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爆笑三姉妹〜陽翔・結音誕生から、燈真・灯乃、彩羽・悠翔誕生まで  作者: リンダ


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32/140

光と影のリスタート

【翼、全米へ—“心の風”をポケットに】

(福岡空港 → ニューヨークJFK/USオープン前週)


――朝の福岡空港。出発ロビーに、小さな旗が三本。

《ぶはぁ》《うんばぁ》《TOMA》と手書き。光子が縫い付けたミニ刺繍が光る。


光子にっこり

「ニューヨークは“音”の街やけん、ざわめきも追い風にしとって」

うなずく

「了解。騒音=追い風、ヤジ=合図、拍手=着地ポイント」


陽翔(両手を広げて)

「ぱっぱ、びゅーん!びゅーん!」

光子「最後の“びゅーん”お願いしまーす」

翼、しゃがんでハイタッチ×3→陽翔、満面のドヤ顔。

お腹の燈真がぽこん。「お、キックサーブのサイン出た」


優子&ゆのんも見送り参加。

ゆのん「つばしゃん、かつ〜!うんばぁ〜!」

翼「受信完了。ニューヨークで拡散してくる」



搭乗前ブリーフィング(30秒で要点)


コーチ「全米キーは**“ハードで風を起こす”**の徹底」

•サーブ配球:外ワイド70%→見せ球ミドル→ボディ。

•リターン:1歩前ד最初の4球決着”。

•夜対策:2ndサーブ回転+7%/ストリングテンション-0.5kg。

•暑熱:プレクーリング+塩分チャージ2段。

•迷い対処:ルーティン《家族の灯り→呼吸3→アーチ三連(深→短→ロブ)》。


コーチ「以上。最後に合図は?」

翼「ぶはぁ→うんばぁ→“心の風”で打つ」

(女性部:横で小旗を全力で振ってる)



機内(離陸直後)


機内モニターに海。翼は胸ポケットを軽くトントン。

《ぶはぁ/うんばぁ/TOMA》の小旗、そして光子のメモ。


「風が止んだら、笑って吸って、笑って吐く。」


CAさん「応援してます。ニューヨークの風、勝って帰ってきてくださいね」

翼「はい、“家族の風”持参で行ってきます」



到着翌日:ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター


朝のアーサー・アッシュ。客席はまだ空、でも街のざわめきが微かに響く。


初日メニュー(45min × 2本)

テンポ作り:ショートクロス→ロングクロス→逆クロスの3拍子(球出し/連続20)

サーブ×4球設計:外ワイド→相手の逆襲想定→3球目カウンター→ネットタッチで締め

ナイト球質合わせ:湿度シミュ再現(ボール冷却&加湿)、2nd回転+7%確認

クランチ・シナリオ:5–5, 30–30から2ポイント先取を10セット


コーチ「今日は**“音取り”**がテーマ。観客のざわめきにテンポ合わせろ」

翼(深呼吸)「……聞こえる。家のリビングの笑い声まで、かすかに」


スマホに届く動画:

光子&陽翔「ぶはぁ〜!」

優子&ゆのん「うんばぁ〜!」

(数秒遅れて)ぽこん(燈真/灯乃シンクロ?)

翼、笑って親指を立てる。「受信、完璧」



前日会見ショートコメント


記者「最後の一冠へ、あと一歩。怖さは?」

翼「怖さは、風に預けます。僕は家族の灯りを持って、一本ずつ打つだけ」

記者「優勝したら最初に誰に連絡を?」

翼「…“チャポン隊”ですね」

(会場クスクス/日本席は爆笑)



夜、光子へDM(未送信の下書き)


