番外編:マリアの実験日記
水葵月 明日葉日
朝、目が覚めたら机の上に飾っていた赤いドレスを着た人形の左腕がなくなっていた。監視カメラをつけて、何をしたのか分かるようにしておいて正解だったようだ。実験No.13が持ち出しているのを監視カメラで確認できた。昨日、地下に閉じ込めたことへの嫌がらせだったようだ。この行動からゴーレム族でも一定の感情は持つらしいことが分かる。可哀相や痛いなどの相手を思いやる気持ちはないのも確認できた。人形の腕を返してもらうために部屋に行った時には実験No.13が腕を破壊している真っ最中だった。人形の腕は部屋の床でボロボロになっていて、修復不可能だった。
水葵月 鶯菜日
今日は病気の実験No.22に注射をした結果、泣きやまなくなり実験No.23が食事を摂らなかった。俺が何を言っても無視し続けて、側から離れようとはしなかった。家族愛が強い獣人族だからこその行動のようで、他の種族では滅多に見られることはない。他の種族なら、放置かグループ内から追い出されてしまう。実験No.22が泣き止んだのは一時間後だったが実験No.23はその日、一日何をするにも一緒に着いてくるほど心配し続けていた。今日のことで獣人族は極度の心配や怒りで瞳の色が変わることが分かった。通常時は緑だが、極度の心配や怒りの時は黄色に変わるらしい。今度、実験で確認してみる必要がある。
水葵月 篝火花日
今日は種族の中でも扱いが難しい植物族を観察してみた。まだ、蕾の奴らは普通の植物と何も変わらないが大人になった奴らは、上半分が人間の上半身に似た姿をしている。女の姿に似た奴らはずっと歌を歌っていたが、男の姿をしている奴らは門番のように微動だにしなかった。一日、動かず見続けていたが、特に何も起きなかった。
水葵月 金盞花日
今日も植物族の観察を続ける。この種族は水を与えなかったら一週間で枯れてしまうらしく、そのため水辺の側にいることが多いことが今日再確認できた。花の色は三種類しかないが、葉や根の形に同じ形はないらしい。些細な差だが、よくよく確認していけば同じ形をしている奴らはいない。また乾燥や火に弱いらしく、実験で火を持って近づけてみると叫び声をあげた。危険を感じると叫び声をあげるようだ。その声を聞いた最近王様からもらった人間は死んだ。どうやら、人が死ぬくらい強力な叫び声らしい。
水葵月 草若葉日
人魚の子どもを近くの湖ぽいところで拾った。人に見つかると可哀想だから持ち帰ったが俺の実験室も可哀想かもしれない。まだ、幼いから自分が捨てられたことに気付かず泣き続けている。こんな弱そうな奴は、簡単に食べられてしまう。しばらくは俺が守ってやらないと。
twitterであげたやつに文を書き足したもの。




