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世紀末な後始末  作者: 柊隼凌
第1章 赤の巫女
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6/29

#6 秘めた力

ようやく物語の下ごしらえ?が整いだしました。

より細かく書いていくのがいいのか、シンプルに纏めて読みやすくした方がいいのか、、日々葛藤!

ガラガラガラ


引き戸の開く音がする。どうやら翁が帰ってきた様だ。

『待たせたのぉ』

『お帰りなさい、遅かったですね』

『ちと本殿にも寄っておってな。あち、お茶を貰えるかの?』

小さく頷き、お茶をいれに行く。


俺とあちが隣に並び座り、向いに翁が座る。最近の定位置はこうなっていた。

『さてと、、リュウト、身体の調子どうじゃ?』

『はい、すっかり落ち着きました』

『ふむ、何か身体がソワソワしてたり、何かを欲していたり、何処かに向かいたくなるような衝動はあったりするかの?』

『??、んー、、これと言って特には、無いですよ?』

『そうか。。』


暫しの沈黙


『先程お前が受けた身体の不調、立ちくらみからの身体に何かが走る感じと申しておったよな?あれはワシらの経験したものと同じじゃ』

『??』


会話を遮るように遠くの方から音がする。

ババババババ


『ん?』

『ほぉ、そう言えば忘れておった。そんな時期か』


音は次第に大きくなっていく。

バタバタバタバタバタバタバタバタ


俺はこの音を知っている!

ヘリだっ!!


俺は急いで家から飛び出て空を見上げる!

紛れもなくヘリコプターだ!!


『ヘリです!!ヘリが来てますよ!!!!』


サイズも大型のヘリ、色からして軍事ヘリに間違いない!久しぶりに見る元の世界の文明の機器!!興奮が止まらない!!


ヘリが集落の外れの河川敷の方に降りていった。

気づけば翁とあちも隣に立っていた。


『すっかり忘れておったがあのヘリは軍で管理している巡回補給用のヘリでな。不定期ではあるがふた月に1度位のペースでこの集落にも来てくれてるのじゃ』


手の空いている皆は河川敷へと向かっていく

中には荷馬車を引いている者もいた。


ヘリのに周りに乗務員が降りていた。男性2人と女性1人。3人とも軍服を着ていた。


『皆さんお久しぶりですー!僅かながらもまた支給品のお届けに参りました!』

男性の1人がこちらへ呼びかける。


集落の皆とはもう顔なじみなのだろう。挨拶じみた会話もないし業務的ではなくフレンドリーな雰囲気の接し方だ。


ヘリから次々と荷が降ろされ河川敷に広げられていく。なんかちょっとしたフリマみたい。

あちを連れて広げられた荷物を見に行く。

塩や反物、手作りのお菓子のような物もある。あとは包丁やハサミなどの金物であったり、野菜栽培目的での種や球根なども用意されていた。中には大人が重そうに運ぶ箱に入った商品もいくつか見受けられた。


翁や笹岡さんを含めた集落の顔役の面々は女性隊員の周りに集められていた。何の会話をしているのか気になってはいたが、今の俺の容姿は子供だ。さすがに混ざりに行くのは空気が読めないやつになる。


あちは反物とクッキーを嬉しそうに風呂敷に纏めていた。菓子など子供向けの品はその場で子供たちに渡されていた。反物は前回来た時にあちがリクエストを出してた商品なのだと教えてくれた。


2時間ほどで荷の受取が終わり、集落からも山で採れた物や農家班が栽培した米、麦などを返礼品として渡していた。この集落の神社の周辺には米や麦の田畑が広がっていて昔からの特産品となっていたらしい。


帰りに3人がヘリに乗り込む際に『必ず成功させましょう。そしてまた必ず生きて再会を!』と女性隊員が見送りしてる俺たちに伝え、そしてヘリはまた空を南に向けて飛んで行った。


集落のみんなは荷を分配する作業に取り掛かる。それぞれの家屋分に分配が終わり残りを備蓄倉庫に丁寧に保存する作業を手分けして行っていた。


『では雪舟さんまた夕刻に社務所で』

笹岡さんが翁に声を掛け帰っていく

『ではワシらも帰って話の続きをしよう。それとさっき軍から聞いた話を2人にも伝えておきたいしな』

3人は荷物を抱え1度帰宅した。


『さてさて』

テーブルには既にお茶と先程ゲットした菓子とミカンが中央に置かれていた。

『熱っ』(あ、ごめん、、気まずそうにあちを見る俺)

大丈夫!と言うようにあちは首を横に振りながらクスッと苦笑い。


『どこまで話したかの?あ、そうそう身体の異変を感じた話からじゃったの。ワシらが新しい特技に似た何かを得る時、軽い目眩や身体に何かが走る衝撃を感じその後は身体が何かを求め出すというのがワシらの共通認識じゃ、ワシは錫杖を濁った時、あちは御社殿の片付けをしていて衣類の整理をしていた時じゃった』

