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異世界で始める白猫少女との二人暮らし ~だったのは最初だけ。最強の悪魔女が美少女ハーレムの主になって神々と世界を従えるチートな日常譚~  作者: こみやし
57.白猫少女と三貴子の計画

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57-19.すれ違い


「何かもう一押し足りないのよね。決め手に欠けるのよ」



 グラスを傾けながらそう溢すテラス。


 要するに、この期に及んで決めあぐねているらしい。私の下につくかどうかを。


 なんとも偉そうなこって。そういうところは神様なのね。



「お互い様よ。私たちだってあなたを抱え込むリスクにどう対処すべきか悩んでるんだから」


 メグルも全く同じ姿勢でグラスを傾けている。


 あなたたち気が合うのね。



「黄昏れている場合ではありませんよ。二人とも」


 同じようにグラスを傾けるノアちゃん。その中身は一人だけただのミルクだ。可愛い。



「だから皆で話し合おうって言ってるじゃない。互いに手を取り合って問題を解決していきましょう」


 おつまみ美味美味。



「バリボリ煩いわよ。頂戴」


「私も」


 はいはい。いっぱいあるからたんとお食べ。



「シイナ。唐揚げが欲しいです」


「はい。ノア」


「「私も~」」


「どうぞ。マスター。メグル」


「何よそれ。どっから出したのよ。調理はいつしたのよ」


「どうぞ。テラス」


「……質問に答えなさいよ……頂くけど……うっま。何よこれ。うちにも卸しなさい」


 アマノイワトで食べたのも中々だったわよ。



「そういえばマグナは?」


「アマノとウズメもいないじゃない」


 今更~。



「呼べば来るわよ。子どもみたいに燥ぐテラスに気を遣って離れていてくれただけだもの」


「……~~~」


 ふふふ♪ そんなに恥ずかしがらなくてもいいのよ♪



「そもそもテラスは、どのようにして命のサイクルを回しているのですか? 神の力だけで成し得ることではないのですよね? かといって人の寿命は高が知れています。全員に永遠の命でも与えているのですか?」


「そんなこと出来るわけないでしょ」


 え? 出来ないの? イコルどころか私でも出来るのに?


『アルカ。ダメよ。伏せておきなさい』


 りょ。



「数多ある滅びかけの世界から拾い集めたパーツでやりくりしてるわ」


 機能だけ移植しているの? 器用なものね。専門の技師でもいるのかしら。



「いずれも消耗品だから運が悪ければストップよ。そういう時はストックしておくの」


 少なくとも今は順調に回せているみたいね。口ぶり的に。



「中央は認めないでしょう」


「だったら何よ。今更元のやり方に戻せとでも?」


「それも一つの手ではありますね。神々は我々が受け持ちます。ですが人間たちは別の世界に委ねましょう」


 スサノオ様と先代以前のアマテラス様たちがそうやっていたようにね。



「嫌よ。終わらせると決めたのよ。私は」


「その先は? ただ土地を手に入れて移り住んだとして、その後はどうするつもりだったの? 中央世界の管理下に収まって一介の守護神を務めるつもりは無かったのでしょう?」


「はっ! それこそありえないわね!」


「けれど実際に起こり得る問題よ。彼らが日和見主義だからって、決して見逃す筈がないわ」


「なんらかのケジメを要求してくるでしょう。あなたは何か、対価を用意していたのではありませんか?」


「革命軍ね。引き続き彼らへの防波堤となることで見逃さざるを得ない空気を作るつもりだったのね」


「……正解よ。メグル」


 スサノオ様……なんだかんだと応援はしていたのね……。



「あまり賢いやり方とは言えないわね」


「余計なお世話よ」


 まあ、面倒だから纏めて滅ぼそうってなったら終わりだもんね。やってきたことを考えれば中央だって躊躇はしないだろうし。重い腰を上げるかどうかはともかくとして。



「全部私預かりにしたらテミスさんが上手く収めてくれないかしら?」


「流石に無茶よ。突き出せと言ってくるに決まってるじゃない」


「仮にテラスの身一つで収まるなら差し出しますか?」


 ノアちゃんはテラス自身に問いかけた。



「嫌よ。私は投げ出すつもりはないわ」


 そもそも中央に従って裁きを受ける義理も無いのよね。テラスの立場からすれば。今まで何かしら恩恵を受けてきたわけでもなし。見逃されていたのだって、中央の都合だもの。


 むしろテラスからしたら、中央が気にも留めなかった複層世界全体のバランスを守り続けてきた「アマテラス」たちに感謝しろと言いたいところよね。それを規則に反しているからと一方的に罰するなんて論外よね。


 これはもちろん、生まれた時から中央世界という組織に属することのなかったテラスだからこそ言い張れる道理だ。


 ただ当然、どんな道理を持っていたって力が無ければ押し通せない。より大きな力の前では、容易く押し潰されてしまうものだから。



「そういう意味では、混沌の原初神の勢力に加わるというのも悪い手ではないわよね」


「コトアマツカミを呼び出すって言ってるでしょ。私が求めているのはその手伝いよ」


 考え方としては似たようなものよね。より上位の存在に縋って大義名分を得たいのよね。



「現実を見なさい。原初神たちはとうに離れたのよ。唯一残っているのが混沌だけなの。あなたが頼れるのは彼女だけなのよ」


「……彼女? 混沌の原初神が女神ですって?」


 え?



「やっぱりね。あなたたち騙されているのよ。だってそうでしょ。混沌の原初神は男神なんだもの」


 ……なんで? なんでテラスはそんな誤解をしているの?



「テラス。あなたは混沌の原初神に会ったことがあるのですか?」


「無いわよ」


「ならばテラスの勘違いです」


 そりゃあイオスなら、性別の切り替えなんて容易くやってのけるだろうけど。



「違うわ。だって私は……」


「何かおかしいと思っていたのよ。コトアマツが原初神だなんて。だって以前のあなたと言っていることが違うもの」


 メグル?


 そういえばメグルは、天之御中主神アメノミナカヌシノカミこそがこの系譜の原初神だって……そう断言して……。それはテラスから聞いた情報だったの?



「あなたは……この時間軸のアマテラスじゃないわね」

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