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No.021 監視

『監視』


割のいいバイトがあるんだ。


そう友人から紹介されたバイトの職場に辿り着いた。


怪しげなビルで帰ろうかと思ったけど、


友人の面子を潰すわけにもいかず中へ入ることにした。


トレーナーと呼ばれる人との挨拶を済ませると、


九つの画面が備え付けられた異様な個室へと案内された。


この画面を見てサボっている人がいれば報告する。


ただそれだけの仕事らしい。


画面内の人もまた何かの画面を見つめている。


意味不明だけどこれで高時給ならありな仕事かもしれない。


数時間後、右上の画面の人が居眠りしていた。


俺はすぐさまマイクをオンにしてトレーナーに報告した。


すると右上の画面がブラックアウトした。


しばらくするとまた別の人が画面に映し出された。


さっきの人はどうなったのだろうか。


というかこの状況…俺のことも見張られているのだろうか。


サボったら報告される。


そう考えておいた方がよさそうだ。


その日の仕事はそのまま終わり、給料を手渡しされた。


時給換算よりも十万円多い金額だった。


一人報告した報酬と言われた。


次の日、俺はサボってる人がいないか血眼で監視した。


誰もサボらない。


早くサボれ。


どうしたサボらないのか。


真面目な面々に苛ついていると、ある違和感に気づいた。


左下の画面に映ってるの、俺だ。


俺がサボれば報告できるじゃないか。


携帯を触り始め、サボってるアピールをする。


わざとらしくそれに気づいた素振りして、


俺は俺のサボりを報告した。

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