『不思議やね。ニューヨークの夜、風が弱くても、

ぶはぁとうんばぁが吹いてる。

明日も、その風で打つ。』


送信はしない。

胸ポケットを、そっと二回叩く——トントン。

返事のように、遠くの街がざわめいた。



USオープン開幕。

“心の風”は、準備万端。

ニューヨークに、アーチを描きにいく。






【NY到着→まずは家族コール】

翼「着いたよ、ニューヨーク。空気は重め、でも“音”がいい」

光子「受信した。こっちは制作モード突入!」

優子「全仏&世界卓球の“ダブル栄冠”と、年明けのあの事件――両方、曲にして“灯り”で包むけぇ」

ゆのん&陽翔「ぶはぁ〜/うんばぁ〜!」(※良好に届いた)



制作ログ:次作アルバム用 新曲2曲


①「風のアーチ(Champions Mix)」

•テーマ:全仏V&卓球団体世界一の喜び。家族の“灯り”が背中を押した瞬間。

•キー/BPM:E♭メジャー/126(跳ねる4つ打ち+ブラス)

•編成:ストリングス(勝利コード)、ブラス(ファンファーレ)、アコギ(奏太)、リム&タムの手数少なめドラム(優子)、ベース(光子)

•モチーフ:「ぶはぁ→うんばぁ」をトランペット2音で暗示(G→B♭)


Verse 1(抜粋)


風の止んだ赤土で 息を合わせた合図

ぶはぁ、うんばぁ 笑って吸って 笑って吐くだけ

君の声が 遠い街で 耳元の旗を揺らす


Pre-Chorus


迷ったら アーチ三連 深く/短く/空へ

心で打つ それが合図


Chorus


いま駆け上がれ 風のアーチ

何度でも立ち上がるための歌

ぶはぁとうんばぁ 胸で響け

家族の灯りが トロフィーより眩しい


Bridge(コール&レス)


(コール)叫べ/(レス)笑え

(コール)泣いていい/(レス)それでいい

ふりむけば 隣にいつも

“おかえり”の声


•エンディング:観客合唱を想定してキー+1転調、最後は子どもコーラス(陽翔・ゆのん VOサンプリング)でアウト。



②「灯りを返せ(Reclaim the Light)」

•テーマ:詐欺宗教事件に対する宣言と回復。怒りを“希望”で昇華する。

•キー/BPM:Cマイナー→最後Cメジャー転調/82(スローマーチ)

•編成:ピアノ(美香)、フリューゲル(アキラ)、チェロ、スネアのブラシ、終盤に合唱。

•音像:前半は抑制、後半は“被害者と支える人々”が一緒に歌える高揚へ。


Verse 1(抜粋)


名を騙り 笑顔を奪う その手を見た

凍るような夜 震えたのは 悔しさより無力さだった

でも 信じられた あなたの手の温度を


Hook(低く強く)


灯りを返せ この胸に

取り戻すのは 名前じゃない 笑顔だ

涙の跡が 乾くまで

私たちは歌を離さない


Verse 2(家族視点)


小さな寝息 ぽこり合図 新しい命が蹴った

それだけでいい それだけでまた

明日を信じられる


Final Chorus(転調)


灯りを返せ 世界中に

奪われた分だけ 強くなるだろう

ぶはぁとうんばぁ 合図にして

笑って、またね――ここからだ


•アウトロ:被害者支援の意味を込めたハミング合唱→静かにピアノ単音で終止(希望を残す余白)。



制作メモ(当日スタジオノート)

•ボーカル:

•光子=低音の芯、語尾に“吐息ニュアンス”で温度感。

•優子=ハイトーンで澄み、言葉の子音を立てる(“か・さ・た”をクリアに)。

•歌詞運用:固有名詞や断罪の直接表現は回避し、**“笑顔”“灯り”“家族”**にフォーカス。

•収益連動:「灯りを返せ」ストリーミングの一部を被害対策支援団体へ寄付(後日アナウンス)。



リリース計画(案)

•先行配信:USオープン開幕週の金曜に「風のアーチ(Champions Mix)」

•2週後:両A面扱いで「灯りを返せ」同時公開(ドキュメンタリー風MV)

