57-11.観光案内・続
アマノは賑やかだ。
ウズメと再会出来た喜びもあるけど、元々私たちに興味を抱いてくれてもいたようだ。ウズメと相違ないくらい、最初から高感度マックスだ。
「旦那様♪ 旦那様♪」
だからって旦那様はな~……。
アマノとウズメにとって、私との契約はイコール結婚らしいから、呼び方を変えた意図はわからなくもないけれど。
「~♪」
ウズメも嬉しそうだから水を差したりもしないけどね。
「ここはまた随分と景色が違いますね」
「外国ね。どこに近いのかしら」
相変わらずごちゃ混ぜだから、さっきのエリア以上に判別がつかないわね。
そもそもこれって、中央世界の文化とは限らないのか。アマテラス様本人はともかく、ここに拾われてきた人たちは中央世界中から集まってきてるわけだし。
「アマテラス様のおわす中枢エリアは旦那様もよく知る文化体系がベースになってるよ♪ イワトの運営や行政関連の施設は全部中枢に集まっててね♪ けどこっちは完全な居住エリアなの♪ すごっく広いから手を放さないでね♪ でないと迷子になっちゃうのだ♪」
にゃるへそ。
「アルカの故郷をご存知なのですね。もしやアマノは、我々の情報を詳しく知っているのですか?」
「ウズメから共有してもらったからね♪」
『申し訳ございません、マスター』
ローカル通信は別口だったかぁ。もちろん構わないわ。気にしないで、シーちゃん。
「ウズメが知ってたことなら全部知ってるよ♪ ノア♪」
何故かノアちゃんに抱きつくアマノ。
「えへへ♪ 真っ白で可愛い♪ もう一人のご主人様♪」
そのまま遠慮なく頬ずりまで始めてしまった。
「その話まだ残っていたんですね」
ノアちゃんが珍しくほぼ初対面の相手に撫でさせている。全然警戒していないようだ。一応猫ちゃんだから、普段なら身体的接触には慣れが必要なのに。ウズメとそっくりだからかしら?
「アルカ。私は獣人です。ただの猫ではありません」
今更言われなくてもよくよく存じておりますとも。
「ノア~♪」
「往来の真ん中では迷惑ですよ。アマノ」
「しゃあないにゃ~♪」
ノアちゃんから離れつつ、その手を握るアマノ。
「来て♪ ノアが気になっているものも見せてあげる♪」
アマノが駆け出した。
ウズメも後に続くように駆け出した。
私とノアちゃんは二人に手を引かれて後に続く。
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アマノが連れてきてくれたのは牧場だ。
豊かな草原に、牛や馬、羊なんかが群れて暮らしている。
遠くには巨大な建造物があり、そっちには豚や鶏なんかが飼われているそうな。
「魂の循環についてもわかるのですか?」
「流石にその施設は見せてあげられないかなぁ」
施設があるのね。
アマノはウズメより多くの情報を持っているようだ。ウズメの場合は後から制限をかけられたのかしら? アマノはまだなの? それとも必要がなくなった?
「魂の循環って施設でどうにかなるものなの?」
「あ! ごめん! 今の無し!」
残念。流されてくれなかったか。
「アマノ。あなたの主は未だ神アマテラスなのですか?」
「む~! ノアの意地悪~! なら逆に聞くけどさ! 前のご主人様のことだからってペラペラ喋る相手を信頼出来るのかな!? かな!?」
「そうですね。今の問は意地が悪かったです。謝罪します」
「ううん! 此方こそごめんね! 本当は答えてあげたいんだよ! 本当だよ!」
「はい。その言葉を信じます」
「ありがとう♪ ノア♪」
「では話せることだけを話してください」
「おっけ~♪」
ノアちゃんは少しずつ切り取る戦略に切り替えたようだ。頑張れノアちゃん。鍛え上げた交渉力を見せてあげて。
「さあ♪ ソフトクリームでも食べに行こ♪」
マジか。そういうのもあるのか。
「牧場といえばソフトクリーム♪ 美味しいよ♪」
「行きましょう」
ふふ♪ ノアちゃんの尻尾が期待に揺れているわ♪




