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爆笑三姉妹〜陽翔・結音誕生から、燈真・灯乃、彩羽・悠翔誕生まで  作者: リンダ


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68/142

プロミュージシャン?結音と陽翔のチャルメラ

光子と優子は、いつもの柔らかな笑みを少しだけ引き締め、

譜面ノートを見つめていた春介と春海に、静かに向き直った。



光子(真剣な声で)「……ただし、ひとつだけ約束して。」

その言葉に、春介と春海は背筋を伸ばす。


優子「音楽っちゅうのはね、人に“ワクワク”とか“感動”とか“楽しさ”を伝えるもんやけん。

 どんな時も、聴いた人がちょっとでも笑顔になれるように――それを忘れちゃいかんよ。」


光子は少し間をおいて、静かに続ける。

「絶対にね、人を傷つけるような言葉や、差別的な表現は使わないこと。

 それと、自分を蔑むような表現も、しないこと。

 それは“自分の音を信じてない”ってことになるけんね。」


春海が小さくうなずいた。

「……人を笑わせるのと、笑いものにするのは違うってことやね。」


優子「そうそう! “真剣にふざける”っちゅうのが、うちらのポリシーやけん。」

光子「ふざけることも、ギャグも、全部“優しさの延長線”でやるんよ。」


春介が、少し考え込むように言う。

「音楽って……そう考えたら、めっちゃ責任あるんやな。」

光子「そう。でもね、“責任”って言葉は怖がらんでいいよ。

 誰かを笑顔にしたり、ちょっと前を向かせる――それができるのは、音を持つ人の特権やけん。」


優子が、春海の頭をぽん、と軽くたたく。

「音楽は、心のごはん。

 愛情とユーモアをちゃんと入れたら、みんなお腹いっぱい幸せになるけぇ。」



二人の言葉を聞いた春介と春海は、顔を見合わせ、真剣にうなずいた。

「うん。俺たち、ちゃんと“笑顔になる音”を作る。」

「聴いた人が、ちょっとでも優しい気持ちになれるように。」


光子と優子は、同時に微笑んだ。

「それでこそ、うちらの家族やね。」


窓の外では、夕焼けがゆっくりとオレンジ色に染まり、

まるでその約束を祝福するかのように、音楽室を温かく包んでいた。





朝の庭。赤いアサガオが縁側の影をまたぐみたいに、ぐんと空へ。

春介はチューバのマウスピースだけ手に、春海はスティックを指で転がしながら、同じ花を見上げた。


「この“くるっ”てツルが伸びる瞬間、音にしたい」

「わかった。上に吸い上がる感じ——半音ずつ、でも最後は光る和音で」


縁側の小テーブルに譜面。鉛筆が踊る。

まずはメロディ。春介が鼻歌で「タラ…ララ〜♪」と上へ上へ、春海が机面を指で「トン、トトン」と風の拍を置いていく。


一週間後・仮タイトル「赤いアサガオ」

•テンポ:♩=92(朝の涼しさ→昼に向けて少しだけ速くなる)

•キー:G→A(途中で半音上行モジュレーション=“伸びる”感)

•モチーフ:3音の上昇ツル+2拍の揺れ(風)


冒頭(ハミング案)

「ラ・ラララ〜(3度→4度→5度)」

春海がウッドブロックで「トン……トトン」。

風が葉を揺らす“間”を残す。


サビ(歌詞・試作)

赤い朝顔 空へ手をのばす

ひかり、ほどけて 頬に夏が落ちる

まだ小さな夢でも つるは迷わない

ぼくらの胸にも 同じ風がいる


Bメロ(歌詞・試作)

くるり輪を描く 影が笑って

眠気のにおいも 青く染まった

だれかの「がんばれ」じゃなくていい

ぼくらのリズムで 伸びていこう



お披露目・家リビング


編成:

•春介:チューバ(低音で“土”)

•春海:ドラム(ブラシ→最後だけスティック)

•美香:トランペット(朝日のきらめき)

•アキラ:テナーサックス(風の流線)

•光子:トロンボーン(ツルの“伸び”)

•優子:ユーフォ(葉の厚み/ハーモニー)


