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悪魔優等生と天使ギャル ~不器用と狡猾な二人とSNSジャンキーなボク~  作者: 黒船雷光


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6話:オフラインの決戦場

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 【天宮派信者】@amamiya_guard

 天宮さんのあの執着……マジで本気じゃん。一ノ瀬を引き込めば、生徒会の勝利は確実だぞ!

  みんなで一ノ瀬を説得しよう!

 │

 ├ 【天宮派眼鏡】@study_megane

 │ 会長の意図を汲み、我々も全面的にサポートすべきですね。

 │一ノ瀬氏の獲得が生徒会主導権の鍵です。

 └ 【匿名生徒B】@school_anon2

  一ノ瀬、頼むから生徒会入ってくれー! 会長を勝たせてあげてくれ!


【黒木派男子】@gal_otaku

 サキちゃんのあの情熱見たか!? 一ノ瀬をこっちに引き込めばギャル派の勝ち確定!

 ギャルの威信にかけて一ノ瀬を文化祭実行委に引っ張り込め!

 │

 ├ 【黒木派ギャル】@gal_friend_a

 │ サキちゃんのためなら一ノ瀬を囲い込むの全面協力するしww カフェ大成功させよ!

 └ 【クラスメイトA】@school_anon1

  まさか一ノ瀬が派閥抗争の最大のキーパーソンになるとはな……。


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【天宮莉央】@amamiya_rio [公式]

 ええ、一ノ瀬さんを獲得できれば、生徒会の運営はより盤石になりますわ。

 みなさんの応援、心強いです。

 └ リツイート 22件 / いいね 41件


【黒木サキ】@kuroki_saki

 そうそう! 悠がウチら側に来てくれたら文化祭大成功間違いなしだしね!

  みんなで悠をGETしよー!☆

 └ リプライ 45件 / いいね 42件


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 クラスメイトたちは「ヒロインが本気で一ノ瀬を欲しがっている=相手派閥を潰すための戦略」だと硬く信じ込み、二人のアプローチを背中を押す形で熱烈に応援し始めていた。


 当の二大ヒロイン——天宮莉央と黒木サキは、表向きはそのクラスのノリにうまく乗っかっていた。


 表面上は「派閥の権益」を主張しながら、周囲の期待を隠れ蓑にして堂々とオレに迫ってくる二人。だが、昼休み直前、オレのスマホに同時に届いた個人メッセージがすべての平穏を打ち砕いた。


『少し冷静にお話ししましょうか……三人、オフラインで』

『悠、昼休み屋上ね。逃げたらネットで晒すぞ』(何を?!)


 ——完全に囲まれた。


 ◇


 昼休みの屋上。秋風が吹き抜けるフェンス際で、オレは絶体絶命の窮地に立たされていた。

「さて、一ノ瀬さん。ネット上では騒がしいですが……ここでは邪魔者はおりませんわ」

「つかさ、派閥とかマジでどうでもいいんだよね。あたしが欲しいのは悠だけだし」


 二人ともクラスの前では「派閥のため」と言い張っていたくせに、二人きり(正確には三人)になった途端、その本音を隠しようともしない。


 だが、ここには「最大のライバル」が互いに目の前にいる。


 そのため、二人とも自分の本音を百パーセント出し切ることもできず、結果として——ライバルを制圧するためのギリギリの誘惑合戦へと発展していた。


「生徒会室に来ていただければ、誰にも邪魔されない個室で……私の『裏の顔』をあなただけにたっぷりと見せて差し上げますわ。……私に掴まれた手首、嫌じゃなかったでしょう?」


 天宮さんが優雅な動作で距離を詰め、オレの耳元で甘く囁く。完璧な優等生の香水の匂いが脳を麻痺させにかかってくる。


「ハァ!? 天宮さんズルいんだけど! 悠、あんなドS女のところ行ったら絞り尽くされるよ!? あたしのところ来なよ、毎日放課後一緒にジュース飲んで、膝枕だってしてあげるし……和洋折衷メイド服の試着だって、悠にだけ一番に見せてあげるんだから!」


 サキが対抗するようにオレの反対側の腕をギュッと抱きしめてくる。柔らかい感触とギャル特有の甘いフレーバーがダイレクトに伝わってきて頭が弾けそうだ。


(待て待て待て!! ネットリテラシーもリアルリテラシーもどこ行ったんだよこの二人!!??)


 ネット上での狡猾な情報戦ならいくらでも立ち回れる自信があった。だが、目の前で繰り広げられる二大ヒロインからのダイレクトな物理的・心理的アタックに対し、オレの童貞脳のリアルリテラシーは完全に暴走・機能停止を起こしていた。


 どっちの手を取っても、もう片方から社会的に殺される。いや、物理的にも持たない。

ネット検索で正解を導くことも出来ない。俺は必死にこの場を収めるセリフを脳内過去検索含めて必死に生成していた。


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