58-19.二次審査
一次審査の結果、暫定順位が発表された。
一位、イコル。
これは圧倒的だった。正直イコルの美しさは頭一つ抜けている。何か神としての性質が関係しているのかもしれない。イコルの美しさとは、まさしく命の輝きそのものなのだ。
二位、ホノカさん。
ホノカさんは魅せ方をよくよく理解していた。要するに場馴れしていた。もちろん本人の美しさもずば抜けている。イコルには一歩及ばなかったものの、その天真爛漫な振る舞いには誰もが目を奪われた。
三位、テミスさん。
テミスさんも本気だった。特に照れとかも見せなかった。順当に自身の魅力を示してみせた。普段のお硬い様子とは打って変わった麗しの女神様っぷりには正直驚かされた。
四位以下は接戦だ。ほぼ同率とも言える程の激戦だった。
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「それでは! 第二審査を始めて参ります!!」
第二審査にも八人全員が参加する。この大会は最後まで八人全員で戦い抜き、最後に点数の高さで勝敗を決するのだ。
「第二審査の内容はズバリ! アルカ様クイズです!!」
これまた付き合いの長さで明確に差の出る種目だ。
今回の参加者は比較的最近付き合い始めた子たちが多い。一番付き合いの長いのはテルスかしら。密度で言えばアルルも中々のものよね。
テミスさんは外交的な立場で私を熟知しているのかも。
いえ。違うわね。一番古くから私を知っているのはイコルだったわね。何せ私の前世、それも数代前から知っているそうだし。そんなのニクスだって知らない情報だ。もちろん私も知らないから出題はされないけれど。
けどこういう種目って最後にやるやつじゃない? 最後の第三種目はいったい何をやるのかしら? 気になるわね。
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第二審査は意外と静かに始まった。
選手たちは席に付き、質問された答えを各々ボードに書いていく。特に早押し形式というわけでもない。当然全員が正解する時もあれば、一人二人しか正解しない質問もあった。
「第九十七問!!」
流石に多すぎない?
「アルカ様の強化形態の一つ! 通称『竜装』の正式名称はなんでしょう!! 最新バージョンでお答えください!!」
え……? それ私も知らないんだけど……?
あれってハルちゃんが作ってくれた強化フォームだから、名前とか気にしたこと無かったのよね。
ちなみになんていうの? ハルちゃん。
『……』
ハルちゃんが唖然としている。
『アルカ』
『ひどい』
ごめんて。
だってハルちゃんいっぱい作ってくれたじゃない。あの竜装だってバージョン違いがいっぱいあったし。なんなら最初はドラゴンモードって呼んでたし。
『……』
悪かったってば。今からでも教えてよ。
『ないしょ』
え~。
『もうすぐ』
『わかる』
正解者が出るの?
『みてて』
は~い♪
「なんとなんとなんと! 一人だけ正解者が出ましたぁ!」
すげぇ。
「結果はこちらです!!」
巨大スクリーンに全員の回答が映し出された。
その内の一つの背景が赤く塗りつぶされていた。
「ドラゴニックアームドブラックエクストリーム.Ver.1099」
……ハルちゃん?
『えへん』
『丸パクリね』
だよね、イロハ。末尾のバージョン除けば、台風と道化師のやつまんまじゃない。しかも劇場版限定フォーム。
というかイロハも知らなかったのね。
『ハルったらコロコロ変えるんだもの』
それよく当てたわね。えっと。回答者は……テミスさん?
え? いったいどこから情報仕入れたの?
ハルちゃん教えた?
『ううん』
『いってない』
えぇ……。普通に怖いんだけど……。
『何かズルしてるわね』
けど普通に他の問題は間違えたりしてるよ?
『アリバイ工作かしら』
それにしてはトップの成績ってわけでもないのよね。むしろそんなに正答率高くないっていうか。
『……アクセスに時間が掛かるからじゃない? 答えがシンプルに単語一つならすぐに引き出せるのかもしれないわ』
もしかして編纂機使ってる?
『せいかい』
『ハルは知っていたのね。よく気付けたわね』
でも言われてみたらそうよね。うっかりしていたわ。テミスさんはエルちゃんとも仲良いもんね。
『とはいえ咎められるようなことでもないのよね。これって』
……まあね。守護神に相応しい力を見るのも目的の一つだし。編纂機を扱えるというのも、それはそれで一つのステータスよね。別に読心術の使用だって禁じてないわけだし。もちろん対策は講じてあるけれども。
「さあ! 続いて九十八問目に参りましょう!!」
クイズ大会は、三百問を超えようとしたところで審査員たちからの満場一致ストップが掛かるまで続いた。