•アルバム『風と笑顔の季節』に両曲収録(ライブ合唱用キーも同梱)



翼→スタジオにテキスト


「デモ、最高。こっちは“音の風”掴めてる。

決勝の夜に“アーチ”歌ってもらえるよう、一本ずつ勝つわ」


光子・優子(送信)


「受信完了。

ぶはぁ→うんばぁ→REC。

家族の灯りで、世界に風を起こそう。」









【共同記者会見—「灯りを返せ」採用発表/翼はNYからビデオ、拓実は登壇】

(福岡市役所・大会議室/夕暮れ。窓の外に雨上がりの光)


登壇:

•柳川 優子(M&Y/Dr&Vo)

•青柳 光子(M&Y/Ba&Vo)

•柳川 拓実(世界卓球団体王者)

•被害対策弁護団 代表:真壁 綾(弁護士)

•司会:市広報

※青柳 翼(全米オープン出場中・NY):ビデオメッセージ


――開会のチャイム。照明が少し落ちる。前方スクリーンに「LIVE RECOVERY PROJECT」。拍手が波紋のように広がる。



冒頭


司会

「本日は、“被害対策弁護団キャンペーンソング”としてM&Y『灯りを返せ』採用のご報告です。まずは代表・真壁より」


真壁(立礼)

「収益は全額を回復支援へ。月次の金額・件数・用途内訳を公開し、第三者監査を付けます。被害の“可視化”と“再発防止”を音楽と並走で進めます」


優子

「この曲は“怒鳴らない宣言”です。断罪より、灯りの回復を選びました」


光子

「『泣きながらでも前に進める』を、音で保証したかった。今日はNYの翼からのメッセージを預かっています」


(会場の視線がスクリーンへ)



ビデオメッセージ(NY・選手村ラウンジ)


翼(落ち着いた声)

「ニューヨークから。コートでは呼吸を奪い合うけど、家に戻れば音楽が呼吸を返してくれる。

『灯りを返せ』は、名前じゃなく笑顔を取り戻す歌です。

収益は全部、回復へ。

“ぶはぁ→うんばぁ→深呼吸”、でまた会いましょう。いってきます」


(映像がフェード。短い拍手が静かに膨らむ)



質疑応答ロング


Q1(全国紙)

「社会問題を歌にする線引きは?」


優子

「“誰かの傷の再演”にならんこと。具体名を避け、感情の回復だけを置く。歌詞の最後を余白で終えるのも、そのためです」


Q2(経済誌)

「寄付の透明性は?」


真壁

「プラットフォーム別売上の生データを月次公開。用途は“相談・訴訟補助・啓発”に限定。営利広告BGM/政治利用は契約で禁止」


光子

「寄付ボタンより前に相談窓口。曲の前後に必ず表示します」


Q3(地元TV)

「お子さんへの説明は?」


優子

「“暗い箱で迷子の人がおる。ドアをいっしょに開ける歌を作ったよ”と。難しい話を難しいまま渡さないが家族ルール」


光子

「息子は『なら、ぶはぁ隊長出動!』って。あの“隊長ごっこ”が大人にも効くんです」


Q4(スポーツ紙)

「拓実選手は、アスリートとして何を託しますか?」


拓実

「試合は“ミスの連鎖を断つ”競技。人生も同じです。

この曲は“あなたの名前を呼ぶ歌”。名前を呼ばれたら、人は戻れます。父として、その灯りを信じています」


Q5(海外通信社・英語)

「Why now? Why music?」


光子(英語)

「Because silence was the enemy. Music lets us breathe together.」

優子(英語)

「We don’t amplify the group; we amplify recovery.」


Q6(ネット)

「二次拡散で当事者が特定される懸念は?」


真壁

「当事者特定の投稿は禁止。違反は通報・法的措置。公式は常時リマインドを出します」


Q7(音楽誌)