『ワシはその後にすぐ錫杖を振りたくなったり構えてみたり、あちは不要になった衣類にハサミを入れたり物置から針や糸を無我夢中で探したり』

『何か身体を突き動かすというか、無性にその行為行動に駆られる、そんな体験を皆しておる』

『俺にはその衝動ってのは起きてません、ね。』

『うむ、ただその前兆はあった。きっかけは祠を見て山小屋を思い出した時、、』

『りゅうとよ、お主は白髪以外での身体の変化は何か知っておるか?』

『あ、えと、、白髪以外には、、実は俺は元々30手前の年齢だったんです。あの大停電のあとに、、んー、、恐らく臨死体験?もしくは死んだのかも知れなくて、、で、気付いたら山小屋に居て、俺の身体そのものが小さくなった訳でもなく幼児化をしてしまってて』

『なんと、お主は生き返りと若返りをしとるのか!?ワシらと根本的に色々と事情が異なるみたいじゃな、、』

『そうですね、そうなりますね。。』

『それと、お主は気づいておらんようじゃが、、目の色、日本人の黒目の部分、お主は赤目となっておる』

『!?!!そうなんですか?それは知らなかったです、、』

『神楽殿の鏡は無事じゃったよな?』

翁があちに問う。

あちは静かに頷き

『うん、毎日舞の練習の時に使ってる』

『あとで実際に見てみると良い』

『はい!そうします!』


『うちの神社は代々ニ柱の主神様を祀っておっての』


1度では覚えられないなんたらのみこと?長い名前の神様の話や御利益は『足』の神様として祀られてる説明をしてくれた。


『まぁ平たく言えばうちは天狗様を祀る神社なのじゃよ』

『確かに本殿や拝殿の清掃の時に天狗の描かれた絵や天狗の面や石像が祀られてるなぁとは思ってました!』

『元々この地にあの祠がありそれを祀っていく間に神社が立ち境内を作っていったと伝えられておる。天狗様の描かれた絵をちゃんと覚えておるか?』

『え、と、、なんとなく』

軽いため息を翁がつく

『あの絵に描かれている天狗様は白髪の赤目じゃよ』

『!?!!ってことは、、?』

『んー、まだ分からぬ。ただ、、姿の共通点や祠を見ての反応、、あと其方のいた山小屋は天狗山の中での事じゃしな。恐らく、ほぼ間違いなく天狗様に関わる何か、、じゃろうな』

『だが、、実際に何かの衝動が起きるまではわからん。そこでじゃ』

『ん?』

『これは今本殿から拝借してきたうちの神社に古来より伝わる宝物でな』

『天狗様が使ってたとされる錫杖じゃ』

翁が持ってきた木箱の中に丁寧に包装された古びた錫杖が入っていた。

『リュト、この錫杖に触れてみてくれ』

俺は恐る恐る錫杖に手を伸ばし指先で軽く触れ、翁の目を見たあと少し握ってみた。

『どうじゃ?何か感じるか?』

『…。何も、、』

ふたりで小さく肩を落とす。

『もしやと思って奥から引っ張り出して来てみたが、ワシの思い過ごしかも知れん。一旦また様子見じゃな』

『そうですね』『うん』

俺とあちはお互い見合って頷いた。


『それと先程の支給隊からの話じゃが。実はは生活物資の他に渡された物もあっての』

『日本軍、自衛隊は健存しているんですか!?』

『いや、首都圏を始めとして日本の主な軍事基地は壊滅しとるらしい。僅かに残った小規模基地にて生き残った隊員と先程のヘリのような軍用機や軍事施設を私兵団として機能させてくれている。備蓄してある燃料が尽き次第、ヘリなどは使えなくなる予定との事じゃ』

『な、なるほど、、』


軍の存在を知り希望を抱いて見たものの、逼迫した状況には変わり無さそうな現実にため息をつく。


『軍からはこの近隣の生存者の居住区マップと小型の発電機、照明機器、太陽発電蓄電池、ラジオなどが支給された。ラジオについては軍の方で発信局の復旧作業が成功すれば運用可能になりそうとの事じゃ』

『電気のある生活に戻れるかも知れませんね!!通信手段とかも!!元の文明社会との繋がりが残ってるの、、嬉しいですね』


翁とあちはうんうんと同意してくれた。


『それでこの後、夕刻に境内の社務所に顔役が集まり、臨時集会を行う予定じゃ。居住区マップを活用し、お互いの行動範囲を広げるために危険区域での交通手段を整えるための会議になる』

『いまでもワシらのみで隣接した居住区への往来は不可能では無かったが危険が伴うし大量の荷物の運搬は出来ておらぬ。その交通手段への足がかりとなる調査検証がワシらに依頼されたのじゃ』