1コーラス終わる。沈黙、からの拍手。

美香、目尻をぬぐいながら笑う。「荒いとこ、ある。でも——まっすぐで、ずるいくらい気持ちいい」

アキラが親指を立てる。「Bメロの“間”が効いとる。あそこ、もう半小節“吸って”からサビ入れてみ?」

優子「サビ頭、“ラ↑”を思いきって半音上げて。朝日がぱぁっと差す感じが出るけえ」

光子「あと、最後のサビで2度転調や。A→B♭、チューバは歩幅広げて“どん”と支えて」


春介と春海、顔を見合わせて同時にうなずく。

「——うちらの“風”、ちゃんと入っとるかな」

「入っとる。しかも赤い。」


その夜・簡易デモ録り


iPadで一発録音。タイトルを**「赤いアサガオ」**に決定。

アップ前に家族内共有。陽翔と結音が“揺れ拍”に合わせて体をフリフリ。燈真と灯乃はスヤ…(子守歌効果まで発揮)。


美鈴(音声メッセ)「よかねぇ。朝の匂いがする。サビ、もう一段だけ明るくしたら完璧たい」

優馬「タイトル勝ち。ジャケは縁側+赤い花な」


仕上げメモ(光子&優子から)

•ブラシは“シュッ・サラッ”で拍裏を撫でる(風の透明感)。

•チューバは“タ・ウー(短く→ふくよか)”の呼吸で土台に躍動。

•終止はsus4→3で“ほどける光”を描写。

•2番サビ前に一拍の無音。夏の朝の“吸い込む瞬間”を置く。


再テイク。終わった瞬間、みんなの口から同時に出たのは一言。

「——咲いたね。」





「赤いアサガオ」—つづき


翌朝。

春介は譜面台の前で腕を組み、春海はメトロノームを指でカチカチ。

光子が鉛筆を耳に挟んで言う。


「よし、博多南中・吹部版に編曲しよ。中低音は“土”、木管は“風”、金管は“ひかり”。」


優子がホワイトボードに配分を書く。

•Fl./Ob.:朝の“揺れ”モチーフ

•Cl.:Bメロのからみ(ハモりでツルを編む)

•A.Sax:陽だまりのライン(グリッサンドは控えめ)

•T.Sax/B.Sax:風の“うねり”

•Tp.:朝日のきらめき(高音は無理せず)

•Hr.:葉の厚み(裏拍で支える)

•Tb./Euph.:ツルの伸び

•Tuba:堂々“土”

•Perc.:ブラシ⇒スティック(最後だけ、そっと)


春海が手を挙げる。「先生質問、最後のサビ、スプラッシュいれても?」

優子「“しぶき”は1回だけ。ジャーンじゃなくてちょん。朝露やけえ」



校内リハ

部室に「赤いアサガオ〈吹部版〉」のパート譜が配られる。

部長・井手口奈央が拍を数える。「ワン、ツー…」


——出だしから、クラが息を吸いすぎて“朝じゃなくて台風”みたいな音量。

春介が小声で「赤いアサガオじゃなくて“真っ赤な夕立”」とボソッ。

どっと笑いがこぼれ、奈央が肩を震わせながら「……もっかい!」


二度目。

今度は優しく始まり、BメロでA.Sax・由衣が、ふっと色気のあるスラーを入れる。

春海がブラシでシュッ・サラッ。

サビ手前——一拍の無音。

体育館の風が、窓の隙間を通る音だけが聞こえた。


「——サビ!」

トランペットのきらめき。ユーフォの包容力。

トロンボーンがぐいっとツルを伸ばして、チューバのどんが大地を固める。


終止。

sus4→3がほどける。

誰かの胃がぐぅと鳴った(お昼前)。


顧問・高倉先生が笑う。「お腹も鳴るほど良かった。……でも、サビ頭、もう一声“朝日”欲しいね」

光子が即興でハイトランペットの対旋律を口で歌う。「パ・パーン(5度跳躍)で“ひかり”を足す」

美香がトランペットを受け取り、「こう?(ぱぁ)」

部員「わぁ……朝が差した!」



中庭ミニライブ

放課後の中庭。風鈴がちりん。

「本日ゲリラ演奏、**『赤いアサガオ』**いきます!」


1コーラス終わり、教頭が窓から顔を出す(厳しい顔)。

……と思ったら、スマホを横向きにして撮っている。

最後のサビ、A→B♭に転調。

チューバのどんに合わせて、観ていた1年生たちが自然に体を揺らす。

終わった瞬間、拍手の渦。

**「咲いたー!」**と誰かが叫ぶ(春海のクラスメイト・真帆)。



夜・家スタジオ(簡易配信版レコーディング)

