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爆笑三姉妹〜陽翔・結音誕生から、燈真・灯乃、彩羽・悠翔誕生まで  作者: リンダ


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2047年年まつ

――2047年、梅雨の明けぬ東京。


静まり返った国会前に、報道各社の中継車がずらりと並んでいた。

ファイブピーチ★が名誉を回復した直後、事件は新たな局面を迎えていた。

詐欺宗教の残党は壊滅した――しかし、その資金の流れをたどるうちに、

政治家・財界・メディアへと続く“金と影のライン”が浮かび上がった。



1|暴かれた「献金リスト」


警察庁の特別捜査本部が公開した文書には、

「教団系シンクタンク」からの匿名献金のリストが記されていた。

そこには、国会議員十数名、複数の上場企業の役員の名が――。


ニュース速報が全国を駆け抜け、SNSには怒号が飛び交った。

「信仰の自由」と「政治の透明性」が、激しく衝突する。


夜のニュース番組でコメンテーターが言った。


「これは、ファイブピーチ★の事件をきっかけに始まった“浄化の連鎖”です。」



2|記者会見 ― 政治の中枢で


都内のホテル。照明を落としたホールに、フラッシュが一斉に焚かれた。


マイクの前に立つのは、かつて教団と懇意にしていたとされる議員。

汗を拭いながら、震える声で謝罪した。


「私は支援団体の正体を知らなかった。だが、知らなかったでは済まされない。」


報道陣の後方で、光子と優子も取材に訪れていた。

ふたりは静かに手を組み、記者の質問を見守る。

光子がぽつりと呟く。

「悪意の根って、思ったより深いね……」

優子はうなずいた。「でも、掘り出せば光が入るけぇ」



3|企業の崩壊と社会の再編


大手広告会社が、教団関係者から巨額の融資を受けていた事実も判明。

上層部が引責辞任し、株価は暴落。

だが、その穴を埋めるように市民ボランティアが動き出す。


「#灯りを返せ基金」のもと、被害者救済と情報啓発を目的にした

**市民連合“LUMINA”**が発足。

ファイブピーチ★のメンバー全員が初代アンバサダーに就任した。


優子「沈黙の上に花は咲かん。

でも、笑いなら咲かせられる。」


光子「泣いてもいい。

そのあと、ぶはぁって笑えれば。」



4|追及の波、そして決着


秋。教団の元教祖と幹部に加え、政治家3名、財界人5名が逮捕された。

「便宜供与」「資金洗浄」「情報操作」――罪名は重く、長期裁判が予想された。


拓実は試合の合間、ホテルのテレビでその速報を見た。

翼からのメッセージが届く。


「戦う場所は違っても、勝ち方は同じ。

嘘には、正面からラリーで返すだけや。」



5|そして、“真の終幕”