『細かい話はここでは割愛するでの。会議のワシらが決めた事を分かりやすくまとめて皆や2人にも教えるのでそれまではゆっくり過ごしていてくれ』


夕刻までの間、あちは自室にて手に入れた反物を広げたり、作りたい衣服のデザイン書きなどを楽しそうにしていた。俺は天狗の絵や石像を見に本殿に向かった。


(確かにこの天狗の絵、白髪に赤目だ。特に鼻は長くは無い。背中には羽根があり右手に錫杖、左手には、団扇?を持っている。山伏のような衣服を着ていて子供の頃から知っている天狗のイメージと大体同じだ)


天狗の石像は何体かあり、剣を持つ像、羽根はあったり無かったり、両手で錫杖のみを構えてたり、鼻の長いコテコテのデザインの物もあった。


『ワンッ』

『わっ、!』

『何だ、ペとか!びっくりさせやがって!』

豆柴のぺとが拝殿の入口まで来てこっちを見ている。

(何か咥えてる?)

『どうしたー?ぺと?何を持ってきたんだい?』

そう言って俺はぺとの口から異物を受け取る。

(握った感覚、衣類かな?小さい、ハンカチか何かだろうか?)

ぺとが咥えて丸まっていたそれを俺は広げる。


『こ、これは、、』


パンツだ!紛れもなくパンツ、、。


『ちょ、、、、ぺとこれ、どっから持ってきた!?まさか、、、』


慌てて俺はぺとを抱き抱え家に走るっ!


『ちょっとあち、いいかー?入るぞ?』

『ん?リュト?おかえりー、どーしたの?』

『あ、ははははは、えとね、さっき本殿に居たらぺとが来てさ』

『ん?あー、どーりで静かだと思ったぁ』

『で、でね。これ、、』


あちから目線を外し右手をあちに差し出す。


『ん?、、、、、、ギャッ!!?!?』


変な声を出しながらあちは俺の右手から急いでパンツを奪い取る!


『なんか、ごめん』

『んーん、悪いのはぺとだもん!この子前からよく私の、、』

『そ、そっか、、ぺとってオスだしな、』


そう言い残して俺は部屋から出る。何か気まずかったのだ。

(まさかの常習犯だったとは、、)

恥ずかしさで顔を赤くしていたあちはとても可愛かった。いや、恋愛目線ではないよ!!ほんとに!!


そろそろ会議の始まる時間か。

今日の風呂炊き当番は俺だ。少し早いけど2人の入浴終わらせといて翁にゆっくり浸かってもらおう。


ドラム缶の下に薪を敷いて火をつける。火種が薪に移ったら竹で作った火吹きふいごを使い空気を送る。

『ふーーーーーーーーーっ』

静かに深く息を吐いた。

ゴオオオオオオオオ!!!!

『うわぁ!!!』

俺は思わず尻餅をついた。叫び声を聞いたあちが駆けつける。

『りゅ、と??』

あちは思わず口を手で塞ぐ。

ドラム缶の下に敷いていた薪は前方に吹き飛び、ドラム缶は倒れ転がっている。さらに10m程の先まで地面に焦げた跡が伸びている。


『風呂を炊こうとしたら火が、、暴発?!いや、、多分俺が、、、これが、俺の力!?』


薪に火をつけた時も身体に異変は無かった。けど火に向かい息を吹きかけたら俺の口元から火炎放射のような火柱が前方に伸びていったのである。幸いにも火が走った先には火種になるようなものはなく火そのものはほぼ消火していた。


『ふぅぅぅーーー!!!』


その場で強く息を吐く。

が、火は出てこない。


『りゅと、お風呂が、、』

『ま、まずいな、、』

『りゅと!怪我は無い!?大丈夫??』

あちはお風呂の心配のあとに俺の心配をしてくれた。


『ん?あぁ、俺は無キズだよ!けど翁とあちが作った風呂場が、、ごめん、、』

『それは大丈夫!竹の囲いはすぐ作り直せるし、ドラム缶も少し変形してるけど問題はなさそうだし』

『一体何が起こったの??』

『風呂を沸かそうとして薪につけた火種に火吹き棒で息を吹き込んだらさ、目の前に火柱が走っていって、、』

『これがりゅとの能力ちから、、?』

『まだよく分からないけど、息を吐くだけでは火は出なそう。暴発でもしたら大変だし翁が戻ってきたら報告して検証してみるよ』

『うん、わかった』


俺とあちはドラム缶を起こし、半壊した竹の囲いにシーツを被せ簡易パーテーションを作った。

火起こしはあちに代わってもらい、交代でお風呂を済ませる事にした。


湯に浸かりながら身体に異変が起きてないか目視したり空に向かって息を吐いたりもしてみた。


『天狗というよりドラゴンだったり、、?』

検証したい気持ちに興奮しつつ、俺とあちは翁の帰りを待っていた。

#6にしてようやく書き終わってからの読み直し、書き足しや書き換えなどもするようになりました。。笑


少しでも読みやすい文章になるように、日々改善努力して行きたいと思います。読んでくれてる皆様本当にありがとうございます!!

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