ミックス担当・アキラがヘッドホンを首にかけたまま親指を立てる。

「90%、出来とる。残り10%は……“朝露の粒”やな」

優子「ブラスの“息の白さ”足そ。アタック前のスゥを録っとく」

春介「低音もタ・ウー意識で丸くする」

春海「最後だけスティック。スプラッシュは“ちょん”の1回!」


録り終え。

縁側から、風鈴と夜の虫。

再生ボタン——。


陽翔が画面の波形に合わせて頭を左右にふり、

結音が真似して“ちょん”で手を上げる。

燈真と灯乃は、曲の半ばで吸い込まれるように眠り、

光子が笑う。「子守歌の称号も授与やね」



アップ&反響

動画タイトル:「赤いアサガオ(School Yard Live)」

#朝の匂いがする #博多南中吹部 #赤いアサガオ #ファイブシード発芽


コメント抜粋

•「Bメロ前の無音で涙出た。朝の窓開けたみたい」(主婦・39)

•「低音が“土”すぎて家庭菜園したくなる」(中2/バスケ部)

•「転調で日が差す!音で天気が変わる曲スゴ」(サックス講師)

•「うちの園でも流したい。お昼寝導入曲に良すぎ」(保育士)


再生数がスルスル伸びて、地域FMから「今週の庭うた」に選出。

DJコメント「朝、コーヒーが先か、この曲が先か迷いました」



ファミリー講評会(夜食=冷やしうどん)

美鈴「サビ前の“間”、罪。泣ける」

優馬「タイトル勝ち。……ジャケ、誰か描ける人—」

ひより(東京支部・音楽教師、ビデオ通話)「校内合唱の教材にしたい。パート譜、ちょい手直しして送って」

祥子(女性部・中長距離)「朝ランの最後に聴くと、もう一歩伸びる。モジュレーションで心拍上がるのよ」

ももちゃん(江津・ビーグル、※字幕):ワン!(=散歩BGMに最適)


春海が照れ笑い。「……よし。二曲目いこ。」

春介が手を挙げる。「『夕方の打ち水』とかどう? ちゃぽん→風でリズム作って」

光子「賛成。朝が咲いたら、暮れも涼しくせんと」

優子「タイトル、仮で**『打ち水マンボ』**」

美香「それマンボ入った瞬間、春介が“うにゃマンボー”ってボケるやろ」

春介「もう言ったのに!」


どっと笑い。

縁側の風鈴が、ちりん。

赤いアサガオは、月明かりの下でも、細いツルをさらに一段、空へ。


——“朝の曲”が生まれた夜、次の風の設計図が、もう机に広がっていた。




——この一本の“朝”が、二人の“はじまり”になった。


地域FMのオンエア後すぐ、学校宛にメールが届く。

「駅前サマーフェスタのオープニング演奏(有償)、お願いできませんか?」

春介と春海は顔を見合わせ、同時に小さくガッツポーズ。

光子がにやり。「これが“プロの一歩目”やね。契約書、まずは読むところからや」

優子はチェックリストを差し出す。

「①ギャラ条件 ②著作権表記 ③動画UPの範囲 ④安全対策 ——大事な順に、笑いより先に」


最初の現場

•会場:駅前特設ステージ(朝市の横、風鈴が揺れる)

•編成:ミニ吹(春介Tb/→Tuba持ち替え、春海Dr/Per、光子Tb、優子Euph、美香Tp、アキラB.Sax)

•セットリスト:

1.赤いアサガオ(Festival ver.)

2.うにゃマンボー(ショート)

3.ルパン’ジャズ(アンコール)


音出し一発目、低音が地面を固め、朝のざわめきが音楽へ合流する。

サビ手前の無音で、屋台のおじちゃんが手を止めた。

—そして、拍手。財布の奥から取り出された、最初の正式なギャラ封筒。

受け取る手がわずかに震える。春海が深呼吸して言う。

「ありがとうございます。次も、朝を咲かせます。」


“プロの約束”(ふたりのメモ)

•だれかの朝を少しだけ明るくする音を出す

•差別・嘲笑ゼロ、真剣にふざけるのはOK

•練習を笑いでごまかさない(でも笑って続ける)

•家族と学業を優先し、嘘のないスケジュールにする

•契約書は笑う前に読む(by 優子)