翌年の春。すべての残党組織が解体。

教団の財産は、すべて国庫と被害者救済基金に充当された。

被害対策弁護団・真壁代表は、記者会見で語る。


「被害者を救ったのは、法律でも国家でもない。

“笑い”と“音楽”が人を再び社会に繋いだ。

ファイブピーチ★が生んだ“灯り”は、司法の外でも力を持ちました。」


光子と優子はその映像を、スタジオのモニターで静かに見つめていた。

「長かったね」

「でも、終わりやなくて、始まりやけぇ」


ふわもちぷにすけ、こんもりぷにぴよ、ぽよりんむにょたろう、

そして世界中の笑い仲間たちが繋がっていた。

“笑いと希望の発電所”は、もう止まらない。


そしてナレーションが、穏やかに締めくくる。


「光は奪えない。笑いも、奪えない。

灯りは、笑いながら取り戻すもの。」


――2047年、初夏。

ファイブピーチ★は再びマイクを握り、

新たな曲「Re:Light」をレコーディングしていた。





光の再生 ― 2047年・春を待つ姉妹 ―


第一章 冬の風と新年の鐘


博多の街を、冷たい北風が抜けていた。

大晦日から年越しにかけて、街の電光掲示板には未だ“あの事件”の続報が流れている。

社会を揺るがした詐欺宗教事件――。被害者救済や政治家の関与追及が続き、

国全体が「信頼」という言葉をもう一度探そうとしていた。


小倉家のリビングでは、テレビの音量を少し下げて、

光子と優子が並んで座っていた。

二人の間には、陽翔はると結音ゆのんの寝息。

その小さな寝顔を見ながら、光子は腹部をさすった。

「……動いた。とうま、元気やね」

優子も笑う。「うちも、ひのが動いとる気がする」


画面では、弁護団代表が毅然と語っている。

「“信仰”は人の心を救うものです。けれど、“教祖”がそれを利用する時、

それは暴力と変わらない。――私たちは、それを許さない社会をつくります」


光子は静かに頷いた。「うちらも、歌でその後押しができたらええね」

優子はゆっくり手を重ねた。「うん。笑いと優しさで、光を返すっちゃね」


窓の外、初日の出の光が差し込む。

二人は無言で立ち上がり、並んでカーテンを開けた。

陽翔と結音も目を覚まし、「あー!ひかり!」と指を伸ばす。

その声が、静かな博多の元旦に溶けていった。



第二章 笑顔の胎動


1月下旬。

定期検診のため、光子と優子は再び同じ病院へ。

エコーの画面には、小さな手足がはっきりと映っている。

「青柳さん、順調ですよ。もう8ヶ月を過ぎましたね」

「柳川さんも問題なし。7ヶ月半、元気な心拍です」


看護師の言葉に、二人は同時に笑った。

その後ろで、陽翔と結音が床に並んでちょこんと座り、

「まんまのおなか、ぽんぽんー?」と不思議そうに見つめる。


光子:「そうたい、ここに弟くんがおるっちゃん」

優子:「うちのは妹ちゃんかもしれんねぇ」

陽翔:「とうま?」

結音:「ひの?」


二人の幼児語が、まるで未来の会話を先取りするようだった。



第三章 再会と小さな笑い


2月。

詐欺宗教の解体報道が続き、街全体にどこか沈んだ空気が漂っていた。

そんな中、「爆笑発電所・博多ブロック」の女性部メンバーたちが

温かいお弁当と笑いを携えてやってきた。


古賀真理子:「あらぁ〜光ちゃん、優ちゃん!寒いけど元気やねぇ!」

井上明美:「おなか大きゅうなって、ますます光っとるばい!」

森本さやか:「ちょ、陽翔くんがマイク持って“おぎゃーライブ”始めた!」

中原志穂:「ほんとだ、ハモってる!ほら結音ちゃんがツッコミ入れた!」


陽翔:「まんまー、ちっちゃいおとーたんー!」

結音:「まんまー、ちっちゃいおかーたんー!」

一同:「ぶはぁぁぁっ!!」


笑い声が広がる。

暗いニュースに覆われた世の中に、久しぶりの明るい風が吹いた。


光子はその様子を見ながら、そっと優子にささやいた。

「こういうのが、“再生”やね」

優子:「うん。笑いがまた、人をつなぐっちゃ」



第四章 春風の約束 ― 出産までの道


3月上旬、光子は臨月を迎えた。

朝、陽翔が布団の上でトランペットの真似をしながら「ぶーっ」と音を出す。

「音出たねぇ!」と拍手する優馬。

その横で、光子が呼吸を整える。「……来たかもしれん」


午後、春の光が差す病院の分娩室で――

短い静寂の後、澄んだ産声が響いた。


「――ようこそ、青柳燈真」


小さな手が、母の指を握った瞬間。

光子は涙をこらえきれず、「ありがとう」を繰り返した。

外では、陽翔が父の腕の中で“うにゃっ”と伸び、

まるで弟に「おつかれ」と言っているようだった。



第五章 やさしさの芽吹き ― 灯乃誕生


そして4月。

桜が風に乗って舞う頃、優子の陣痛が始まった。

