58-20.第三審査
第二審査の結果、順位は少々変動した。
一位、イコル。
イコルは変わらずトップを突き進んでいる。
二位、アルル。
クイズ大会では猛烈な追い上げを見せてくれた。
三位、テルス。
こちらも順当に食らいついている。
第一審査で二位だったホノカさんは、少々ネタに走りすぎて大きく順位を落としてしまった。それでも本人が楽しそうで何よりだ♪
三位だったテミスさんも中々の奮闘ぶりではあったものの、敢え無く四位以下に落ちてしまった。とはいえまだまだ十分優勝圏内だ。引き続き頑張ってもらいたい。
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「続きまして!! 第三種目の発表です!!」
ミヤコの元気一杯な声に会場中の視線が集まった。
「泣いても笑ってもこれが最後です!! 皆さん! 覚悟はよろしいですね!!」
「「「「「「「「お~~~~~~!!!」」」」」」」」
気合十分ね♪ 頑張って♪ 皆♪
「最終審査! 第三種目!! その内容は!!!」
溜めて溜めて溜めて~♪
「カードゲーム大会です!!!」
あはは♪ だよね~♪
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今回は少々特殊なルールだ。
カードゲーム大会でありながら、バトルロイヤル形式となっている。
一次審査と二次審査の合計得点を百倍した値がライフの初期値となり、参加者たちはフィールド内を自由に移動して、遭遇した相手とそれぞれに対戦する方式だ。
そうして最後の一人になるまで勝ち上がれば優勝だ。
対戦が終わってもライフは回復しない。どの順番で誰と戦うかも重要になってくる。
かといって、ただ逃げ回っていれば有利になるわけでもない。基本的に手札や場に出した札は据え置きだ。前回の戦いをそのまま引き継ぐ形になる。より強固な盤面を維持したまま勝利し、次の戦いに臨むのも重要な戦略となる。
更には特殊ルールとして、各自一度まで、その時点のライフを半分にすることで、対戦からの離脱が認められている。どうしても不利になれば撤退が許されているのだ。
ライフを温存するか。盤面や手札を温存するか。出場者たちは様々なリスクを見極め、逐一判断していく必要がある。
これは守護神にとって何より大切な要素を計る試練だ。
守護神とはその名の通り、世界を守る神のことだ。世界の存続のためならば、時に何かを切り捨てることだってある。
しかしだからと言って、何でもかんでも捨てればいいわけでもない。時には限界ギリギリまで粘ってチャンスを掴む必要だってある。その見極めこそが肝要なのだ。
まあ、なんのかんのと理由を付けてはみたものの。
実際には、皆が待ち望んでいたお祭りだから希望に応えよう、以上の意味ではないのかもしれない。
別にそれだってかまわない。どうせなら楽しくやりたいものね♪
『けど良いの? ハルのコレクションを賭けて戦うのでしょう? メイのことも忘れてはダメよ?』
そうだった。元々はそういう話だった。この後やるの?
『まだ』
『きょうのは』
『せんでん』
良いの? 参加者増えたらハルちゃんのコレクション取られちゃうかもよ?
『……』
『かつ』
『ぜったい』
頑張れ♪ ハルちゃん♪
『おう』
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第三審査が始まった。
それなりに広大なフィールドに出場者たちが散らばった。初期位置は一位のイコルから決めていった。当然二位のアルルも高所の良い位置だ♪
「皆さん早速動き出しました!!」
そうね。ほぼ全員がフィールドの中央に向けて駆けていくわね。これは意外な展開だ。まるで示し合わせたかのような動きだ。皆が同じ考えに至ったのだろうか。
「おっとぉ!? これはどういうことでしょう!! 最初に遭遇した銀花選手と影裡選手が対戦を始めず並走を続けています!! 何か探している様子だ!! これはまさかまさかぁ!!」
やっぱりそうきたかぁ~。
「これは狙っていますね。お二人はイコル選手を探しているのでしょう。最もライフの多いイコル選手を二段構えで討ち取る戦略ではないかと。皆さんの本気具合が伺えます」
実況のコトネがどこかで聞いたことのある声音で語っている。
「それは良いのでしょうか!!」
「グレーと言ったところでしょうか。対戦開始の条件については、ルール上細かく定義されていませんから。なにぶん初めての試みです。今後調整していかれるのでしょう」
早くも二人の掛け合いは慣れたものだ。
「おっとぉ~! 最初の対戦が始まりました!!」
「ホノカ選手とテミス選手ですか。これは期待の一戦です」
二人は誰かと組んで優勝候補を先に潰そうとかはしないのね。
いえ。そうでもないのかしら? テミスさんは真っ先にホノカさんの下へ向かったようだった。要注意人物としてマークしていたのかもしれない。ホノカさんは何をするか想像がつきにくいものね。
ふふ♪ 二人はどんなデッキを組んできたのかしら♪ 楽しみね♪
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「決着!! けっちゃぁ~~~く!!! 勝者! テミス選手!!!」
……あかんでしょ。
「これは!! 審査員席から警告が出ました!! 以降トリスメギストスに限らず外部ツールの使用を一律で禁ずるとのことです!! 今の勝ち方は流石にアウトだったかぁ!!」
そりゃそうでしょ。初手エ◯ゾなんて。しかも手札操作のイカサマ付き。あかんでしょ。いや、実際使ったのはエ◯ゾじゃないんだけどさ。同じ効果ってだけでさ。とにかく手札に五枚揃うと特殊勝利になるやつ。
失格にしなかっただけありがたいと思ってもらわねば。もちろんあの五枚は没収だ。でないと次もまた対戦開始と同時にテミスさんの勝利が決まっちゃうし。手札継続ルールも無理があったわね。だいぶ穴だらけだわ。せめて特別な禁止札も設定しておくべきだった。
「そうこうしている内に次の対戦が始まります!!」
「今度はイコル選手と銀花選手ですか。影裡選手も次に挑もうと控えています。二人がかりで確実に倒しにきましたね。いったいどのような戦術を見せてくれるのでしょうか」
「いえ!? これは!! なんとなんとなんと!! イコル選手が二人まとめて相手にすると宣言しました!! 審査員の皆様!! これは如何致しましょう!! OKです!! GOサインが出ました! 二対一の変則戦開始です!!」
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「ぐ~や~じ~い~~~!!」
でしょうね。ホノカさんは結局一枚もプレイせずに終わってしまったものね。
「コハルちゃん!! 敗者復活戦! やろう!!」
「ごめんね、ホノカさん。今度別の大会にも呼ぶからさ」
「絶対だよ! ううん! やっぱ今やろ! ここで! エキシビション! コハルちゃんも出来るんでしょ!」
え~。私いつもお姉ちゃんにボコボコにされてるだけなんだけどなぁ~……。
「そうだ♪ お姉ちゃん!」
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「……仕方ないわね」
「やったぁ!!」
原初神お姉ちゃんの引き篭もり脱却だぁ!
「ただし条件があるわ」
「条件?」
「私が勝ったら飛び入り参加を認めなさい」
「……マジ?」