「制作で最初に定まった言葉は?」


優子

「“返せ”。奪われたのは“お金”だけやない。“眠れる夜”“自分を責めない朝”。それを返せ」


光子

「でも声は荒げない。ピアノとハミングで“言い切る”。それがうちらのやり方」


Q8(社会部)

「偽サイト対策の実務は?」


真壁

「刑事と民事を併走。皆さんには公式認証の確認/怪しいURLは踏まない/一晩置くをお願いしたい。

“その一晩”が人生を救います」


Q9(カルチャー誌)

「曲末の“無音”の意味?」


光子

「帰ってくる椅子です。泣き終わって腰かける場所を、音の中に残す」


Q10(写真週刊)

「パレードの“ぶはぁ&うんばぁ”を今日も?」


(会場が笑う。司会が時計を見る。優子が小さく親指を立てる)


光子・優子

「いっせーのーで——ぶはぁ(胸前で手を丸く)、うんばぁ(手を開く)」


(フラッシュの花。後方の若い記者が涙を拭く)


Q11(地方紙)

「今日、聴いた人が“今すぐできること”は?」


拓実

「よく寝て、深呼吸してから相談。疲れた頭で判断しない。スポーツの鉄則です」

真壁

「疑問を持つ→相談する→周囲に“一晩置こう”と声をかける。止まる勇気が命綱です」


Q12(国際チャンネル)

「海外版の予定は?」


優子

「英語・ウクライナ語の合唱版を制作中。ソフィーアとも連絡を取り、現地の言葉で“返せ”を言い切る版を」


Q13(被害家族・傍聴席)

「質問じゃないけど……ありがとう。家で、やっと笑えました」


(優子、深く一礼。光子、胸に手。拓実、目を閉じてうなずく。会場の拍手が立ち上がる)



クロージング


司会

「本日20時、各局ニュース内でショートMVを解禁。同時に相談先一覧/寄付レポート雛形を公開します。

最後に、NYの翼選手から預かった一文を、光子さんお願いします」


光子(紙片を開き、ゆっくり)

「『笑顔は勝ち負けより強いルールだ。

 負けそうな夜は、ぶはぁ→うんばぁで呼吸して。ニューヨークより。翼』」


(静かな笑いと、温かい拍手)