拓実はフランス遠征の帰国後、夜行便で駆けつける途中。

「まんま、がんばって!」と結音が小さな手で母の頬をなでた。


翌朝。


「――よう来たね、柳川灯乃」


優子の腕の中で、小さな息がひとつ。

その瞬間、窓の外で一枚の桜の花びらが光を反射した。


看護師:「お姉ちゃん(光子)にそっくりですね」

優子:「うちは、笑いジワのある顔にしたかけん、ツッコミ顔やね」

周囲:「ぶはぁっ!!」


分娩室が爆笑で包まれ、スタッフ全員が笑顔になった。



終章 春の風と、灯りの連鎖


出産後、姉妹の家にはお祝いが絶えなかった。

奏太・さおり夫妻からはギターの音源、

小春・翔太夫妻からはピアノの子守唄。

ファイブピーチ★のメンバーが揃い、即興の子守コンサートが始まる。


陽翔:「ぶーんばぁ〜!」

結音:「ぷんぷんまんま〜!」

燈真&灯乃:「……ぷにっ(同期あくび)」


ステージは一瞬で“ぷにぴよ・ライブ”に変わった。

そして夜、光子と優子は静かに語る。


「ねぇ優子……この一年、いろんなことがあったね」

「うん。でも、全部“命”につながっとる気がする」

「信じることを、笑うことで守れた気がする」


春の風がカーテンを揺らす。

そこには、もう“悲しみの影”ではなく、

新しい光――こんもりぷにぴよの寝息があった。



エピローグ


翌朝のニュース。

社会はまだ再建途中だが、少しずつ希望が芽吹いている。

弁護団の会見、復興支援の動き、そして――

ファイブピーチ★の新曲「Re:Light」の配信が告げられた。


“笑いながら取り戻す――それが、光という名の希望。”


ナレーションの声に重なるように、

二つの家からほぼ同時に聞こえた。


「おはよーっ」

「おはよっちゃー!」


笑いの連鎖が、また世界を少し明るくした。


――2048年春。

再び歩き出す姉妹と家族たちの物語が、

新しいページをめくろうとしていた。



このまま続いて、

「2048年夏〜秋:社会再生と“Re:Light”キャンペーン篇」

にもつなげられます。続きを同じ文体で展開しますか?








2047年大晦日・自宅スタジオ中継


――博多の空は澄み切って、ベランダの風鈴が凍った音を鳴らした。

キッチンでは黒豆の鍋がことこと、リビングではケーブルと譜面台が整列。

今年の紅白はファイブピーチ★が“自宅スタジオ”から生中継だ。


年末のにぎわい


光子はマタニティのゆったりワンピ、優子は腹帯を整えながらストレッチ。

二人ともお腹はすっかり“春の予告篇”で、臨月−3〜4か月のふっくら具合。

テーブルの端には、ふわもちぷにすけ(陽翔&結音/1歳7か月)が

ちいさなヘッドホンを耳に当てて“リハーサルごっこ”。


陽翔「チェック、ちぇっく!」

結音「でぃれい、ちょっとだけ〜」

真似の精度が異様に高くて、スタッフがすでに笑っている。


祖父の優馬は配信用のカメラの後ろで「じいの初仕事!」と胸を張り、

美鈴は「はいはい、チームおやつ」と甘酒と小さなおにぎりを搬入。

両家の親戚LINEには**“今年の大晦日はスタジオ参賀”**のスタンプが飛び交う。


カウントダウン前の最終チェック


奏太がアコギの弦を張り替えながら、「回線安定。遅延0.2秒」

小春はキーボードのレイヤーを確認して「ブラスは一段濃い目で」

はなまるツインズは、サブマイク前でコーラス合わせ。

モニターの片隅には“NHK 紅白 回線良好”の緑ランプが灯っている。


光子「さぁ、ぶはぁ係は任せたで?」

優子「うんばぁ係はわたし。怒鳴らない宣言で、笑って年越そ」


ふたりが拳をコツン、と合わせた瞬間、

陽翔と結音がシンクロ拍手→シンクロ投げキッス。

家族席がどっと沸き、スイッチャーが“今の、後で副回線で抜こう”と慌ててメモする。



紅白・自宅スタジオ中継 本番


赤い“ON AIR”ランプが点る。

壁一面の防音パネルに、温かい間接照明。

カメラ1:正面ワイド/カメラ2:鍵盤寄り/カメラ3:ドラム&パーカス。

そしてカメラ4は――家族席のふわもちぷにすけ専用、だ。


司会スタジオ

「続いては、博多からの中継!“笑いで灯りを返す”ファイブピーチ★のみなさん!」


1曲目「Re:Light(年越しver.)」


軽いピアノとアコギのアルペジオ。

優子のスティックが縁をなでるだけの、やさしいカウント。

光子がマイクに口を寄せ、息をほどく。


ほどけた糸を つなぎなおすのは

怒鳴る声じゃなく ふたりの呼吸


“Re:Light”のサビで、家の照明が一段ずつ明るくなる演出。

モニターの向こう、全国のリビングにも同じ温度が伝わるみたいで、

コメント欄には「灯りが戻る」「泣いて笑った」の文字が流れていく。


MC(中継トーク)


