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一人暮らしにつきものの憑き物  作者: ぴよ
第三部 友人宅と憑き物

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28/30

友人宅は閑静な部屋?

あれ以来、佐伯と水上は互いに部屋を行き来する仲だ。


「いらっしゃい、先輩」

「おかえり、早苗ちゃん」


どちらの部屋でどちらを迎えるときも、二人はお互いを歓迎する。

それで良い。何も問題ない。


だが、相変わらず水上の部屋は静かなままだった。


ーー


水上の部屋。今日も佐伯が遊びに来ている。


これからも協力してプレイしたい。新しいゲームが出たら一緒に遊びたい。そのためにも、水上宅のゲーム環境の充実は必須である。作業を買って出た佐伯はやる気満々。


「チャットも出来たし、音響もOK!これでいつでも一緒に遊べるね!」


「先輩、ありがとうございます。これなら週末を待たずにステージクリアも出来そうですね」


そのまま二人はゲームに突入。夢中になって遊んでいる頃、すねこすりはちょっと退屈していた。


ーー


(早苗ちゃんち、誰もいない)


もう、部屋は隅々までチェック済み。キッチンも梁も黙っている。


しかし、それでも、部屋は整っている。洗濯物は片付いているし、キッチンには洗い残しの皿など一枚もない。佐伯とは違って、早苗は生活力も高めであるらしい。

(早苗ちゃんは立派!)


座敷童子に言ったら不満を漏らすかもしれないが、なんだかちょっと嬉しいすねこすり。


でも、つまらないのは結局同じ。


ウロウロと部屋をさまよっているうち、たまたま面白そうなものを見つけた。


見覚えのあるこけし。


(あ、お土産だ)


二人が温泉から持ち帰って来たのを覚えている。木彫りのなんだかブサイクなヤツ。でも、佐伯は何やらとても大事にしていた。それが、今は水上の部屋にある。


ちょっとだけ、イタズラ心が疼く。


ーー


(ただの置き物なのかな?)


少しだけちょっかい。


(スリスリ)(……)


(スリスリ)(……ッ)


すねこすり(ん?)


ちょっと、反応があった?


(スリスリスリス〜リ)(……)


勘違いか……

(やっぱり、ただのこけしだよね)


いっそのこと倒してみようか?

体勢を整えるすねこすり。


そのとき、微かな声が聞こえた。


(……ャメテョ)


すねこすり

(んん?)


すねこすりは少し慎重になる。


(くんくんくん)


こけしをよく調べてみる。特におかしなところはない。


そんなところで


「早苗ちゃん!今日は帰るね!明日は夕飯のあとでログインだからね!」


「先輩ありがとうございました。また明日」


ーー


残念、今日はここまで。

仕方ない。でも、これは"白沢様に報告したほうがいい"のかな?

すねこすりは、ちゃんと考えた。


でも、帰り際に水上が足元に微笑んでくれたせいか、佐伯が嬉しそうだったせいか、


(楽しかったね!)


無邪気に舞い上がったフワフワは、帰り道ですっかりそのことを忘れてしまったのだった。

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