優子

「笑って、またね。」


――マイクが落ちる小さな音。

雨上がりの窓に、街の灯りが増えていく。

会場に残るのは、少し軽くなった呼吸だけ。







「光と影のリスタート」


――雨の匂いが抜けた朝。

ニュースサイトの見出しが静かに入れ替わり、タイムラインの波は、もう昨夜の会見を離れ始めていた。

しかし、余波は消えない。目に見えない重みだけが机の角に残っている。



1|静かな朝と、うるさい通知


光子はマグカップを片手に、通知を“まとめて既読”にした。

「……ふぅ。静かになったふり、やね」

「せやね」と優子。髪をまとめ直しながら、短く息を吐く。「でも“静か”は味方や」


昨夜の会見は成功だった。

けれど、別の場所では「関与していた」という虚偽や、“怒り”だけを燃料にした投稿が少しずつ拡がっている。

真壁弁護士からのメッセージが届く。


公式で要点を再掲します。

1.収益の全額寄付/用途内訳公開

2.二次加害防止ガイドライン

3.偽サイトの最新リスト

“沈黙で守る”区間に入ります。呼吸を。


光子は頷く。「よし、“呼吸の区間”いこ」

優子も頷く。「うちら、呼吸うまいけぇ」



2|ファンの分裂と、ひとつの投稿


公式ファンコミュニティでは議論が割れていた。

擁護、疑念、疲れた沈黙。

スレッドの一番下に、一枚の写真が上がる。

“初めてライブに行った日、笑って泣いて、帰り道で空がやさしく見えた”という文章と、滲んだチケット。


「うちら、あの夜に戻りたいわけやない。

“あの夜の呼吸”を、もう一回はじめたいだけや」


その投稿に「灯りマーク」が、ひとつ、またひとつ。

時間をかけて、分裂は“揺れ”に変わる。揺れは、やがて“歩幅”になる。



3|作戦会議:“怒鳴らない宣言”の続き


福岡の弁護団会議室。白いボードに箇条書きが並ぶ。

•偽サイト群の凍結

•PSA 30秒版の放送枠

•相談会場での無伴奏版「灯りを返せ」

•二次被害防止の学校出前授業


「“情報リテラシー”は、むずかしい言葉を捨てるところからです」と真壁。

優子が手を挙げる。「ほじゃあ“見分け方”の寸劇やろや。うそとほんとうのあいだを、子ども目線で」


光子が笑う。「ほな台本、今日いま作る。五分でウケて、三十分で沁みるやつ」



4|小さな舞台:うそとほんとう


体育館。折り畳み椅子、青いマット。

光子と優子は“配達員”と“受け取り人”。

段ボールに貼られたラベルは、

「無料」「今だけ」「限定」「あなたにだけ」。


「なんか、甘か匂いがする〜」と光子。

「そりゃ“無料”の香料や」と優子。

「開けてみる?」

「一晩置く」


会場から笑いが起き、先生たちの顔が緩む。

最後に、光子が段ボールをそっと持ち上げる。

箱の底には、小さな紙切れが貼られていた。


“あなたの名前”


「これ、誰にも奪わせんやろ?」

子どもたちが頷いた。拍手は大きくないが温かい。

帰り際、保護者が言う。「うちも、一晩置いて、相談する癖つけます」



5|海外からの返事


ロサンゼルスのキャサリンから、短い動画が届いた。

「あなたたちの歌は、私たちの“ただいま”になりました」

パースのミアは、夜の窓辺で小さく手を振る。

「日差しがつよい日も、家の中で踊れるよ。灯りは、ここにもある」


キーウのソフィーアは舞台袖。

「ウクライナ語の“返せ”は、“поверни”。

今夜、客席に向かって言い切るわ。

あなたたちの“余白”を、こっちで満たすね」



6|家の台所:心の整備


夜。台所の照明だけが灯る。

鍋の湯気の向こうに、洗いざらしのタオル。

光子は包丁を置いて、優子に肩を貸す。


「なぁ優子。信じるのって、怖かね」

「怖いよ。でも、信じたあとに並んで立つのが、うちらやろ」

二人は笑う。台所の時計が、静かに進む。


スマホが震える。NYの翼から音声メモ。


“静かな夜や。けど、ぶはぁとうんばぁは吹いてる。

決勝のコール、頼むな”


「受信完了」と光子。

「こっちは“余白”の調律するけぇ」と優子。



7|Rebirth Tour 構想発表


特設サイトが開く。

“笑顔の灯り Rebirth Tour”

— 相談ブース同設、合唱ブロック“灯りの階段”、収益の透明レポート。


ステージ図面には、客席の出口付近に**“帰ってくる椅子”**がマークされていた。

泣き終わって腰を下ろせる椅子。

そこに座ってから、また一緒に歌える導線。


優子が言う。「断罪の言葉より、帰り道の灯りを増やそ」

光子が頷く。「うちらの勝ち筋やね」



8|揺れの真ん中で


もちろん波は残る。

デマはゼロにならないし、疲れは消えない。

それでも、歩幅は揃えられる。

“呼吸の区間”を重ねれば、走れる日がまた来る。


夜更け、窓の外で風が鳴った。

光子はカーテンを握って、そっと離す。

「……行こか」

「行こう」と優子。


ふたりはPCの前に戻り、歌詞の余白を一行だけ足した。


笑って、またね。

一晩置いて、またね。


——光は、戻ってくる。

戻すのは、私たちだ。


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