光子「今年はね、**“一晩置く”**を合言葉に、深呼吸でここまで来れました」

優子「来年は“ただいま”を増やします。うちら、春に家族が増えるけぇ」

(スタジオから大きな拍手)


ここでカメラ4。

陽翔「ただいまー!」

結音「おかえりー!」

――全国から「かわいい」の嵐。スイッチャーが勝ちを確信する。


2曲目「ぶはぁ→うんばぁラプソディ(年越しメドレー)」


はなまるツインズが明るい三度でハモり、

奏太のギターがビートルズ風のブリッジを差し込み、

小春のシンセが“きらきら年越しベル”を鳴らす。

サビで、予定通り“お約束”。


光子「せーので――ぶはぁ!」

優子「――からの うんばぁ!」


ここで家族席カメラがふわもちを直撃。

陽翔&結音、見事なシンクロ投げキッス→シンクロくしゃみ(へっくちょん!)。

自宅スタジオは爆笑で揺れ、全国でも“#ぶはぁ初笑い”が一気にトレンド入りする。


フィナーレ「ゆきの約束(冬星mix)」


ストリングスを重ねた冬だけのミックス。

ラスサビ前、光子が小さくお腹へ囁く。

「とうま、聴こえる?みんなの“ただいま”やで」

優子も、そっと。

「ひの、春に会おうね。こっちはあったかいよ」


二人の目尻に細い光。

モニターの向こうで、たくさんのリビングの空気が、同時にやわらぐ。



カウントダウン


司会「さぁ、まもなく新しい年です!博多、一緒に!」

全員「10、9、8……」


3、2、1――


「あけましておめでとうございます!」


光子「今年も“怒鳴らない宣言”で」

優子「笑って、灯りを返そうや!」


自宅の窓の外で、小さな手持ち花火がぱちぱち。

陽翔と結音は窓ガラスに鼻をくっつけて、「きらきら!」を連呼。

ベビーガード越しに、二つのお腹が同時にぽこりと返事をする。


光子「今、蹴った」

優子「こっちも、会釈した!」


家族が笑う。

モニターの隅で“接続 安定|博多スタジオ”の表示が静かに点り続ける。


――2047年、良い終わり。

そして、2048年、良い始まり。

春には“こんもりぷにぴよ”が合流して、四人きょうだい編がいよいよ始まる。


画面がフェードアウトする最後の瞬間、

光子と優子は視聴者に向かって、声を揃えた。


「笑って、またね。」





2047年・年越しの夜 ― 博多・青柳家と柳川家


湯気がゆらゆらと立ちのぼる、年越しそばの香りが家じゅうに満ちていた。

青柳家のリビングには、光子、翼不在の代わりに両親の修と美和、そして陽翔。

真向かいの柳川家からは、優子と拓実、そして結音が加わり、二家合同の年越しパーティが始まっていた。



年越しそばと笑いの宴


光子:「さぁ、年越しそばできたよ〜。博多のごぼ天入り特製版!」

優子:「うわぁ、香ばしかぁ〜。やっぱ姉ちゃん、麺のゆで加減が職人やね」

拓実:「(笑)あんたら、そばで張り合うなって」


陽翔「そばー!ながいね〜!」

結音「のびのび〜、ちゅるる〜♪」


光子:「あんたら、麺で歌うなぁ(笑)」

優子:「でも“のびのび〜”って、縁起いいかもね!」


箸をすすりながら、みんなの笑い声がこたつ布団の中で反響する。

テレビでは紅白が始まり、ファイブピーチ★のリハ映像が映ると、

陽翔と結音がモニターの前で、指を差して大はしゃぎ。


陽翔:「まんま〜!おうた〜!」

結音:「ぱっぱ〜!かっこい〜!」



お風呂タイム ― 親子の静けさ


食後は順番にお風呂。

まずは青柳家組。湯気の中で光子が笑う。


光子:「ほら陽翔、髪の毛ぴょこん出てる。タオルターバン王子〜!」

陽翔:「おちゃ〜、ぶはぁ〜!」


湯船に浮かぶアヒルちゃんが倒れて、ふたりで爆笑。

その横で、光子のお腹の中では燈真がぽこん、と小さく反応。

「…はいはい、あなたも笑ってるんやね」と微笑みかけた。


一方の柳川家では――

優子:「ゆのん〜、お湯ぬるくない? ポンポンあったかくしとこね〜」

