57-17.立場逆転
「流石にどうかと思います」
ノアちゃんがジト目だ。可愛い。
「反省する気が無いのですか?」
「けど名案だったでしょ?」
「……」
ごめんて。
「私は歓迎されていないようね」
「ダメよ、テラス。ここに座りなさい」
これから会議するんだから。テラスも交えて今後のことを話し合わないとね。
「てなわけで。捕まえました。新しい家族です。皆拍手」
パチパチパチ。絶妙にヤル気の無いまばらな拍手だ。
「はい結構。皆仲良くね~♪」
良しとしておきましょう。皆の不満はテラスに向けたものではなく、私へのものなんだし。
「テラス♪ 良かったわね♪ 皆歓迎してくれているわ♪」
「どこがよ。というかここ何処よ」
「それはまだ内緒♪」
ここは私世界のシーちゃん船だぜ♪
テラスはこういう事に馴染みが無いようで、私世界に引きずり込まれたことにも気付いていないようだ。
「テラス。私たちはあなたの望む全てを持っているわ。先ずそれを信じて頂戴」
「……今度は私を閉じ込めようってわけね」
「そうよ。あなたが本当に私のものとなってくれるまで決して逃がしはしないわ」
こうなってくるといつものパターンね♪
悪い魔女の本領発揮よ♪
「要求は?」
あら。意外と素直。
「言ってるでしょ? テラスの身一つよ? あなたが心身共に私の下へ降れば全てを与えると約束するわ」
「……過ぎた欲は身を滅ぼすわよ」
「そうね。本当にあなた一人ならともかく、あなたの抱える全てを背負うと言うなら相応の格が必要になるでしょうね。もちろん私にそんな大層なものは無いわね。見ての通りよ」
「だったら」
「けどそれはそれよ。足りない分は皆が補ってくれるわ」
「……それで背負い切れると? 甘く見積もりすぎよ」
「方法ならあるわ。問題は使い方の方よ」
「わかるように話しなさい」
「私は既に原初神から広大な土地を授かっているの。けれどそこにあなたたちを住まわせるには色々と問題もあるのよ。私たちは中央世界とも仲良くやっていきたいの。それにテラスの夢は自分たちだけが助かればそれで良いってものでもないのでしょう? 今後も零れ落ちた人や神を救い続けたいのでしょう? なら良い方法を考えましょう。誰もが幸せになれる最高の方法をね♪」
「……都合が良すぎるわ」
「そうね。まさかお誂え向けの土地が既にあるなんてね」
「そっちじゃないわ。あなたの存在そのものよ」
「ふふふ♪ お気に召して頂けたのなら何よりね♪」
「……変なやつ」
ありゃ?
「テラスって世間知らずよね」
「なんですって?」
「私って巷で話題なのに。有名人なのに」
「巷って。何処の田舎よ」
「中央世界よ。なに? テラスってアマノイワトこそが世界の中心だと思ってるの?」
「私にとってはそうよ。当然でしょ」
「自信満々ね♪」
どっちが傲慢なんだか。
私も人のことは言えないけどね。
「中央以外には手広く干渉しているのよね?」
「否定はしないわ」
そこも問題っちゃあ問題よね。やっぱり中央が過剰に反応するのは避けられないわね。
「コトアマツを呼び出す方法については具体的なプランでもあったの?」
「……ノーコメント」
これはどちらかしら?
計画はあるけど話したくない? それとも全くのノープラン? ただ夢を話していただけなのかしら?
「いずれイオスにも会わせるわ」
「誰よそれ」
「混沌の原初神」
「カオスでしょ。やっぱり嘘なんじゃない」
「イオスは渾名よ。私が名付けたの」
「はいはい。そういうことにしといてあげるわよ」
全く信じてな~い。
けどまあ、今のは私の話題選びが悪かったわね。
「先にやるべきことがあったわね」
こういう世間知らずなお子ちゃまにはお誂え向けの場所があるものね♪ 先にそっちで遊びましょう♪
----------------------
「きゃ~~~~~~~~!!!」
……。
「ひゃ~~~~~~~~!!!」
……。
「あははははは~~~~!!!」
……。
「楽しい!! 楽しいわ! アルカ!!」
そりゃよござんした。
「こういうのが欲しかったのよ! アマノイワトにも建設しましょう! 許可するわ! アルカが指揮を執りなさい!」
いたくお気に召したようだ。遊園地が。
「さあ! 次行くわよ! 続きなさい!!」
「仰せのままに。女神様」