夜、封筒を食卓に置くと、家族の拍手が包む。

光子が静かに言う。「ようこそ。音で生きる世界へ」

優子が続ける。「でもここは笑ってないと迷子になる世界やけん。うちらがずっと横におる」


縁側では、赤いアサガオがもう一段だけ高く伸びた。

二人は次のタイトルを書き込む——『打ち水マンボ』。

プロへの二歩目は、もう始まっている。



玄関を開けた瞬間——


青柳家では、ちいさな豆腐屋さんが行進中。

陽翔はるとがおもちゃラッパをぷーっと鳴らしながら、腰をちょい反らせて「とーふ〜♪」と伸ばす。音はドレの往復、テンポ♩=96くらいでビタッとキープ。

光子「ちょ、待って。リズム、合っとるやん…!誰が教えたと!?」

陽翔「とーふ〜♪ しんせん〜♪」

ぷぷっ、とキメのスタッカートまで入れてくるもんだから、光子は腹筋崩壊。「うちの低音隊、将来有望すぎん?」


一方の柳川家——こちらは屋台の音色。

結音ゆのんがラッパを高めに構えて「チャ〜ルメ〜ラ〜♪」を原曲調で正確に三度上へ。

優子「え、転調までしてきた⁉︎」

結音「いらっしゃいませ〜♪」

拍の“裏”で小さく足をトン。完全にリズム刻んでる。優子は思わずスマホを構え、「本日の看板娘、完璧すぎる」


そこからは二家族リモート合流。

光子「はると、そっちのラーメン屋さんに出前お願いできる?」

陽翔「できゅ〜!」(ぷー♪)

優子「ゆのん、お豆腐何丁にする?」

結音「いっぱい!」(ちゃ〜るめ〜ら〜♪)


録れた動画はそのまま爆笑通信・ミニ配信へ。

コメント欄が秒で溢れる。

「リズム感、親より仕上がってない?(誉め言葉)」

「チャルメラの♯、正しい……天才現る」

「豆腐×ラーメンの異色セッションで腹減った」


夜、片付けのあと。

光子「音、拾う耳ができとるね。拍の頭も分かっとる」

優子「うん。“真剣にふざける”を、もうやっとる。……うちらの子やね」

二人で顔を見合わせて、ふふっと笑う。

小さなラッパがソファの上で静かに光っていた。





動画が投稿されるや否や、SNSのタイムラインは“陽翔&結音ラッパ兄妹”一色になった。

タイトルは光子のセンスで――

「豆腐屋とチャルメラ、奇跡の二重奏」



SNSでの反響


#爆笑通信キッズ #ラッパ兄妹 #音感モンスター #チャルメラvs豆腐屋


再生数はわずか30分で10万回を突破。

コメント欄は笑いと称賛の嵐。


「絶対親の遺伝子、音楽的DNAやん」

「リズム正確すぎて吹いた、いやマジで吹いた(ラッパだけに)」

「豆腐屋のテーマで涙出るの初めて」

「音感の民の末裔」「将来は“ちびピーチ★”確定」

「チャルメラがドビュッシーに聞こえるのなんで」


中にはプロミュージシャンや音楽講師からのコメントも。


「3歳でこのピッチ感、絶対音感+拍感両方持ってる」

「吹奏楽界に新しい風来たかも」

「うちの生徒にも見せたい。“遊びから音楽へ”の見本だね」



各支部の反応


爆笑通信・博多女性部:

古賀真理子「うちの洗濯物干しながら見よったけど、笑いすぎて洗濯バサミ飛んだ」

高山由紀「これPTAでも流そ!教育的指導の鑑よ!」

森本さやか「チャルメラのとこで犬まで遠吠えしよった(笑)」

中原志穂「豆腐屋のテンポ♩=96ってどこで覚えたのよ…」


東京支部・篠崎店長&ひより先生:

篠崎店長「ミライマートでも流します!“お買い得チャルメラDay”!」

ひより「これ教材にしたい。“リズム感の芽”の実例すぎる!」


江津支部・春野家:

楓ちゃん「ももちゃんもラッパほしい〜!」

和人パパ「こっちの商店街にも来てほしいくらいやな」

裕美ママ「笑って癒やされた。やっぱり小倉家はすごい」



そして本人たちの反応


光子「うちの子ら、もうステージ立てるんやない?」

優子「うちの結音、チャルメラで食っていけるで」

翼「ラーメン屋コラボ来たらどうする?」

拓実「“チャルメラ・オブ・ゴールド”とか作曲してええ?」



投稿から3日後、視聴数300万回突破。

ラッパ玩具のメーカーが公式アカウントで反応。


「弊社製ラッパ、まさかのプロ音感に使われました」


それに光子がリポスト。


「正式に“プロラッパー”認定やね」


優子も便乗。


「次は“チャルメラ協奏曲”作るけぇ!」


コメント欄、再び炎上寸前の盛り上がり。

音楽と笑いと愛情が、SNSの中でめくるめく連鎖していく。

——小さなラッパの音が、世界中に笑顔を届ける最初のファンファーレになった。


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