結音:「ぽかぽか〜。あったかい〜。ひのちゃんもぽこぽこ〜?」

お腹を撫でる母の手に、自分の小さな手を重ねる結音。

湯気の中で、ふたりのシルエットがやわらかく溶けた。



真向かいの家へ帰る夜


風が少し冷たくなった夜更け。

光子は玄関先で毛布を抱えながら優子一家を見送る。


光子:「年越しそばも笑いも十分やね。気をつけて帰ってよ〜」

優子:「うん。明日、朝いちでまた“ぶはぁ初笑い”中継あるけぇ(笑)」

拓実:「お互い寝坊しないようにな」

光子:「了解(笑)。お腹の子も、初笑い準備万端やけん!」


結音:「ばいばーい、あーちゃん!」

陽翔:「ばいばーい、ゆのん!」


二人が手を振りあう姿に、

両家の母たちは目を細め、まるで未来の兄妹みたいだと感じていた。



玄関の明かりがふたつの家でぽっと灯り、

そのまま夜空に向かって流星のように瞬く。

笑い声が静かに遠のくころ、博多の町には除夜の鐘が響き始めた。


――こうして、笑いと温もりに包まれた2047年の大晦日が、更けていった。





2047年・博多の年越し ― 紅白の夜のあとで


紅白の生中継が終わったのは夜11時。

青柳家の自宅スタジオには、まだ温かい照明が残り、湯気のような拍手と笑い声が漂っていた。

光子と優子は、お腹をそっと撫でながら深く息をつく。



夜11時の年越しそば


光子:「ふぅ〜、紅白終わったねぇ……お腹の子もよく頑張った」

優子:「ほんとよ。動きすぎて、途中で“ぶはぁ”出そうになったし(笑)」

拓実:「それはNHK的に危なかったな」

美鈴:「さぁ、打ち上げは“年越しそば”やね!」


時計はすでに夜11時すぎ。

修おじいちゃんが土鍋から湯気を立てながら器を配り、

美鈴おばあちゃんが刻みネギをざっと振りかける。

香り高い博多のごぼ天そば。お腹も心もほっとする夜。


陽翔:「そば、ちゅる〜!」

結音:「ちゅるる〜、おいちぃ〜!」

光子:「あらあら、ふわもちぷにすけも上手にすすれるようになったやん」

優子:「もう立派な“そばキッズ”よ(笑)」


テレビでは余韻のエンドロールが流れ、

画面のすみに“ファイブピーチ★ 自宅スタジオ中継・感動のフィナーレ”の文字。

家族全員が笑顔で見入っていた。



帰宅の時間


食器を片づけながら、優子が外の風を感じて言う。

「もうすぐ年が明けるねぇ。ちょっと冷たか風やけど、気持ちいいね」


光子:「ほんなら、そろそろ帰るとね?」

優子:「うん。ゆのんも眠そうやし」

結音:「ねむ〜い……ぱっぱ〜」

拓実:「はいはい、帰ったらお風呂入って、ぽかぽかして寝ような」


玄関で、ふわもちコンビがまたハイテンションに。

陽翔:「ゆのん、ばいばーい!」

結音:「はると、ばいばーい!」

2人が手をぶんぶん振り、頬に“ちゅっ”と音を立てる。

大人たちは思わず笑いながら見送った。



柳川家の夜


帰宅してすぐ、優子は小さな湯船にお湯をはり、

結音と一緒に“チャポン”。

お風呂の窓からは、冬の星がぽつぽつ光っている。


結音:「あったか〜い。ぽこぽこ、ひのちゃんも〜?」

優子:「そうよ。お腹の中でも、ぽこぽこってご挨拶してるんよ」

結音:「おねんね〜……」

優子:「うん。今日はいっぱい頑張ったもんね。おやすみ、ゆのん」


湯気の中で、母娘の笑顔がふわりと溶けた。



夜更けの静けさ


寝室では、拓実が寝かしつけの絵本を読みながら、

結音が「すやぁ」と寝息を立てる。

隣のベッドで優子が灯りを落とすと、

お腹の中の**灯乃ひの**が小さく動いた。


優子(心の声):「うちの家族、ほんとに幸せやね……ありがとう」


外では、博多の街に除夜の鐘が響き始める。

遠く、真向かいの青柳家の窓にも、

光子が陽翔を抱いて同じ鐘を聞いていた。


そして、日付が変わる。

――2048年、静かであたたかい年明けだった。



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