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17歳と神殺し  作者: 彼岸堂
第五章 彼女達へ
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 ――――肉が貫かれる音がした。



 ……これで本当にお仕舞いだ。

 何も果たせないまま、私は死に行く。

 そう覚悟を決めて――


 カオンさんが、()()()()()()()()()()()()()()()、気づいた。


「え?」


 漏れる声。

 私の声。

 崩れる何か。

 因果。

 音。


 カオンさんが、どくりと血を溢れさせ、大きく身体が震え、ぐらりと体勢を崩し――

 思わず私が、地に倒れる寸でのところでそれを受け止める。


 ――――あふれ出す記憶。


 そういえば、()()()()()も――こうして、カオンさんを受け止めた。

 カオンさんの血に、汚れた。


「――――どうして」


 倒れ掛かるカオンさんを抱きしめて問う。


「どうして?」


 もう一度問う。


「どうして……」


 何度でも問う。

 だが、カオンさんは、答えてくれない。

 答えてくれないけれど。

 カオンさんは――――

 約束を、守ってくれたんだ。


「あぁ――――」


 あの人は、本当に私を、私達を、見守ってくれていた。

 ずっと、そして、今も。

 この瞬間も。


「あぁ、あああ、ああああああっ…………」


 抱きしめたその身体に、温もりは、ない。

 それでも、少しでも残るカオンさんを感じ取ろうとして、私はその骸を強く抱きしめていた。



「――――君の勝ちのようだ。クギョウ・アイハ」



 拍手の音が、再び響く。



「君は今、君自身から成る因果を絶った」

「壊すがいい。この世界の要の一つを」

「だが忘れるな。人は必ず求める」

「永遠を、絶えず求め続ける」

「そして、君が一つの運命を呪い、その永遠を壊そうとする限り――」

「君が守った可能性もまた、滅びの渦に飲み込まれていくのだということを――――」



 …………私は、カオンさんに最後の別れを告げた。

 最後の最後まで中途半端な私を助けてくれた最愛の姉に。

 妹を代表して――――精一杯の気持ちを込めて。


 そして――



 ――――私は、この星の全てを敵に回す覚悟で、【刀】を握った。

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