上に登っていった。
他のメンバーも同様に、腕のグニャグニャを変形させたワイヤーで、ビルの上へと登っていく。
その全ての動作を全て無音で行う。サイレント映画を見ているようだ。多分、発生した音を消す技術が有るのだろう。
未来の技術って感じで、ワクワクする。
女科学者の人がスッと、小さなディスプレイを僕に見せた。
[この壁の向こうにロボットが3体居る。今からそれを破壊する。]
そして僕の手を取り、ディスプレイを僕に持たせた。
ディスプレイの映像が切り替わり、さっきまで見ていたのとあまり変わりない廃墟が映っていた。
だがよく見ると、何か光っているものがある。
ロボットのセンサーか何かだ。
ずんぐりむっくりな体系の人型ロボットが3体歩いている。
このディスプレイは壁の向こうを透視する機械のようで、上下左右に動かすと映像も上下左右に動いた。
上を見上げるとキィ達がどこにいるかも見えた。
[3]
ディスプレイに数字が表示された。攻撃までのカウントダウンのようだ。
[2]
[1]
[0]
0が表示されるとともに、ビルの上にいる戦闘班の人たちから、ロボに向けて幾筋もの閃光が走る。
音の無いビームが3体あるロボのうちの1体に直撃し、腕が燃えて爆発した。
3体のロボはすぐさまホバー移動しビームを回避する。
それを追いかけるようにビームが乱射される。
腕が焼け落ちた方のロボの頭にビームが直撃し、頭頂部から火を拭き上げながら爆発した。
爆発による煙のせいで、ロボが見えなくなる。
[隊長が来るぞ]
文字が表示されると同時に、煙がぶわっと晴れた。
さっきまでロボが居たところに隊長がスーパーヒーロー着地して、その衝撃で煙が吹き飛んだのだ。
そして着地と同時にロボを縦に真っ二つに切っていた。
ロボは爆発せず、その場に崩れ落ちる。
次の瞬間。
ガラガラガラッッッ――
僕の眼の前にあった壁が大きな音を立てて突如壊れた。
崩れた壁の奥には、ロボットが居た。
煙に紛れて、1体がいつの間にか僕の眼の前まで来ていたのだ。
一瞬の出来事に、体が凍りつく。
血の気がサァッと引いていくのを感じる。
――ヤバい。
ロボの視線が僕の方を見ている。
ロボは上げた腕を僕に向かって振り下ろしてくる。
ガツンッ!
ロボの上に誰かが降りてきた。
キィだ。
その手にはビームの剣が光っていた。
キィは抵抗するロボの上に乗ったまま、手に持ったビーム剣をロボの頭から胴体までまっすぐに貫いた。
そしてロボットから僕の近くに飛び降り、左手を前に突き出す。
キィの左手の前に半透明のバリアが現れた。
ドガァァン
ロボットが大爆発を起こした。
衝撃で鼓膜が痛い。
だがキィが張ったバリアのお陰で、それ以外のダメージは全く無かった。
キィはパンパンと土ホコリを落とすように手をたたき、フゥっと一息ついた。
「キィ、ありがとう。死ぬかと思った」
僕がそう言うと、キィは僕の方を見て、Vサインをしながら誇らしそうに微笑んだ。
「当然でしょ。ミィを守るのが、アタシの仕事なんだから」
~あとがき(ネタバレ微含)~
元からファンタジーっぽくない今作ですが、完全にSFになってしまいました。
この章があまりにSFなので、ジャンルを異世界転移とかファンタジーとかにして良いのか今でも迷っていたりします。
筆もめちゃくちゃノッてしまって、初稿ではこの章は2000字程度だったのに、あれよあれよで8倍くらい長くなりました。
ファンタジーなら読むけどSFは読む気にならないって人は多いと思いますが、すみません、もうちょっと付き合ってください。




